1/17(水)11:00よりニコニコ生放送およびFRESH!の「麻雀スリアロチャンネル」にて放送された、The All Star League 2018 第1節の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
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昨年熱い戦いが繰り広げられたThe All Star Leagueが2018年も開幕!
3人1組の16チームが、全9節を戦い、決勝に進む4チームを決める。
オープニングでは、唯一昨年と同メンバーの昨年度優勝チーム「おじまご」が、王者の風格を漂わせた。
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(ちーむ「おじまご」。メンバーは写真左から園田賢、木原浩一、愛内よしえ)

赤牌あり、アガリ連荘という普段の競技麻雀とは異なるルールを制するのはどのチームか!?
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【1回戦:「おじまご」園田が貫禄のトップで初戦を飾る】

開幕戦から、現最高位・村上と現雀王にして最強位・金といういきなりの好カードが実現。
こういった夢のような対戦が見られるのも、オールスターリーグの醍醐味だろう。
その村上がいきなりのハネマンツモで先制したが、主役の座をさらったのは友添。
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ドラを引いたところでチートイツに決める打7mとすると、構想通りの8m単騎を村上から一発でアガり、ウラも乗って倍満。
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一撃で村上を沈め、一躍トップ目まで駆け上がった。

しかし、黙っていなかったのは昨年度優勝チーム「おじまご」の園田。
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オーラスのオヤ番を迎えると、イッツー確定で前巡2s単騎のテンパイに受けたが、7mを引いたところで手を止める。
マンズは場に高く、4m7mでリーチにいってよいものか。ただ、かといって河に字牌が少ない濃いめの場況では、有力な単騎があまり見当たらない。
4mを空切りしての2s単騎リーチもあったが、園田の選択は素直に4m7mリーチ。

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すると、これが一発ツモで4000オールとなり、今度は園田がトップを逆転した。

しかし、アガリ止めがない今回のルールでは、オヤを継続するしかない。
2着目友添と4000点以上の差が開いているため、流局すればトップ確定の園田。
終盤に8mを引く。
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7mと8mは全枯れで、8mを残すメリットは、受け入れ的には5pのみ。
前巡の白でテンパイ気配を演出しているため、8mをツモ切ると、だいぶテンパイしているように見せることができる。
そうすれば、手が入っていない他家のオリも期待できるのだが、園田の選択は打白。
これでテンパイではなさそうに見えてしまうかもしれないが、素直に5pの受け入れを取りにいった。

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すると、金のリーチ宣言牌がなんと5p。これをポンしてテンパイした園田が、次巡に金から9pで5800。これでトップを決めた。
当然といえば当然の手順かもしれないが、そういう手順を間違えずに踏める揺れないフォーム。
時折見せる「狙いにいった打牌」が注目されがちな園田だが、こういったベースの強さにもぜひ注目してみてほしい。


【2回戦:「カテナチオ」渋川の確実に仕留めるダマテン】

「カテナチオ」というチームがある。
カテナチオとは、サッカーイタリア代表でもお馴染みのイタリア語で、錠前のことだ。
つまり、ゴールにカギを掛けるように守備が強いチーム、という意味合いで使われる。
チーム名に守備という明確な雀風を入れるのは、自分たちを縛ることにもなりかねないが、そんな心配は渋川によって杞憂に終わらせられる。

ASAPINが先行して迎えた東2局、渋川にテンパイが入る。
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ドラが2sなだけに、3s切りリーチで1300・2600を取りに行きたくなるところ。ダマテンにするにしても、ドラカンチャンに受けてしまいそうである。
一方、渋川は打1sのダマテンを選択していった。
これは懐が深い。
2p、3pでのイッツーをメインに、南連打でのオリまで見据えた守備的な1打。
正にカテナチオの名にふさわしい手組ではないだろうか。
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すると、新ドラ5pが乗ったところで引いた6pでテンパイを崩し、あっという間にホンイツを完成させて見せた。
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ここからは完全に渋川劇場。
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次局にはチートイツと断定できない捨て牌にも関わらず、前巡1枚切れの中単騎を念入りにダマテンに構えると、すぐにツモって3000・6000。

さらに次局には松ヶ瀬のオヤリーチを受けてツモりスーアンコに変化。
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5s切りでシャンポンに受けると、ダマテンのまま無スジを何枚も切り飛ばすと、終盤に松ヶ瀬から12000。
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実に3局連続のダマテンアガリで、渋川がカテナチオらしいトップを取って見せた。

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【3回戦:門前手順もすごい!仕掛け屋・小林の捨て牌作り】

