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第1回の開催から今年でちょうど四半世紀が経つ麻雀最強戦。麻雀最強戦レポーターの梶やんが、近代麻雀で掲載された過去の名対局やエピソードなどをピックアップし紹介する[不定期連載]
第3回麻雀史上最強戦は1991年8月8日に開催されました。ちなみにこの年の出来事は「宮沢りえヌード写真集『santa fe』がベストセラーに」「湾岸戦争始まる」「雲仙普賢岳で火砕流発生」「ワルシャワ条約機構解体」「PKO法採決」などがありました。
一方、麻雀最強戦では、この年からVTR販売用のビデオ撮影が行われます。われポンもモンドもニコニコ生放送もなかった時代。麻雀プロの対局を知るには近代麻雀などの活字媒体しかありません。麻雀プロの顔は知っていても、どんな動作をするのかどんな声なのかは知る由もありません(Vシネマ『雀鬼』シリーズに出演していたプロの人ぐらい?)。そんな多くの麻雀ファンにとって対局のVTR化は衝撃的でした。私は、神戸の麻雀大会の賞品でこのVTRをゲットしました。大学寮にある麻雀部屋にこのVTRを持ち込んで、麻雀を打ちながら麻雀プロの所作などをモノマネしたものです。
この年の参加者は、
現最強位・小島武夫 片山まさゆき 大隈秀夫 伊藤優孝 金子正輝 灘麻太郎 飯田正人 長谷川和彦 安藤満 西原理恵子 吉田勇 井出洋介 馬場裕一 滝石潤 山崎一夫 岩本光明 古谷祥啓
の17名。小島プロ以外の16名が半荘4回の予選を戦い、上位3名が最強位・小島プロの待つ決勝卓に進むというシステムでした。この予選を勝ち上がったのは、初代最強位の片山さん、「守りの神様」の異名を持つ大隈秀夫プロ、そして「死神の優」こと伊藤優孝プロでした。特に片山さんは予選を200Pオーバーでダントツの勝ち上がり。3年連続の決勝戦進出ですっかり「最強戦の顔」となりました。
決勝は半荘2回のトータル勝負。起家の片山さんはいきなり大物手を狙います。
ツモドラ
このは安全牌だが、この牌を残してある牌を切ったのです。
打? いえいえ、とんでもない。片山さんが選んだのは打でした。狙いは567のタンピン三色でした。
(理想形)
いきなり大物手でリードを築こうというわけですね。ところがこの直後、小島プロからリーチ。すぐさま片山さんは裏目のを引かされてしまいます。こうなると前に出づらいですね。流局間際、小島プロの満貫のツモアガリとなりました。
こういうときは何となく嫌なムードが漂うものですが、片山さんはすぐに1300・2600をアガって取り返します。その後は小さいアガリの応酬で局が進みました。
場が動いたのは南2局。西家の小島プロがを捨てたところです。
ドラ2枚ある片山さんは、このの出に手が止まります。チーすればイーシャンテンとなりますが、どう鳴いて何を切るか? 牌図だと分かりにくいですが、小島プロの切ったをポンしていて(誰が切ったかを示すために捨て牌にはがそのまま残っています。なのではまだ1枚生きています)、も場に3枚目。が非常に薄く、これを見送ればアガりは難しくなる可能性が高いでしょう。
シンプルに構えるならでチーしてを捨てタンヤオへ向かいます。しかしはション牌で誰に振り込んでもおかしくない。
ここで片山さんはでさらしを捨てます。
ドラ
が、このが大隈プロのトイトイへの放銃となりました。
ロン
このアガリをきっかけに大隈プロが場をリードし、初戦をトップで終えます。
大隈プロ+20.1p 小島プロ+3.4p 伊藤プロ-10.6p 片山さん-12.9p(当時はトップオカの12pのみを採用。順位ウマはなし)
2回戦は1回戦と打って変わって打撃戦となった。その戦いを制したのは?
(第5回 了)
第3回麻雀史上最強戦は1991年8月8日に開催されました。ちなみにこの年の出来事は「宮沢りえヌード写真集『santa fe』がベストセラーに」「湾岸戦争始まる」「雲仙普賢岳で火砕流発生」「ワルシャワ条約機構解体」「PKO法採決」などがありました。
一方、麻雀最強戦では、この年からVTR販売用のビデオ撮影が行われます。われポンもモンドもニコニコ生放送もなかった時代。麻雀プロの対局を知るには近代麻雀などの活字媒体しかありません。麻雀プロの顔は知っていても、どんな動作をするのかどんな声なのかは知る由もありません(Vシネマ『雀鬼』シリーズに出演していたプロの人ぐらい?)。そんな多くの麻雀ファンにとって対局のVTR化は衝撃的でした。私は、神戸の麻雀大会の賞品でこのVTRをゲットしました。大学寮にある麻雀部屋にこのVTRを持ち込んで、麻雀を打ちながら麻雀プロの所作などをモノマネしたものです。
この年の参加者は、
現最強位・小島武夫 片山まさゆき 大隈秀夫 伊藤優孝 金子正輝 灘麻太郎 飯田正人 長谷川和彦 安藤満 西原理恵子 吉田勇 井出洋介 馬場裕一 滝石潤 山崎一夫 岩本光明 古谷祥啓
の17名。小島プロ以外の16名が半荘4回の予選を戦い、上位3名が最強位・小島プロの待つ決勝卓に進むというシステムでした。この予選を勝ち上がったのは、初代最強位の片山さん、「守りの神様」の異名を持つ大隈秀夫プロ、そして「死神の優」こと伊藤優孝プロでした。特に片山さんは予選を200Pオーバーでダントツの勝ち上がり。3年連続の決勝戦進出ですっかり「最強戦の顔」となりました。
決勝は半荘2回のトータル勝負。起家の片山さんはいきなり大物手を狙います。
ツモドラ
このは安全牌だが、この牌を残してある牌を切ったのです。
打? いえいえ、とんでもない。片山さんが選んだのは打でした。狙いは567のタンピン三色でした。
(理想形)
いきなり大物手でリードを築こうというわけですね。ところがこの直後、小島プロからリーチ。すぐさま片山さんは裏目のを引かされてしまいます。こうなると前に出づらいですね。流局間際、小島プロの満貫のツモアガリとなりました。
こういうときは何となく嫌なムードが漂うものですが、片山さんはすぐに1300・2600をアガって取り返します。その後は小さいアガリの応酬で局が進みました。
場が動いたのは南2局。西家の小島プロがを捨てたところです。
ドラ2枚ある片山さんは、このの出に手が止まります。チーすればイーシャンテンとなりますが、どう鳴いて何を切るか? 牌図だと分かりにくいですが、小島プロの切ったをポンしていて(誰が切ったかを示すために捨て牌にはがそのまま残っています。なのではまだ1枚生きています)、も場に3枚目。が非常に薄く、これを見送ればアガりは難しくなる可能性が高いでしょう。
シンプルに構えるならでチーしてを捨てタンヤオへ向かいます。しかしはション牌で誰に振り込んでもおかしくない。
ここで片山さんはでさらしを捨てます。
ドラ
が、このが大隈プロのトイトイへの放銃となりました。
ロン
このアガリをきっかけに大隈プロが場をリードし、初戦をトップで終えます。
大隈プロ+20.1p 小島プロ+3.4p 伊藤プロ-10.6p 片山さん-12.9p(当時はトップオカの12pのみを採用。順位ウマはなし)
2回戦は1回戦と打って変わって打撃戦となった。その戦いを制したのは?
(第5回 了)
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