あなたが、今上達したいスキルはどんなものですか?
今回は、好きで英語を勉強しているのに夫にバカにされるという方の相談をもとに、運動や勉強、資格や語学学習など、あらゆるスキルを上達するために重要なポイントについて解説していきます。
好きで英語を勉強しているだけですが、夫に使う予定もないのにとバカにされます。良い言い返し方はあるでしょうか?
使う予定がないからといって勉強をすることをバカにするというのは意味が分かりません。
例えば、「小学生や中学生が将来数学や英語を使う予定がないから勉強しなくていいのか? と質問してきたら、あなたは勉強しなくていいというのか?」と聞いてあげたらいいのではないでしょうか。
そもそも勉強しなくてはいけないという状況になってから勉強するのは遅いです。
将来必要になるかもしれないから、時間がある今勉強しておいて、将来必要になった時に、それがすぐに使えることが重要です。
特に英語や数学のように、自分の体も使って学ばなければいけない習得する知識は、後から身につけようとしてもなかなか難しいものですから、できるだけ早いうちに学んでおくことが重要です。
それがわからないような人は社会では出世しないと思います。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
今回は練習法についてです。
様々な業界でトップに上り詰める人がいます。
これはアーティストでも研究者でも、どんな業界でもトップに上り詰める人がいて、この人たちも最初からうまくできるわけではありません。
当然少しずつ練習を積み重ねて、その結果として新しいことができるようになっていくものです。
では、一流の人たちがまだ一流ではなかった頃に、どのような練習をしていたのかということがわかれば、本当に世界トップレベルの一流になるには、それ以降の努力もかなり必要になると思いますが、ある程度のところまでたどり着くには参考になるはずです。
トップに上り詰める人15の共通点とは?
一流の人たちが一流でなかった頃に何をしていたのかという事を調べた研究をもとに、今回は、トップに上り詰めた人がまだトップでなかった頃にどんな練習をしていたのかということを紹介させてもらいます。
一流の人たちがしていた練習方法には共通点がありました。
様々なジャンルを調べた結果として15の共通点が見つかっています。
人がどのようにしたら効率的に練習できるのかとか、物事を効率的に習得するにはどうすればいいのかというような研究は色々とあり、そんな中で今回参考にしている研究では、一流の音楽家やチェスプレイヤー、外科医やアスリート、などの様々なジャンルの人たちの練習を徹底的に調査して、一流の人たちが行う練習のポイントをまとめてくれています。
共通点その1 :練習時間は1日15分から20分
これは1日15分から20分の練習をずっとしていればトップに立つことができるということではなく、一流になるためには確かに大量の練習時間は必要です。
ただ、世界のトップに立つような一流の人たちでも、初心者の頃には1日15分から20分程度の練習時間を目標にして、そこから徐々に無理をすることなく増やしていくということをしていたということです。
ここがいわゆる凡人と一流の人の違いで、一流になる人は多くの人が馬鹿にするような小さなところから始めて、それを時間をかけて大きく育てていきます。
これはビジネスでも同じです。
ビジネスでも、最初から大きなお金を使って借金をしてビジネスを始めるような人はたいていうまくいきません。
モチベーションを保つことができなくなれば、それでも続けなければいけないと考えストレスになってきます。
そのストレスがかかっている状況下でも続けることができなければ、人はいつになっても初心者の段階を突破することができません。
先行研究によると、1日15分から20分以上の練習をしようとすると、大抵の人はストレスに負けてやめてしまうということがわかっています。
基本的に技術を習得しようとする練習というものは困難なものですから、このような困難な練習の場合には250日ほどかかるということも示されていますので、そう考えると、15分から20分ぐらいの練習を250日程は続けると考えた方がいいとも思います。
時間を増やすと必ずストレスが大きくなります。
このストレスに耐えることができなければ、皆さんは基本的には続けることができなくなり初心者の領域を突破することができません。
長く続けることに意識を向けるというのが、一流になる人の特徴だったということです。
特徴その2 :ミスを全て記録する
