あなたは、お金が無限にあるとしたらどのように使いたいですか?
こう質問された時に皆さんはどのように答えますか?
これは人によって違いますが、研究によると、お金に対する考え方でお金を稼ぐ能力も幸せになるかどうかもかなり変わってくるようです。
今回は、学校で実生活で使わないようなことを教えるぐらいであれば、もっとお金の稼ぎ方を教えた方が良いのではないかという相談をもとに、賢いお金の使い方をできるようになるためのフィナンシャルプランの立て方について解説させてもらいます。
Q. 学校の勉強は数年間も実生活で使わないものを学ぶような気がしてもったいないと感じています。
それであればお金の稼ぎ方を教えた方がいいと思いますが、どう思われるでしょうか?
確かに中学も高校も大学も行かなくてもお金を稼ぐことはできます。
ただ、それができる人は相当才能に恵まれている人だけです。
人は仕事をしようとする上でもお金を稼ごうとする上でも、やらなくてもいい事や意味がないように感じる事も必ずやらなくてはいけない時があります。
本当に成功して自分で好きな仕事だけを選ぶことができるようになれば、自分が無駄だと感じることはしなくてもいいかもしれません。
ですが、誰でも仕事をしようとする時には最初は意味のないことしかさせてもらえません。
当然ですが、能力が高い人に意味のある大事な仕事を任せて、失敗するかもしれない人にはそれなりの仕事しかさせません。
大事な仕事は能力が高い人のところに集まります。
社会に出てからすぐに出来る仕事はあまり意味がないことばかりです。
よほど才能や能力が秀でている場合を除くと、ほとんどの人がそんな仕事を最初に任されます。
中学や高校の頃の勉強というものは意味はありますが「意味がわからない」ものです。
社会に出ると、意味もわからないものをやらなくてはいけない時期が必ずあります。
中学や高校の頃のそのような勉強に変えることもできない人は、社会に出るとほとんどの人はそれに耐えることができないと思います。
学校の授業というものはそういうトレーニングとしての役割にもなっています。
よほど才能がある人以外は、今は意味がわからないでしょうが、いつか価値があるかもしれないことを自分がこなしていく練習だと思って学校に行った方がいいと思います。
3つの欲求が満たされる行動をとると人は幸せになれる
自己決定論という考え方があります。
お金に関してだけではなく、人間が3つの欲求が満たされる行動をとると幸せになれるという理論です。
お金の使い方においても、仕事でも趣味でも、この自己決定論に基づいて判断すれば満足度は高くなり幸せになれます。
ポイント1 :自立感
自分で物事について決定できている感覚が重要です。
お金を使うときも、自分で決めて自分でそのためにお金を使っているという感覚があると、それは幸せになれるお金の使い方ということになります。
ポイント2 :有能感
自分に合った成長のチャンスがあるという感覚が重要です。
お金の場合は、自分がそのお金を出すことによって、「自分の何かが変わった」「自分の周りの何かが成長した」というように思える方が幸福度は高くなります。
ポイント3 :周りの人と良い関係を保つことができている実感
これが最も重要なポイントです。
そのお金を使うことによって、周りの人との人間関係が深くなったり、共通の思い出ができたりすることが一番重要なポイントになります。
皆さんのお金の使い方は3つのポイントを満たすことができていますか?
皆さんの普段のお金の使い方についても、今回の3つのポイントについて振り返ってみてください。
3つが全て満たされていた場合でも、それについてそれぞれどのように満たされているのかということまで考えていただけると、それに対してより価値を感じて幸福度にもつながると思います。
そして、お金だけでなく、全ての物事の判断においてこの3つのポイントに留意して行動していただけると、自然とお金も稼ぐことができるようになります。
あなたは価格に振り回されていませんか?
