• このエントリーをはてなブックマークに追加

tako2008さん のコメント

(・・続きその4・・)

最後に、米中間でどのような交渉(取り決め)をさせるべきか。

まず、南シナ海の覇権争奪戦における、米中双方の思惑とは
次のようなものと推測されます。

<米国側の思惑>

 ・南シナ海は米国および太平洋側の国々にとって重要なシーレーン
  であり、これを中国に抑えられることは避けたい

 ・中国と周辺国との間で、将来領土問題を巡る大規模な軍事紛争が
  起こることへの懸念

 ・アジアにおける事実上の支配権(海洋覇権)を失うことへの懸念

<中国側の思惑>

 ・シーレーンの安全確保は、中国にとっても死活問題であり、
  米国やその同盟国の影響力を排除したい

 ・南シナ海から米軍を追い出し、中国海軍にとって安全な場所にしたい

 ・米国に力を誇示し、南シナ海が中国の縄張りであることを主張したい

では、上記を踏まえて、米中が取り決めるべきルールとはなにか。

<取り決めるべきルール>

 ・中国軍および米軍は、南シナ海における他国の船舶及び航空機
  の航行の自由を保障すること

 ・中国軍および米軍は、互いに相手の航空機や艦船に対して、
  過度な監視や追跡及び挑発行為を行わないこと

 ・中国及び関係国は、南シナ海共同宣言を履行し、すでに他国が
  実行支配している島や岩礁への武力占拠は行わないこと

 ・中国及び関係国は、島や岩礁への埋め立ておよび建設行為
  を自制し、必要のある場合には周辺国へ説明すること

 ・中国及び関係国は、南シナ海へ防空識別圏を設定しないこと

最低限、上記のようなものになると思います。

本来は、米国による裏の扇動工作、つまり中国と周辺国との離間工作を
真っ先に禁止するべきなのですが、米国は謀略も覇権ゲームの一手段と
考えており、止めろといっても無理な話です。

それ以前に、裏工作を禁止してしまったら、経済力で周辺国を味方に
引き入れることのできる中国に一方的に有利なルールになってしまう。

したがって、米国の裏工作も中国の買収も、覇権争奪ゲームの手段
としては認めざるを得ない。

それでも、米中間でこのような取り決めを行うことで、軍事対立の
ようなことは避けられるでしょう。

しかし、米中の覇権争いは、あるべき姿に落ち着くまで、何十年かは
続くと覚悟しなければなりません。

我が国は、自我をしっかり確立して、米中に振り回されることなく、
歩むべき道を歩むこと。
No.11
115ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
  集団的自衛権、原発再稼働、TPPと、多くの国民は安倍氏の政策に反対である。  本来なら、主な政治家は国民の意見を無視できないはずであるが、安倍政権は全く、国民の意思を考えようとしない。  その一番大きい理由にテレビ、新聞の大手マスコミにある。  安倍首相批判につながることを巧妙に避け、安倍首相を継続させるイメージ操作を継続する。  何をやっても駄目なのではないかと言う無力感が出てくる。  まず、「民主主義は与えられるものではない。歴史的に勝ちとったもの。不断に勝ち取る努力が必要」である。  高村光太郎は『智恵子抄』で、「すつかり変つたといつても、それは他力による変革で 内からの爆発であなたのやうに、あんないきいきした新しい世界を命にかけてしんから望んだ さういふ自力で得たのでないことが あなたの前では恥しい。」と書いた。  民主主義、自由は与えられる物ではない。  統治
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。