人は勉強でもスポーツでも上手くやりたいという意識がどうしても働き、うまくいった時の事ばかりに注目してしまいがちです。
自分がミスったところに目を背けたりもしがちです。
どうすればうまくいったかということではなく、何で失敗したのかということを記録しておいた方が、実際には僕たちが一流になるためには役に立つということがわかっています。
ビジネスでも大抵失敗してしまう人は成功事例を真似しようとします。一流の経営者の成功事例などが書かれた本もよくありますが、そんな本を読むぐらいであれば、倒産したり破産した会社がそれが起きる前に何が起きていたのかということを学んだ方が役に立つと思います。
この研究では、そんな脚色や話を盛ることを一番出来ないであろう医者を対象にして調べたところ、優秀な人ほど自分のミスを全て記録していたということが確認されています。
間違いが許されなくて、給料もプライドも社会的地位も高いですから、間違いを正面から受け止めることが非常に難しい職業で、そもそもミスが少ないわけです。
そんなお医者さんの中でも優秀な人ほど自分のミスをちゃんと記録していて、優秀でない人が自分のミスを記録する習慣がなかったということです。
この記録の仕方としては、「なぜ自分はミスったのか?」「なぜ自分はその作業を難しく感じているのか?」というように、自分がミスをした理由と自分がその作業を難しいと感じている理由に注目して、自分の推測も交えてミスを記録するということが重要なポイントでした。
自分が失敗した時の原因やその時の憶測を記録しておかないと、自分の行動に対してすぐに結果が出る場合であればいいですが、ビジネスでも勉強でも同じですがすぐに結果が出ることの方が少ないものです。
最初の頃にうまくいったこととうまくいかなかったことを記録しておかないと、後で、成果が出た時も出なかった時も間違えた理由に戻ることができません。
ここに戻ることができなければ、ただ単に時間の無駄になってしまいます。
特徴その3 :デッドラインを作る
人はスキルを学ぼうとする時に、今目の前にある問題に先に取り組みたくなります。
一流になるためには長期的な視点が大事なのに、すぐに成果を出そうとしてしまいます。
確かに 、今目の前に差し迫った問題があれば、それに対処することが必要なわけですが、どの業界でも一流を目指そうとすれば、もっと長期的な視点を持つ必要があります。
ですから、どんなことを学ぶ場合であっても、必ず期限は設定してください。
「いつか英語を喋れるようになったらいいな」という考えでは英語は喋れるようにならないということです。
長期的な展望としてやっておきたいタスクがあると思います。
それと同時に、今目の前にある仕事を締め切りまでに仕上げないといけないと思います。
長期的な展望としてやるべきタスクにもデッドラインを決めてください。
例えば、5年後に独立するというのであれば、そのためにいつまでに何をやるのか決めてください。
期限を決めないと人間は行動しません。
ですが、人間の脳は締め切りが近いものを重要だと考えてしまいます。
そのせいで遠い目標に対して行動できなくなります。
新しいことを学んだり将来のためのスキルを身につけることよりも、今目の前にある部屋を片付けたり家事をすることを優先してしまいます。
ですから、デッドラインを作る場合には、将来のためにやるべきことよりも目の前の安易なことを優先していないかということに注意してください。
特徴その4 :疲れなければ練習ではないと考える
本当に意味がある練習というものは、自分にある程度負荷をかけなければできません。
終わった後に、やりきった感覚や疲れた感覚が必要です。
運動でも勉強でも、終わった後にこの感覚がなければ負荷が足りないと考えてください。
先ほど15分から20分ぐらいから始めるようにという話でしたが、その15分から20分ぐらいで、やりきった感覚や疲労感を感じるレベルにしてください。
ここで瞬間的に集中する没頭力が重要になります。
これを徐々に伸ばしていくことで、学習効率やパフォーマンスを向上させてくれます。
慣れてくると、15分から20分では疲れを感じなくなると思います。
そう感じたら、まずはいきなり時間を増やそうとするのではなく、運動の場合であれば負荷を、勉強の場合であれば難易度を上げてください。
これ以上単位時間あたりの負荷や難易度を上げるのが難しいとなったら時間を延ばすようにしてください。
長い時間勉強したり運動するのが大事なわけではありません。
単位時間あたりの負荷を上げていくことが重要です。
特徴その5 :時々ふざける
