• このエントリーをはてなブックマークに追加
麻雀最強戦2015ファイナル決勝卓 レポート
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

麻雀最強戦2015ファイナル決勝卓 レポート

2015-12-22 19:00
  • 1
700cf38dc69961e630df33beaaf1b3166f9735ea
2015年12月12日に開催された対局を各卓ごとにレポートします。今回は決勝卓です。


いよいよ決勝戦。鈴木たろう・前田直哉・柴田吉和・近藤誠一の並びで始まった。
0eed15969172a05c78c796b31bbd8bd58f4b73e8

優勝予想は最強戦常連のたろうが1位(36.2%)で、これはある意味当然の結果だが、2位の近藤がそれに肉薄する数字(32.7%)。要因はやはり今年の最高位決定戦の勝ちっぷりを見て投票した人が多かったからだろう。

東1局は前田が高め234の三色のフリテンリーチを敢行するが、これはツモれずに流局。続く東2局1本場。ドラはpai_s_3m.jpg。親の前田が好配牌を手にする。

a9ac66d33eb70e5ac707b6185ed6a09924278971

218c765cc7cd0d36c08c5dd606f5510197d2e3c8

一方、北家のたろうの手にピンズが次々と押し寄せ、染め手に向かう。
13f5078d993fb32d5f624d247d973fd7d6657ecc

5巡目にpai_s_9p.jpgをチーして残った形がこれ。連続形が維持されていて決まりやすい形だ。
d966f3dcb724bf869c4315bf903897ec393931ce

たろうはさらにpai_s_3p.jpgポンをしイーシャンテン。そしてpai_s_haku.jpgを重ね、ホンイツのみではあるがテンパイ一番乗りを果たす。

北家・たろうの手牌 pai_s_4p.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_haku.jpgpai_s_haku.jpg pai_s_3p.jpgpai_r_3p.jpgpai_s_3p.jpg pai_r_9p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpg ドラpai_s_3m.jpg

さらに、西家・近藤にもテンパイが入る。
1349e60e8d8a50781bc67b9dff48b07b84f0b138

08df3367d57433465b5f13e9cb4c6c62d1680882

ドラ1ある近藤はション牌のpai_s_nan.jpg単騎リーチをかけた。pai_s_nan.jpgは場には出ておらず、柴田の手に1枚あるだけ。

そして配牌イーシャンテンの親・前田がようやく追いついた。
160cbbfd6e6aeb40cbbf714158d1413d3a4ec3a9

東1局と同じく234の三色のpai_s_1m.jpgpai_s_4m.jpg待ち(ただし今回はフリテンではない)。リーチの近藤の現物が高めである。前田はドラ表示牌のpai_s_2m.jpgをすっと切る。

前田「先手を取れたら立直して6000オール引きに行こうと思ってました。しかしたろうプロにホンイツテンパイが入り、近藤プロからリーチが入り、後手を踏んだ形です。pai_s_1m.jpgpai_s_4m.jpgが先に埋まればリーチをしようと決めてましたが、逆になり、pai_s_1m.jpgは山にいそうですけど、pai_s_4m.jpgが厳しそうに思ったので黙テンにしました。それと近藤プロのリーリを受けてたろうプロが一発目の牌を多少躊躇って切ったので、たろうプロは打点がそこまで無いか、愚形待ちかだと感じてたので、もし立直したらpai_s_4m.jpgは止められる可能性もあったと思います。以上が、ヤミテンを選択をした理由です」

直後、この高めがオリている柴田から出て前田の親満のアガリとなった。
f72ed4a84a4d18de2b94d696e6f5f99ee0c3a712

12f18a8af56cada989089c34d615368c36d44ee7

柴田自身も前田のpai_s_2m.jpgが強いのは承知の上だが、何せリーチの近藤の現物でピンズ仕掛けのたろうに確実に通るのがpai_s_4m.jpgだけ。近藤の捨て牌のスジで前田の現物のpai_s_7m.jpgという選択もないわけではないが、近藤にpai_s_7m.jpgが通っていない以上、pai_s_4m.jpgから捨てるのはやむを得ないか。だが、それが親満という痛恨の一撃を食った形となってしまった。これで前田がまず一歩リードとなった。



