あなたは、今どんな繋がりが欲しいですか?
今回は、大人になってからもできる深い人間関係の作り方についての相談をもとに、過去の経験による生きづらさを改善して求める友達を作る方法について解説させてもらいます。
Q.大人になってからは友達を作りづらいと言われますが、大人になってからもできる深い人間関係の作り方を教えてください。
大人になってから深い関わりを持とうと思うと、やはり、仕事で何か関わりがないと難しいと思います。
仕事で関わりがないのであれば、何かの苦労を共にすることができたり、共通の趣味があったり、一緒に集まって何かに取り組むことができる時間を、どれだけ作ることができるかが重要になると思います。
大人になると、良くも悪くも理由がないと一緒にいるのが難しくなります。
その理由を作ることができるかどうかが、深い関わりのためには重要になってくるのではないかと思います。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
不適応スキーマを改善してトラウマを超える
幼い頃に身につけてしまった歪んだ考えのせいで、コミュニケーションがうまく取れなくなってしまう人がいます。
これは世界の見方のようなものです。
例えば、幼い頃に信じていた人に裏切られたりいじめられたりすると、安易に人を信じてはいけないと考えるようになります。
それが大人になって悪影響を及ぼしてしまいます。
身近な人で信じて接した方がいいにも関わらず、疑ってかかっていれば、当然ですが人間関係に問題を抱えてしまいます。
誰も信じずに生きていこうとすれば、当然仕事をすることもできなくなります。
このような幼い頃に身についた歪んだ物事の見方を早期不適応スキーマと言います。
「個々人の世界の見方」「思考などの認知的活動のもととなる、構造化された知識」のことです。
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幼少期に形成される18の早期不適応スキーマ
2020年にシエナ大学が、596名の参加者に対し、早期不適応スキーマとスキンピッキング(瘡蓋やニキビを取るような行為)の関係性について調べています。
早期不適応スキーマとは、「人生の早期に形成され、形成された当初は適応的だったかもしれないが、その後の人生で、不適応的な反応を引き起こしてしまう自滅的な認知と感情のパターン」のことです。
研究によると、早期不適応スキーマは18種類あります。
これらは、この特徴を持っていたらアウトということではなく、それが人間関係に問題を起こしているのであれば、それぞれ対処する必要があるということです。
18の早期不適応スキーマ
1.見捨てられ感/不安定スキーマ
他人との関わりは非常に不安定であり、たとえ自分と関わっている人であっても、その人は今にも、自分を見捨ててしまうだろうと感じています。
仲のいい人や身近な人に対しても、見捨てられてしまうのではないかという恐怖を抱いています。
2.不信/虐待スキーマ
他人は皆、自分につけ込み、自分をいじめ、 食い物にするような「虐待者」であり、全くもって信用することができないと感じています。
周りは全て敵だと考えてしまい、信じられるのは自分だけだと考えてしまいます。
3.情緒的剥奪スキーマ
自分は誰からも愛されず、理解もされず、守ってもらえない存在であると感じています。
どんな悪人だったとしても、誰からも愛されない人はいません。
この感覚を持ってしまうと、自分から新しいコミュニティに入って行こうとする気もなくなってしまいます。
4.欠陥/恥スキーマ
自分は人間として欠陥のある「ダメ人間」で、 そのような自分の存在自体を恥ずかしいと感じています。
そもそも欠陥がない人間なんていません。
法律的にアウトでなければ欠陥はあっても構いません。
それは愛嬌だと考えて、それ以外のところで魅力を作ればいいだけです。
5.社会的孤立/疎外スキーマ
自分は人と違っており、どのようなコミュニティにも所属することのできない孤立した存在であると感じています。
これは自己開示で問題を起こしやすいタイプです。
自分は他人と違って誰も自分のことは理解できないと考えてしまうので、人と交流することは意味がないものだと考えてしまいます。
これは、自分は人と違うからと独創的な方向に進む場合もあります。
反転する場合もあるので、必ずしも問題になるわけでもありませんが、自分が孤立した人間だとは思わないようにしてください。
6.依存/無能スキーマ
日常生活を送るにあたって自分は無能であり、他者からの助けがなくては、まともに生きていけないと感じています。
最近世の中に増えている無能感です。
7.損害や疫病に対する脆弱性スキーマ
今にも破局的な出来事が起こり、自分はそれを防ぐこともできないし、対処することもできないと感じています。
世の中では戦争も起きているしコロナもあり、地震や災害も多いので、何が僕たちに危害を加えるのかはわかりません。
それをやたらと心配し過ぎてしまいます。
8.巻き込まれ/未発達の自己スキーマ
自分が他者(多くは親)に感情的に巻き込まれており、あたかも他者と一体化しているかのように感じています。「自分がない」と感じ、 自らのアイデンティティを感じることができません。 ひとりで過ごすのが苦手で「人生が空虚で見たされていない感覚」を持つ傾向があります。
自分がない人なんていません。
