あなたは最近無駄遣いだったと後悔した買い物はありますか?
それはどんなものでしょうか?
今までに最も後悔した衝動買いがあるとしたら、それはどんなものですか?
物欲を抑えることができず、後になるともったいないお金の使い方をしてしまったという後悔は結構多くの人が抱えている問題ではないでしょうか。
今回は、そんな物欲を抑えるいい方法はないだろうかという相談をもとに、物欲のコントロールについてまとめてみたいと思います。
Q. 「物欲を抑えるいい方法はありますか?」
これについては決断力の放送でDaiGo師匠が言っていたことではありますが、衝動買いも含めて決断ミスというものが起きる理由としては、基本的には目先の感情や欲求に囚われたことによって起きるものです。
遠い先の未来よりも目先の利益を優先してしまうということをすると、大抵の場合その決断は後悔する結果になります。
このような目先の欲求に負けてしまわないための方法についても、DaiGo師匠は様々な知識を紹介してきたと思います。
余計なバイアスを取り除き冷静な判断をするための方法、後悔をなくすための選択にはどのような方法があるのかなど解説してきたと思います。
ちなみに、後悔しない選択については、こちらの一問一答でも解説していますので、そちらも参考にしてみてください。
学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜
キャッシュレスで加速する無駄遣い
キャッシュレスも当たり前になり、いつのまにか無駄遣いが増えたり貯金が減ったりしている人はいませんか?
電子マネーを日常的に使っていると、いつのまにか残高が少なくなっていてチャージする回数が増えたりしている人も多いのではないでしょうか。
これは、人間というものがそもそも紙幣や硬貨というものに対しては強烈に反応するようにできているのに、それが残りいくら使えるかという単なる数字になってしまうと、あまり反応しなくなってしまうからです。
例えば、紙幣を使って1万円払うときとクレジットカードで1万円を払う時とでは、人間の脳の反応は全く違ってきます。
お札を払う時には、当然その重みは人によって違うとは思いますが、痛みに近いような感覚を人間は受けています。お金を使うという行為は人間にとって痛みに近い感覚になるということです。
この痛みに近い感覚があるからこそ、人は無駄遣いになってしまうかもしれないと考え、余計な出費をする前にそれを止めることもできるわけです。
ところが、これがキャッシュレスになるとまったく違ってきます。
人間の脳はそれほど痛みを感じないので、そのぶん余計な無駄遣いをしやすくなってしまいます。
実際に、クレジットカードで支払うだけで出費が増えるという研究もあります。
アメリカで行われた研究で、約1000件の一般的な家庭を対象に食料品の買い物を半年間にわたって追跡調査するという研究があります。
これによると、現金を使った場合とクレジットカードを使った場合で比べた時に、クレジットカードで買い物をした時の方が買い物の額は多くなりました。
これはおそらく電子マネーでも同じことだと思いますが、ここでも実際にお札で払う時に比べて痛みを感じにくいので、そのぶんお金が出ていきやすくなるということが確認されたわけです。
ところが、出て行くお金が増えるというだけではなく、クレジットカードや電子マネーで買い物をすると、健康的ではないジャンクフードのような食品や嗜好品を衝動買いしてしまう確率まで高くなるということが確認されています。
人は現金が出て行く時には心理的な痛みを感じるので、それで手に入れるものがその痛みに見合うものなのかどうなのかということをちゃんと考えることはできています。
ところが、これがキャッシュレスで払うようになると、その痛みを感じないので見合うものなのかどうなのかをチェックすることができなくなり、無駄遣いが増える上に不健康なものに手を出しやすくなってしまうというわけです。
さらに、クレジットカードについて調べた研究で、クレジットカードで支払うと自分がいくら支払ったのかということを覚えにくくなり、チップなども弾みやすくなるということが分かっています。
これは現金で支払った場合には、支払った時の痛みと共に感じるネガティブな感情が、そのお金を支払った時の記憶を強化してくれるけれど、キャッシュレスで支払った場合にはその記憶が残りにくくなるので、自分の無駄遣いによる失敗を反省しづらくなるからです。
反省することがないので無駄遣いは加速して同じような失敗を繰り返すわけです。
結局のところ、キャッシュレスが進んだ現代においては、現金を使っていた頃以上に自分をコントロールする能力であるセルフコントロール能力が重要になり、それがない人たちにとってはかなり危険な世の中だということになります。
とはいえ、だからといって便利なものを使わないというのもおかしな話です。
キャッシュレスは使いながらも自分をコントロールするための方法をも考えておいてください。
今回はそのための方法として2つ紹介しておきます。
対策その1:現金が出てくるところを想像する
クレジットカードは電子マネーで買い物をする場合には、自分が同じ金額を財布から出しているところを想像するようにしてください。
実際に自分がその金額を現金で払っているところを一旦想像してから、それを買うかどうかを決めるようにしてください。
人間の脳は想像するだけでもある程度その痛みに反応するということが分かっています。
対策その2:同じ金額で他に何を買うことができるか3つ以上想像する
これについては動画でDaiGo師匠も紹介していましたが、師匠のように自分自身の価値観を明確にした上で、その自分にとって一番重要なものに置き換えて考えることで、無駄遣いはかなり減りますし間違った判断や選択もなくなります。
ただ、これに慣れるまでは少なくとも3つ以上同じ金額で買うことができるものを考えるようにしてください。
同じ金額で他に何を買えるだろうか?