ここから、トップめ前田に追いつこうとする近藤・たろう鍔迫り合いが熾烈になった。

東3局では近藤がメンピンツモドラ1のアガリ。
0b38d8ee0b447d48b57640c455151cb2cf5c30a3

続く近藤の親になる東4局では、近藤がpai_s_7s.jpgpai_s_chun.jpg待ちのダブpai_s_ton.jpgホンイツの親満を入れるが、これをたろうがリーヅモで蹴った。
10dd9c36fbcac9303b1679dd9f7c12674cf46e72

東場を終えた時点の得点状況は、前田38600、近藤32400、たろう21300、柴田7700という並び。トップ前田の持ち点がそれほど多くないので、全員にまだまだチャンスが残されている。



そして南1局。親のたろうとしては、ここは大きく稼ぎたいところ。
58e619d5e4f1511134f373f765e98cd5b26a3e06

9963172763ee0ae82e772951881551a3f3dd357e

9巡目にタンヤオイーペーコーのテンパイを果たしたたろうはカンpai_s_6m.jpg待ちで即リーチをかける。

だが、北家・近藤もすぐに追いついて追っかけリーチ。
c1169a84c818e446c05c4dc44d70272f85fef64f

9703260558703eabeae1eb7c9eb8610c6db8ec0b

近藤からはドラのpai_s_8p.jpgが4枚見えており、親のたろうに対しても向かいやすい。テンパイの入り目はpai_s_2m.jpgだったが、おそらく逆が入っても追っかけリーチをかけていただろう。

そして、このめくり合いに柴田も参戦する。
e81faf6ab5d6304f970ce4f786e2eeff890b2edc

2dd4c8001b9dc8b0d36d2bb061ac449a2e8b1a3b

こちらもチャンス手であり、当然の追っかけだ。

7e3cb6c9bab3b0720f887810df6599c568b46e86

最強戦システムの南場では、このように親リーチに対し子が次々に追っかけるシーンが少なくない。親リーチの圧力が効くのはトップ目か手ばらの打ち手だけである。そこそこ戦える形ならそこから退くケースは少ないのである。トップしか価値のない戦いでは、返り討ちを覚悟で数少ないチャンスを掴みにいかないと結局負けてしまうからだ。

この勝負を制したのは近藤だった。
1a7b018077627aeb3059d927cccfef7a8a9ad0bf

これで近藤はトップ逆転。たろうは二度目の親を満貫放銃で落とし一気に苦しくなる。上位2人・下位2人が明確な構図となり、南2局の前田の親を迎える。



南2局。トップを逆転された前田の親。

a8af806c88d31bd9efbe77879d61dba10f5baac2

この局は先行リーチをかけた前田だったが、1人テンパイのまま流局。そして1本場で再びチャンスを手にした。

e7482f7671c57f3f020ffdf65161ebe8381eb8d2

このリーチに3人とも押し返すものの、テンパイまで至らない。そして前田が高めのpai_s_6p.jpgをツモ。

00c9e7e9531c69d8135b9a3120b17092790c0453

裏ドラも乗せて6000オール。これでたろう、柴田とは圧倒的な差がつき、そして二番手近藤との差も大きく広げた。前田としては、ここでさらにリードを広げ、来るべきオーラス、近藤との勝負に備えておきたい。だが、次局は近藤の3巡目リーチがかかったために大人しく撤収。近藤はたろうから2600は3200をアガって前田の親を流した。

そしてオーラス。トップめ前田とラス親近藤の点差は19700点差。近藤はハネツモなら一撃でまくるが、無理に高くするよりまずは前田の足を止めたいところ。

7df23fe453cbe65d6bcd13d5b6a284d26fc2d456

その近藤の6巡目の手牌がこの形。
2fc3f9e23db0796dfe5d985ce1c02609bd5ebbd4

ピンフイーぺーコー絡みのテンパイなら6000オールが狙えなくもない。だが、裏目でテンパイを逃すとその分前田の手も進んでしまう。近藤はここでpai_s_3p.jpgを捨てた。即リーチ・ポンテン・フリテンリーチなどあらゆる可能性を残した一打なのか。

