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名を正すさん のコメント

昨日、安倍総理は「世界記憶遺産登録」に関して、訪日中の中国外交統括責任者との会見で、正式に遺憾の意を伝えた。鈍感なマスコミはほとんど感じていないでしょうが、このことは世界に対する日本の恥の上塗りであり、この会見の日を日本の国辱記念日と言っていいぐらいです。私はそのニュースをテレビで見ていて、今さらながら驚くと共に、このような人を総理としていることを、つくづく情けなく感じました。
この総理は以下の事実について忘れているのか、ほっかむりしているのか、いずれにしても
そのズルさを指摘しておきます。

そもそも安倍第一次政権時に、日中歴史共同研究が安倍総理の肝いりで始まった。成果がまとまり発表されたのは2010年で、日本側委員による研究発表では「20万人を上限として、4万人、2万人など様々な推計がなされている。このように犠牲者数に諸説がある背景には、「虐殺」(不法殺害)の定義、対象とする地域・期間、埋葬記録、人口統計など資料に対する検証の相違が存在している」。
つまり、虐殺があったということは日本側も認めたのです。念のため、日本側の研究者は、中道から右寄りの人たちで構成されており、左翼歴史学者はいなかったのです。

日頃、具合の悪い歴史問題について質問されると、「歴史問題は歴史家に委ねる」と言いながら、自ら組織したチームが「南京大虐殺は事実」としたことについて彼はいまだに無視しています。そして、昨日の会見での発言です。この経緯を知っている人は、呆れかえったことでしょう。当然中国側の外交責任者も知っているはずです。

私自身は、恥ずかしくて見ていられなかったほどです。「どの面下げて」という言葉がピッタリです。どういうわけかメディアはこれをとりあげません。それどころか、安倍総理に同調しているメディアもあります。世間いや、世界知らずの恥さらしです。
世界の主要メディアからも、「隠そうとするからこのようなことになる」、「たとえ2万人だとしても、これは非常に多く、虐殺だ」、「日本政府の対応は子供じみている」、「日本政府はユネスコを脅迫している」などと論評されています。
総理自らが、被害国の外交責任者に遺憾だと言った昨日が、国民にとって恥ずかしい日、国辱記念日だという所以です。




No.5
110ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
A: 事実関係 1:菅官房長官は13日午前の記者会見で、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)が世界記憶遺産に中国が申請した「南京大虐殺の文書」を登録したことに関し、ユネスコへの日本の分担金の停止や削減を検討する考えを示した。 2:安倍晋三首相は14日、来日中の中国の外交トップ、楊潔※(よう・けつち)国務委員(副首相級)と首相官邸で会談し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に中国が申請した「南京大虐殺」の資料が登録されたことに遺憾の意を伝えた。楊氏は「第二次大戦に関しては既に国際的な定説がある。歴史をしっかり認め、未来に向かって進むことが重要だ」と述べ、議論は平行線となった。 B: 評価  ・南京事件を考える際に、さまざまの視点がある。  今回は、サンフランシスコ平和条約の観点で見てみたい。   サンフランシスコ平和条約は、第二次世界大戦後の平和条約で、日本国と連合国各国
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。