あまりストイックになりすぎると続けるモチベーションが低下してしまいます。
運動の負荷を上げたり勉強の難易度を上げる時に、難しくて続かないような気がしたら、その練習の最後の数分間は、自分が単純に楽しめるような練習をするようにしてください。
最後に好奇心をぶら下げておくと、人はモチベーションを維持できます。
勉強でも運動でも続かなくなってしまうのは、続けていると徐々に飽きてくるからです。
ですから、その練習の最後に、それまで行ったことがない新しいことや、単純に楽しめる練習を用意しておくわけです。
ちょっとした遊び心を用意したり、好奇心をくすぐるようなものを用意しておいてください。
単純に楽しめることを最後に用意していた人の方が、モチベーション高く物事を続けることができます。
特徴その6 :メディアの多様性を利用する
人は何かものを学ぶ時に、本で読んで学ぶかオーディオブックで耳で聞いて学ぶ、目で見て学ぶのか、自分で声に出したり紙に書いてアウトプットして学ぶなど、インプットをするときもアウトプットをするときも、どのようにそれをするのかというメディアが介在します。
このメディアの多様性を作れば作るほど、僕たちは物事を習得する確率が高くなるということです。
複数のメディアの形を保つことによって、インプットのスピードや効率を高めていくことができます。
ウォータールー大学の研究ですが、この研究では、36人の学生を集めて120種類の様々な言葉を覚えるようにお願いしました。
普通に紙にその言葉が書いてあってそれを見て覚えたり、色々な覚え方をしてもらったわけですが、これは当たり前ですが、普通に見て覚えようとしたグループよりも、その言葉を口に出しながら覚えたグループの方が、記憶量が1.2倍になっていたということです。
つまり、普通に見て覚えるよりも、口に出して聴覚を使うメディアを増やすだけで20%も記憶できる量が増えてスキルの習得効率が上がったわけです。
であれば、いろいろメディアを使わないと損だということです。
UCLA が1991年に行なったレビュー論文を見てみると、視覚や聴覚などの複数のタイプのデバイスを使った方が、全体的にスキルが身につきやすいということが示されています。
これは勉強や何か知識を身につけることだけでなく、スポーツなどの練習をする時にも、できるだけ複数のデバイスを使って覚えた方が身につきやすいということです。
一流になれない人は、教えてくれる教材も先生も1つに絞ってしまいます。
色々な視点を持とうと試行錯誤するのではなく、この先生のこの方法が最高なんだと思い込んでしまいます。
複数のメディアを持つということが一流になるための条件です。
最近の研究では、タブレットを使って数学を勉強した子供たちは数学能力や推論能力に著しい向上が見られたという研究もあります。
学習というものは、自分の知っていることでも同じことでも、様々なメディアで色々な形でインプットとアウトプットをすることによって、習得率は高くなります。
特徴その7 :手探りで練習せよ
チューリッヒ工科大学の研究で、手探りの練習によって1.2倍上達するということがわかっています。
この研究では、13歳の生徒75人を集めて2つのグループに分けています。
一方は生産的な失敗グループで、指導もサポートもガイドラインも一切なく複雑な問題やスキルをできるだけ自分の力だけでこなしてもらうということをしています。
もう一方は直接指導グループで、教師や講師がガイドラインを教えたり、適切なヘルプを与えてちゃんと教えてあげたグループです。
その結果、直接指導をされたグループよりも、ぶっつけ本番でいきなり取り組んで最初にたくさんの失敗を経験していた生産的な失敗グループの方が応用問題を解くことができる確率が高くなっていたということです。
直接指導を受けたグループに比べて、1.1倍から1.2倍も応用問題に対する正解率が高くなっていました。
スキルを効率的に学びたいと思うのであれば、最初から誰かに教えてもらうとスキルの習得率が落ちてしまいます。
もちろん、車の運転など危険を伴うものに関しては、危険を回避できるだけの最低レベルまではまずは教えてもらうべきですが、細かい方法や細かいガイドラインなどは与えないで自分でまずは経験することが重要です。
初心者の頃は溢れるようなモチベーションがあります。
どんなことでも失敗してもいいからやってみたいと感じている時に、たくさんの大きな失敗をして試行錯誤を繰り返す経験をしておくことがとても重要です。
物事を効率よく習得するためには、まだまだ重要なポイントがあります。
ぜひ後半もチェックしてみてください。