あなたが忘れっぽくて困るときはどんなときですか?
今回は、学校の授業で当てられることが苦手だという学生さんの相談をもとに、記憶力を無駄に下げてしまう習慣について解説させてもらいます。
「Q. 高校生ですが学校の授業で当てられることが苦手です。予習はしっかりしていますが、恥ずかしいという感情が強く授業が憂鬱です。」
わからない問題で当てられた時には、どの部分がどのようにわからないかということを伝えて先生に教えてもらうようにしてください。
わからないと言うより、積極的に質問するというのが一番いいと思います。
人間は確かにアウトプットする時に知識を記憶に定着します。
恥をかけばかくほど人間は物事を覚えることができますが、予習はとても効率の悪い勉強方法です。
予習して授業を理解できるのであれば授業に出る必要がありません。
恥をかいた人の方が物事を覚えられるということも覚えておいてください。
中途半端にそこで答えることができて先生に褒められる人よりも、わからない時には堂々とわからない部分を先生に尋ねる人の方が結果的には使える知識として記憶に残ります。
そもそも学校は間違わない方がおかしくて、学校は間違いに行くところです。
世の中の大人たちも学校の先生も間違えてばかりです。
授業で間違えることを恥ずかしいと思う必要はありませんし、むしろそんな雰囲気を作っている先生の方が問題なのかもしれません。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
記憶力が下がる残念な習慣
子供の頃は何でもすぐに記憶することができたのに、大人になって記憶力が下がってきた気がしたり、人や物の名前がすぐに出てこなくなったりすることが結構あります。
確かに年齢を重ねることにより記憶力が下がるということはありますが、記憶力を維持することは可能です。
一問一答「あなたが、しっかりと覚えておきたいことはどんなことですか?」【脳の基礎体力を上げる習慣】
そんな方法についてはこちらで以前に解説しています。
こちらの記事では脳の基礎体力を上げる習慣について解説させてもらいましたが、年齢を重ねると、それと同時に記憶力を下げる習慣が増えてしまいます。
記憶力が下がると新しいことを受け入れる能力も下がります。
言い方は悪いですが、いわゆる老害と言われるように、人の話を聞かないし新しいことも受け入れることができない人たちのようになってしまいます。
柔軟性がない人にならないためにも、記憶力を下げる習慣を理解して減らすようにしてください。
自分で良い習慣を身につけるよりも悪い習慣を無くすことの方が難しいです。
悪い習慣を無くすことについてはひとつずつ確実にこなすようにしてください。
ポイント1 :変化のない生活
変化のない生活は記憶力を下げてしまいます。
年齢を重ねると新しいことがどんどんなくなっていきます。
もちろん良い習慣は維持するべきですが、毎日通勤や通学で同じ道を通ったり、別に習慣化する必要がない習慣がどんどん増えていきます。
そんな習慣は無くした方がいいかもしれないということをマウントサイナイ医学大学の研究が指摘しています。
脳の働きとして、新しいことを学ぶ際の新規学習回路と古い習慣のための習慣回路が競争しているのではないかと言われています。
人間の脳には、新しい学習内容を既存の習慣と競わせて、勝った場合のみ長期記憶として保存する仕組みが存在する可能性を示した研究です。
つまり、人は新しいことを学ぶことと古い習慣を行うことを同時にはできません。
新しいことを学ぶと習慣的な行動が抑制され、習慣的な行動を増やすと新しいことを学ぶことが抑制されてしまいます。
人が学んだことを長期記憶として残すためには新規学習回路が刺激されていて、習慣回路が抑えられている必要があります。
漫然と若い頃から同じ習慣をずっと続けてきたと思うのであれば、新しい習い事やチャレンジを始めてください。
いつもはしないようなことをしてみたり、模様替えをしてみるのもいいと思います。
古い習慣を捨てて新しいことを常に試してみる生活をしていないと記憶力は年齢とともに下がっていきます。
目の前の情報や行動が、脳にとって価値がある場合には新規学習回路が刺激されて、目の前のことに興味を持ち習慣化の壁を突破することができるようになります。
逆に、学習意欲も湧かず興味も持てないことに対しては、いくら一生懸命学習したとしても長期記憶として記憶に残りにくくなります。
良くも悪くも習慣的な行動ばかりを繰り返す生活は、人間の記憶力を低下させてしまいます。
最近何か新しいことを始めましたか?
何か新しいジャンルの本を読みましたか?
新しいことに取り組む生活をしていないと、脳機能が低下したり寿命が短くなったりします。
何歳になっても新しいことを始める生活は脳のためにも寿命のためにも大切です。
ポイント2 :楽しくない勉強
人間の脳は楽しかった出来事を優先的に長期記憶に残します。
これが学生の頃に学んだ内容が記憶に残らない原因かもしれませんが、勉強自体が楽しいというよりも、勉強している時の気分がいいということが重要です。
ジュネーブ大学の研究で、気分の良い時に起きたことや学んだことを人間の脳は優先的に記憶に残すということが示されています。
ですから、新しいことを学んだり勉強する時には、まずは自分の気分を良くした状態で始めるようにしてください。
人間の脳は新しいことを学んだ後に睡眠をとることによって記憶に定着しますが、この研究では、記憶に定着する時と定着しない場合の違いについて参加者の脳をスキャンしながら明らかにしようとしています。
日中にゲームをしてもらい、その後に睡眠時の脳をスキャンすると、眠っている時にゲームに取り組んで効率の良い方法やコツを掴んでいる時と同じ脳の領域が活性化していたということです。
つまり、人は眠っている時にその日に学んだことを復習しています。
眠った直後からこれは始まり、深い睡眠状態に入ると、ポジティブな感情を感じた情報を優先して脳の中でリプレイしていたということです。
人は日中に学んだことを眠っている間にリプレイして長期記憶に入れようとします。
特に深い睡眠状態に入ってからは、自分が日中に最もポジティブな感情を感じたことからリプレイしていきます。
楽しいから記憶に残るというよりは、楽しいことは眠っている間にリプレイしているから長期記憶になりやすいわけです。
この研究では、2日後に同じ内容をどれだけ記憶しているか調べるテストを行なっていますが、ポジティブな感情を感じた睡眠時に優先された情報ほど記憶に残っていたということも確認されています。
自分の気分を上げてから学ぶようにしてください。
それによって、眠っている間に優先してリプレイされて長期記憶に残りやすくなります。
自分の好きな曲を10分だけ聞いてからとか、軽く運動してから勉強したりするのもいいと思います。
それをせずに勉強を始めたり、嫌な気分の時に無理矢理勉強しようとすると、せっかく勉強しても長期記憶に残りにくくなります。
ポイント3 :感動が少ない生活
最近いつ感動しましたか?