小林剛といえば、仕掛けのイメージが強い。
今回も、まずはクイタンドラ2の5800をアガると、1本場ではこの「雀頭をなくすポン」。
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この雀頭をなくす役牌ポン、私は小林の最も得意とする仕掛けだと思っている。
雀頭がないがゆえに、重なりやすい牌(→安全度が高いことが多い)を持ち、安定感を保ちながら手牌を進行する。
これが小林剛の極意「雀頭クラッシュポン」である。
ここでも、安全度が高く、かつヤマに残っていそうで、出アガリも期待できるという3拍子揃った1s単騎テンパイを組むと、2p5pへの手替わりチャンスが訪れる。
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確かに1sを切れば両面になるのだが、出アガリのしやすさを踏まえれば、1sも2p5pと遜色ない。
ということで小林の選択は5pツモ切り。
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そして、茅森からリーチが入ったところで9pと1sを入れ替え、魔法のような1000オール。
もし2p5pに受けていたら、9pをツモ切っていたはずなので、このアガリは拾えていない。
テンパイのその先へ。
小林の仕掛けにはテンパイの向こう側が存在するのである。

一方、小林の門前手順はどうかというと、こちらも非常に面白い。
小林の特徴として私が思うのは、意外と門前三色が多いということだ。
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ここでも石井から三色ドラ1の5200をアガるのだが、小林にはこういう愚形三色のダマテンが多い。
なぜかといえば、仕掛けてアガることを考えた場合、役牌がなければ鳴き三色や鳴きイッツーが次点のターゲットとなるからだ。
それらを狙って不運にも仕掛けられなかった場合、必要牌を自力で引いてしまうと、愚形三色の完成となるのである。

ただし、あくまで門前でいけそうにない手で三色を狙うだけで、リーチできる手では無理に三色を狙わない。
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トップ目で迎えた南1局オヤ番。
みなさんなら何を切るだろうか?
①打8sとし、7s引きの三色変化を待つか、②5m切りでマンズの3面張変化を待つか、というほぼ2択ではないだろうか。
しかし、小林はどちらでもない。
③3面張を見ない打5mである。
小林にこの手を打たせると、こんなリーチになる。
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どう打っても、リーチピンフの1s4s待ちになることには変わりないだろう。
注目すべきは河である。
上記①か②を選択した場合、想定される河はおそらくこうだ。
西8s南8s(リーチ)
西5m南8m(リーチ)
一方の小林は
西5m8m南(リーチ)
どの捨て牌でリーチされるのが最も嫌だろうか。
私は、小林が選択した③が最も嫌である。
唯一、チートイツも意識に入る捨て牌だからだ。
そうなると、切れる牌が少なくなるので、迂回ではなくオリになりやすい。
小林は、この「チートイツの可能性を残す捨て牌作り」をたまに見せる。

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こんなところから、9mではなく4s→1sと切ってみたり、といった具合である。
確かに、打5mで3面張への振り替わりは見るのだが、それはたった1巡。
それを1巡にすることで、小林は「他家の迷い」を買っているのである。

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結果、ドラが固まっていた浅見に真っすぐ押し返されるのだが、1sツモアガリの2600オールでトップを決めた。
たった4巡の捨て牌だが、仕掛け屋らしい捨て牌作りの技がキラリと光る1局となった。

【4回戦:背水のりんの、チームに初のプラスをもたらす】

今回、リーダー権争奪戦を勝ち抜いて16人目のリーダーとなったりんの。
しかし、りんののチーム、「なおちゃんのしゃかりきチーム」は、ここまでオールマイナスの最下位と苦戦していた。
ここでマイナスすると、早くも厳しい状況に追い込まれるが、そんな背水のりんのが早々にこのマンガンをツモってトップ目に立つ。
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しかし、そこに近藤が立ちはだかった。
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ドラアンコのタンヤオをリーチして6000オールにしてしまう荒業で、りんのをまくってしまう。
そこから2人のトップ争いが繰り広げられながら進行したが、オーラスを迎えてオヤのりんのがトップ目となっていた。

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そのりんのが2枚目の東を渋々仕掛けて2フーロの500オールを決めると、これが決め手になり、リーダーがチームに初トップをもたらした。

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第1節を終えて、トップは昨年度優勝の「おじまご」。
果たして、盤石とも思えるおじまごをまくるチームは現れるのだろうか。

第2節は、1/31(水)11:00よりニコニコ生放送およびFRESH!の「麻雀スリアロチャンネル」にて放送予定!