ですが、自分がないと考えてしまうと自己開示もできなくなります。
9.失敗スキーマ
「自分のしてきたことは失敗ばかりだ」「何をやっても失敗するだろう」と感じ、自分を「失敗者」だと思っています。
自分に失敗者の烙印を勝手に押しています。
冷静に考えれば、失敗しているだけ挑戦していない人よりもまだマシです。
10.服従スキーマ
他者に見捨てられたり報復されたりしないためには、自分の欲求や感情を犠牲にして、他者に服従するしかないと感じています。
人生の中では、自分の頭で考えることができない人は、誰かの許可がないと動けなくなってしまうことが多くなります。
これは人生の後半で大きな後悔として残ります。
11.自己犠牲スキーマ
自分より他者を優先し、他者の欲求や感情を、 自分自身が満たしたり癒したりすることに過度にとらわれています。
他人を満たすことに過度にとらわれてしまい、自分を犠牲にしすぎてしまいます。
他人に喜んでもらうことは重要ですが、自分を犠牲にしては他人に食い物にされるだけです。
12.評価と承認の希求スキーマ
他者から評価されたり、承認されたりすることに過度にとらわれており、他者の評価によって自尊心が左右され、他者の評価を得るために自らの行動を選びます。
承認欲求がやたらと大きく、不特定多数の承認を求めてしまいます。
周りの評価によって自分の人生や判断を決めてしまいます。
13.否定/悲観スキーマ
人生のネガティブな面ばかりを過大に注目し、ポジティブな面を無視します。「ネガティブな思考」にとらわれており、いつも心配ばかりしています。
慎重なのはいいことですが、臆病すぎるのは問題です。
14.感情抑制スキーマ
感情を感じたり表出したりすることを恐れており、自らの感情を抑え込んだり、あたかも感情などないかのように振る舞ったりします。
感情を感じないのはサイコパスぐらいです。
幼い頃に自分の感情を受け止めてもらわなかった経験によるものです。
15.厳密な基準/過度の批判スキーマ
非常に高い基準を自分や他人に対して設定し、その基準を満たすように努力し行動すべきであると考えています。
他人に対してはともかく、自分に高い基準を求めるのは結構ですが、これは行き過ぎてしまうと燃え尽き症候群になってしまいます。
8割ぐらいで十分だと思えるようにしないと、完璧主義になってしまいます。
16.罰スキーマ
人は失敗したら厳しく罰せられるべきだという信念を抱いています。自分や他人の過去を簡単に許すことができません。
今まさに世の中でこれにとらわれている人が増えています。
一度間違った人は許してはいけないと考えてしまいます。
17.尊大スキーマ
自分は他者と違って特別な存在であり、特権と名誉が与えられて然るべきだと信じています。
他者より優位に立つこと、ルールにとらわれず自分のやりたいようにすることに過大な価値を置いています。
一方で、自信のなさや批判に対して過度に反応する傾向も持っています。
自分に対して尊大な感覚を持つのは結構ですが、自分だけはルールを破ってもいいというような差別的な感覚と同時に、自信のなさがあります。
脆弱ナルシストと同じで、批判を向けられると過剰に反応します。
18.自制と自律の欠如スキーマ
欲求忍耐性が非常に低く、自らの欲求や衝動を抑制したり、目標に向けて計画的に自分を律したりすることができません。
幼い頃に周りの大人が全てなんでもしてくれて、甘やかされて育った人に起こりやすいです。
以上、18の不適応スキーマが、対自的要因における自己開示を妨げることが考えられます。
あなたを縛る早期不適応スキーマを見つけるスキーマ分析
皆さんがとらわれている早期不適応スキーマを見つけて、他の選択肢があるということに気づくための方法を解説していきます。
ステップ1 :スキーマ日記を書く
以下の項目について毎日日記を書いてみてください。
①トリガー:ネガティブ感情が引き起こされたきっかけ
②感情分解:感情を%で分解、悲しみ10%+怒り50%+後悔40%
③自動思考:トリガーで浮かんだ思考・イメージ
④身体反応:トリガーで体に起きた反応
⑤対処:トリガーの後、自分がどう行動したか?
ステップ2 :縛られているスキーマを特定
①スキーマ推定:どのスキーマに縛られているか?(スキーマに向き合うだけ)
②スキーマの起源:人生のどんな経験がそのスキーマを作ったか仮説
③スキーマの機能:そのスキーマが当時はどう適応的(役立ったか)だったか?
そのスキーマは昔は役に立つ機能があったはずです。
それはどんな機能だったのかと考えると、どんどん距離を取ることができるようになります。
ステップ3 :他の選択肢を知る
皆さんがとらわれているスキーマを客観的に見られるようになったところで、現実的な思考に移っていきます。
事実とイメージを分離して思い込みを見つけます。
反論・根拠・例外を考えてください。
その上で 、代わりに行う代替行動を考えます。
現実的な行動を決めておくことで、縛られているスキーマから開放されます。
実際にその行動を取らなくても、他の選択肢があるということを知っておくだけで物事の見方も判断も変わります。
ここから先は、これから皆さんがどんなタイプの友達として振舞い、人生の幸福度を高めるためにはどんな友達を作っていけばいいのかということを解説させてもらいます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。