その金額を何回我慢すれば自分の欲しいものが買えるだろうか?
このように考えていただけると、自然と無駄遣いは減っていきます。
実際にお金が出ていくところを想像するということと合わせて、他に何を買うことができるのかということを想像するだけで、人は感情的にも論理的にも無駄遣いが減るようになります。
キャッシュレスに限らず、どんなに便利なものであっても人間の脳がそれにうまく対応できていないということは結構あるものです。
その人間の心理的な本能や現代社会との歪みを理解するだけでも、人は冷静に物事を判断することができるようになるのではないでしょうか。
無駄遣いも減らしてダイエットにも効果のある方法とは?
そういう意味では、人間の食欲を無駄に刺激しているものが溢れている世の中でダイエットを頑張るというのも同じような状況だと思います。
そんなダイエットにも使えて、衝動買いは無駄遣いが減るだけでなく、余計な不安や反芻思考にとらわれて眠れなくなる状況をを改善することもできる方法があります。
感謝こそ自分のため
2011年に行われた調査で、不眠症で悩んでいる人たちを対象に感謝の日記をつけてもらうという実験があります。
これによると、日記をつけ始めてわずか1週間で全員の不眠症が解消されたということです。
感謝の日記をつけることにより、寝る前に不安や反芻思考が湧き出てくる現象がなくなりました。
さらに、2003年の研究では、1週間の間に自分の身に起きた感謝したいことを5つリストアップして書き出すという作業を10週間にわたって参加者たちに行ってもらったところ、その結果なぜか1週間あたりの運動量が増えていたということです。
なんと1週間の間に起きた感謝したいことをリストアップするだけで、エクササイズなどの運動量を増やす効果もあったということです。
これは感謝の習慣が身につくことで、自分の人生に対して前向きに考えることができるようになり、生活習慣さえも健康的な方向に修正されて、結果的に運動量も増えていたということです。
これだけでなく衝動買いも減るということが分かっています。
ノースイースタン大学の論文によると、感謝の気持ちを普段から意識することによって衝動買いが減るということが分かっています。
例えば、お世話になっているあの人に対していつか恩返しできるような自分になりたいとか、感謝の気持ちにより将来のことに対して目を向けられるようになります。その結果短期的なことよりも長期的なことを意識することができるようになり、目先の欲望に負けない自分になれるということです。
感謝の気持ちの効果としては・・・
不安がなくなりよく眠れるようになる
運動が続くようになる
無駄遣いが減る
余計な緊張感を抱えることなく本来のパフォーマンスを発揮することができる
など、人生にとっても多くの効果があります。
普段から感謝の気持ち意識する機会を設けることで、忍耐力も上がり自分が本当に大切なことや価値があることに時間やお金を使うことができるようになるわけです。
もちろんこの感謝の気持ちを伝えることができるならば伝えた方がいいと思いますが、伝えることができなくても言葉に表すだけでこんなたくさんの効果を得ることができるということです。
自分が感謝できるものを探すことと思い出すことを習慣にしてみてはいかがでしょうか。
<お金を含めて人生での大切な判断を間違わないためのおすすめ本>
『まどわされない思考 非論理的な社会を批判的思考で生き抜くために』
『MIND OVER MONEY―――193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実』
あなたが無駄遣いを防ぐために気をつけていることはどんなことでしょうか?
あるいは、最も後悔している無駄遣いはどんなものでしょうか?
皆さん自身の意見や実践法などあればニコニコのコメント欄で教えてください。
それでは、より具体的な行動経済学を応用した物欲コントロールのテクニックについて解説していきます。
知りたい方は続きをどうぞ。
コメント
コメントを書くQ. 「物欲を抑えるいい方法はありますか?」
A. 「物欲」=「浪費」の問題と捉えます。
「浪費」と「消費」の違いは、
・「浪費」…ついつい無駄なものにお金を使ってしまうこと
・「消費」…必要なものにお金を使うこと
となります( ¨̮ )
◎あなたが無駄遣いを防ぐために気をつけていることはどんなことでしょうか?
記事内にあるように、クレジットカードを使うと、お金を使っている感覚が薄れてしまいます。ですが、「貯金の全技術〜無駄遣いを防いでひと財産を作る方法」(2019/1/4)の放送でDaiGoさんが仰っているように、「資産の視覚的な一括管理」ができれば問題ないと思っています( ¨̮ )
※この回は松丸亮吾さん登場回でもあり、おすすめです(^^)/
僕は月額制の「家計簿アプリ」使っています☆
クレジットカードを使いポイントを効率よく集めながら、【何にどのくらい使っているのか?】を数ヶ月にわたってチェックし、分析します。
その中で「浪費にあたるもの」を割り出し、その部分をなるべくカットしていく。
そうしていくと、いろんなことがわかってきて、
例えば、
・仕事が忙しく、ストレスが溜まった週の週末は【異様に浪費率が高い】
などの傾向が自分でわかったりするんです!
なら、「そもそも、平日からストレス量を減らせば浪費も減るのでは?」とか、考えるようになり、【ストレスを減らし、浪費も減らす】ようになってきました!
ストレスが少なく、物事を冷静に判断できる状態であれば、「無駄遣い」はなくなりますし、「自分は何にお金を使うべきか?」という、正しい「消費」の仕方が身につきます!
「自分は何にどのくらいお金を使っているか?」を視覚的に分析できるツールさえあれば、物欲をコントロールできるようになると思いますね(^^)/
ボケット(@小学校の先生)