愚者は自分が支払う価格を、賢者はその支払うことで手に入れることができる価値を気にします。
これは有名な投資家が言っていたことですが、頭の悪い人は値段ばかりを見てしまいます。
とにかく、1円でもいいから安いものを買おうと考えます。
一方で、賢い人は自分が支払う価格よりも、その支払った後に手に入れることができる価値に注目します。
これは金額の大小やお金を持っている人と持っていない人の違いは関係なく、買い物をする時に、その価格が高いか低いかだけを見るのではなく、常にその価値に注目して判断するのが賢い人とそうでない人の違いです。
賢くない人はいつでも値段に振り回されて、賢い人は価格に惑わされることなく常にその価値に目を向けています。
頭のいい人は目の前の値段だけでなくその価値を調べようとします。
頭の悪い人は値段だけを見て価値を決めます。
ここが大きな違いです。
例えば、「半額」とか「セール中」という表示がされていたら欲しくなってしまう人も多いでしょうが、このような事に振り回されてしまうのが賢くない人達です。
そのような表示があろうがなかろうが、その商品の価値はどれくらいなのかということを常に考えるのが賢い人です。
頭の悪い人は支払う価格を、そして、頭のいい人は支払うことで手に入る価値を考えます。
価格に惑わされず価値で判断するために
こちらの本は、今回の価格や価値の違いの話も出てきますが、多くの人が値段や価格に振り回されています。
お金を使う時に人間の脳にどんな反応が起きていて、人がお金をうっかり出してしまう時や出さない時にどんなことが起きているのかというようなことを教えてくれる本です。
お金で損をしたくないという人にはとてもお勧めの本です。
こちらはお金の上手な使い方を学ぶのであれば絶対に読んでおいてほしい本です。
数字に強くなればなるほどお金を無駄に使いづらくなります。
そのためには統計学について学んでみるのもいいと思います。
こちらの本は一生使える統計学の知識が手に入るおすすめの本です。
お金の使い方と性格
ロンドン大学の研究で718名の男女を対象に全員の収入・貯金・借金などを調べた上で12ヶ月に渡ってお金の使い方を調査したものがあります。被験者の方々がどのようにお金を使ったかということを第三者がオンライン上で確認できるようにして、それをどう思うか採点してもらいました。
採点の評価基準
お金の使い方の評価をランク1(堅実なお金の使い方)~ランク5(見栄っ張りで無駄な浪費)で区別しています。
例えば、
ランク1:安めの実用品の買い物・生活費など
ランク5:豪華な海外旅行・絵画やゴルフの会員権・豪華なパーティーなど
被験者の方々にはビッグ・ファイブ(特性5因子診断)による性格診断をしてもらいました。
これによりお金の使い方と性格を照らし合わせると、外向的で収入が低い人ほどなぜか「ランク5」での消費が多かったということです。
外向的で収入の高い人より外向的で収入が低い人の方が見えっ張りな消費が多かったという結果です。
つまり、外向的で見栄っ張りな人はお金があるときよりお金がないときの方が無駄なお金の使い方をしてしまいます。
内向的で収入が低い人はランク5には決して手を出しませんでした。
つまり、内向的な人はお金がなくなってくるときちんと節約してお金が出ていかないようにするので破産することは少ないです。
この傾向は収入にもよるのでは?
外向的な人、内向的な人のそれぞれの傾向というのは、そもそも収入の大小にもよるのではないのかと考える人もいると思います。
例えば、もともと貧乏な人は外向的であっても贅沢品を買ったりしないのではと。
このあたりまでロンドン大学の研究では調べられています。
外向的で収入が低い人ほど贅沢品に手を出し、内向的で収入が低い人は贅沢品には手を出さないという傾向は、収入や借金の差を調整しても同様の傾向が確認されました。
この傾向の理由としては、外向的な人と内向的な人とでは貧しさを埋め合わせるモチベーションが違うからです。内向的な人は貧しさを埋め合わせるために節約をしたりつつましやかなものを楽しんだり、ひたすら何かを頑張ることでそれを自分の心の埋め合わせにしようとします。
言葉のとおりですが、内向的な人は自分の内側に興味があるので、見栄やどう見られているかということはあまり関係ないわけです。
ところが外向的な人は自分の外側に興味があるわけです。ですから貧しさを見栄で埋め合わせるということをしがちになります。
お金がなくなった時の行動には色濃く性格が出てくるということは昔から言われています。