一方の前田は8巡目にイーシャンテンになった。
f8103dad1080020e13272db2e09adadce7e493bf

93e71030590b82b315d43b5e5d8c9c5c29fe35b3

ここはいよいよ勝負のとき。まずドラのpai_s_nan.jpgを捨てる前田。ここに近藤のポンは入らず、続けて柴田がこれを合わせ打ちしたので、前田にとっては第一段階はクリアした(近藤にアガられても表ドラは絡まない)といえるだろう。

だが、12巡目、前田は大いなる決断を迫られることになる。
47d7992ed3779a386321c4df625d8af685900fb2

役なしテンパイになる数少ないpai_s_6s.jpg(あとpai_s_8s.jpgのみ。それ意外は全て役がつく)を引いた前田。リーチをかければ出アガリも可能だが、そうすると近藤に親満放銃で逆転されてしまう。ヤミテンか、あるいはテンパイ崩しかと思われたが、前田の決断は「リーチ」だった。

bdbc58260b9666ffc7585f11f35930413b889030

前田「pai_s_7p.jpgpai_s_9s.jpgが出ても鳴かないと決めていたので、役アリのテンパイを入れたかったのですけど、持ってきたのがpai_s_6s.jpg…。ああいう状況での捨て牌読みはあまりあてにはなりませんけど、(たろう・柴田の)2人が四暗刻よりも国士よりの捨て牌だったので、pai_s_7p.jpgは山にあるか近藤プロが固めているかだと思ってました。なので近藤プロからのpai_s_7p.jpg切りを逃したくはなかったので、ここは勝負だと思いリーチを選択しました。もちろんドラのpai_s_nan.jpgが2枚見えていたこともリーチ選択出来た理由の一つでもあります」

このリーチを受けた瞬間、近藤は両手を交差させ双方の前腕をさすり始めた。

4762dc2aaa5ff35d8636af0bdc34c75a57889336

いよいよ勝負の時が来たという感じなのだろうか。近藤の手も親満の可能性があるイーシャンテン。だが、そこに前田の本命牌の1つpai_s_1m.jpgを持ってきた。

29b7a9bcf19941d5aeba7ca57479ab61f4e4c273

15a081c7c2973632c7e6290ea5da86a40762f182

ここで近藤はこの最強戦で一番の長考を入れた。もちろん状況的にはpai_s_1m.jpg勝負一択なのだろう。だが、その状況に流されて安易に勝負することはしなかった。この牌を切らずにアガれる道があるかを考えたのか。だが、最終的に腹を括ってpai_s_1m.jpgを押した近藤。

だが、その数秒後。前田の手にpai_s_7p.jpgが引き寄せられ、新・最強位が決定した。
20deb291cf50deb5a7bd78d93abcb9b758c1da94

対局後の一礼を終え、柴田から握手を求められた前田にようやく安堵の表情が浮かぶ。
ce154746551ed35be7f59006c961a36108731666

4f3db6692ee5541af80d37ef7407b5485f9fb9fc

さらに近藤、たろうとも握手を交わす。
c7e6072917401fafb26adcf6b1802c3d0438c24e

1cfffad07dd194c0ef55b3a5f2d9937a6b7e5de9

意外なことに最強戦ファイナルではこういうことがあまりないだけに、どこか新鮮味のある光景だった。

32db04a060215576f7f15da14e4c0186754d0a37

表彰式のインタビューでは謙虚にこう語った新最強位。
「今日は本当にツイてました。誰でもアガれる手牌がちゃんと来てくれて。最強位獲得は率直に嬉しいです。

これで麻雀最強戦2015は全日程を終えた。来年も年明け早々に「麻雀最強戦2016女流プロ代表決定戦出場枠争奪戦」が開催される。果たして来年はどんなスターが登場するのか? 激しくドラマチックな戦いをご期待ください!
チャンネル会員ならもっと楽しめる!
  • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
  • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
    • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
    • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
ブログイメージ
麻雀最強戦ブロマガ
更新頻度: 未定
最終更新日:
チャンネル月額: ¥880 (税込)

チャンネルに入会して購読

コメント コメントを書く

前田最強位!おめでとうございます

No.1 108ヶ月前
コメントを書く
コメントをするにはログインして下さい。