みなさんも気をつけてください。
自分の所有物に慣れて、もっとたくさん欲しくなる、もっと良いものが欲しくなる
幸福順応の話にも似てきますが、 人間はどうしても自分の持っているものに慣れていきます。
当たり前になってしまいもっと求めるようになるわけです。残念ながらそれはいつまでたっても満足にたどり着くことがありません。
人間は集中している時と自分の持っているものに満足している時が一番幸せです。
追い求めている時ももちろん楽しいですが、これは欲しいと思っているというよりは、成果を求めて集中して頑張っているから楽しいわけです。
もっと欲しいという欲望は悪いものではありませんが、それは何かの作業に集中したり自分の能力の限界を追い求めるという行動とセットになって初めて価値があります。
所有物や物欲にこれが向いてしまうと、手に入れればその手に入れたものの価値は減ってしまいます。
DaiGo師匠の場合は、自分が既に持っているものの新しい価値を見出すことができたらめちゃめちゃ興奮します。新しいものを買うのではなく持っているものから新しい使い方を見出すことがとても楽しいです。
例えば、本も捨てることはありません。
面白いなと思ったところやわからないところがあった本は取っておいて、ふと思い立った時に読み返してみると新しい発見があったりします。
そうするととても得をした気分になります。今までとは違ったところが見えるようになったということは、他の本にも同じようなところがあるかもしれないと考えることができてワクワクしてきます。
このように考えると日常が楽しくなってきます。
そうではなく新しいものからしか新しい価値は得られないと考えてる人は、どんどん買い求めるようになるので、そのために必死に働かないといけなくなり自分の身を削っていってしまいます。
このような考え方は周りの人たちに対しても向いてしまいます。
素敵な彼氏や彼女がいたりパートナーがいても浮気をしてしまうとか、幸せなのにわざわざその幸せを壊すようなことをしてしまうようになります。
お金は人生をより良くしていくための引換券
どうすれば大切なお金や資産を無駄遣いすることなく生きていくかということが重要です。
自分の物欲を上手にコントロールするためには、自分でお金を使ってしまいやすいタイミングを理解すると同時に、「自分がなぜお金を貯めるのか?」というメンタル的なフィナンシャルプランを持っておくことが大切です。
感情消費
当然ですが、人が行動するにあたっては特定の感情があります。
そんな中でも「無駄遣いに繋がる感情」があります。
それは「自尊心の低下」です。
人間は自尊心が低下してしまうと、そうでない場合よりも4倍もお金を使いやすくなります。
実験では、老人が亡くなってしまう2分間の動画を見せたグループと綺麗なサンゴ礁を紹介する日本の動画を見せたグループに分けています。
悲しい気分にさせたグループとさわやかな気分にさせたグループに分けて、全員に10ドルを渡してスポーツ用のマイボトルの購入を勧めました。
その結果、悲しい動画を見たグループはもう一方のグループに比べて300%以上も多くのお金を支払いました。
同じ物なのに、より多くのお金を出してもいいと考えるようになっていました。
ネガティブな動画を見ると人間の自尊心は低下します。
自尊心の低下が起きると、自分の持ち物の価値も低下してしまいます。
僕たちが使っている物の価値は自分の自尊心のレベルによって変わります。
ですから、適切な自信を持っている人の1万円の価値と自分に自信がない人の持っている1万円の価値は全然違うわけです。
自分のお金の価値が下がってしまうので、同じ物に対してより多くのお金を出してもいいと考えてしまいます。
自尊心が低下してしまうとお金を無駄に使ってしまいやすくなるということを覚えておいてください。
無駄なことにお金を使うことで、自分の下がってしまった自尊心を補おうとしてしまいます。
しかも、これは無意識のうちに起きてしまいます。
実験では、悲しい動画を見た人のうち誰一人としてそのせいで自分の無駄遣いが増えているということに気づいている人はいませんでした。
今までだったら絶対に買わなかったような物にも気づかないうちにお金を出してしまいやすくなります。
自尊心のためにはセルフコンパッションを学んでください。
さらにお金の使い方や物欲をコントロールする方法は色々とあります。
人生をより良くするための引換券であるお金を上手に使って、本当の意味で価値あるお金の使い方ができるようになりたいという方は続きをぜひチェックしてみてください。