カリフォルニア大学の研究で、感動的な刺激によって記憶力が上がるとされています。
日常生活で意外なことに気づく人やビジネスチャンスを見つける人には特徴があります。
それは油断している時の記憶も残す人です。
それを覚えようと思って情報に注目しているのではなく、この細かいことに気づける人は、油断している時の記憶もちゃんと残して、周りからするとよくそんなこと覚えているなと感心されます。
この研究では、感動的な経験のタイミングを変化させて、意図して記憶しようとしたことでなくても覚えられる条件について調べています。
その結果、感動的な経験をすると、その後の出来事に対する記憶力が上がっていました。
感動的な出来事や経験をすると当然そのことは覚えています。
これは当然のことですが、感動的な経験をすると、その後に起きたなんてことない出来事も記憶に残りやすくなるということです。
1日1つでいいので感動する体験をするようにしてください。
何かしらの感動的な経験をしてから新しいことを学習することによって、その学んだことも記憶に残りやすくなります。
もちろん時間が長くなると勉強の時間が無くなりますので、名言に触れたり名シーンを見たり、畏敬の念を感じるような絶景の図鑑を見たりするのもいいと思います。
別の研究ですが、40秒だけ壮大な大自然や宇宙の広大さを感じられる図鑑を眺めるだけで、人間の集中力が最適化されて勉強や仕事がはかどるようになるという研究もあります。
ストレスも最適化されて減るので、時間の流れがゆっくり感じるようになるというメリットもあります。
これによって遊びの感覚も減り、学習に対するパフォーマンスが上がります。
喜びや楽しさや憐れみ、愛や満足感、誇りや畏怖の感情の7つの感情を感じる人は老化しづらくなるということが示唆された研究もあります。
畏敬の念や感嘆という感情は、炎症物質であるサイトカインのレベルを抑えてくれて、健康的なレベルに戻してくれるということです。
ですから、新しいことを学ぶ前には少しでいいので、大自然の映像や写真に触れてから始めるようにしてみてください。
集中力も上がり記憶にも残りやすくなる可能性が高いです。
畏敬の念を感じられるおすすめの本も紹介しておきます。
おすすめは宇宙に関する図鑑です。
太陽系のことであればある程度知っているという人も多いと思いますが、太陽系にも僕たちがまだまだ知らないことがたくさんあります。そんな太陽系の不思議に焦点を当てた図鑑です。
写真も多くて畏怖の念を感じるためにも使いやすいと思います。
太陽系よりももっと遠くの天体や未知の星などまで紹介している図鑑もあります。
これはとても美しい宇宙の世界が楽しめますし、お子さんがいる人であれば一緒に楽しむこともできると思います。
ポイント4 :恐怖を感じない生活
楽しかったり感動したりだけでなく、感情が揺さぶられる生活をしていないと記憶力は低下していきます。
実は、軽い恐怖を定期的に感じる人の方が、記憶力が高くなるというニューヨーク大学の研究もあります。
研究では、参加者に様々なものが写った写真を見せて記憶してもらっていますが、1回目はただランダムに見てもらい、2回目には、2枚に1枚、拳銃やナイフなど軽い恐怖を感じるものが交互に見せられます。
3回目には、恐怖や刺激を与えるような写真はありませんでした。
その上で、その1日後に写真をどれだけ覚えているのかということをチェックしています。
その結果、恐怖や刺激を感じるとその前後の記憶が良くなっていました。
恐怖を連想させるような刺激を受けるだけで記憶力が強化されていたということです。
しかも、恐怖という感情の場合には、その感情を感じた前の情報も同時に記憶に残りやすかったということです。
恐怖を感じる前と後の両方の記憶が残りやすくなるので、覚えておきたいことがあった後に少し恐怖を感じるものを見るだけでも構いません。
勉強する前は感動して、勉強した後は軽い恐怖を感じると組み合わせるのも良い方法です。
ただし、この恐怖の感情による記憶の強化の効果は6時間後から現れるということですから、感動と違って少し時間がかかります。
人間の脳は何気なく物事を見ていると情報を記憶に残そうとはしません。
恐怖を感じる出来事があると、その恐怖を感じる前にその原因があったのではないかと考えます。
それによって、その前の経験を記憶に残そうとすると研究者は言われています。
危険を感じた経験の前の記憶がなければ、また同じことを繰り返して同様な危険にさらされてしまいます。
ポイント5 :予想外・驚きがない生活
読書術について、本を読む前に目次を見ながら「この本にはどんな面白いことが書いてあるだろうか?」「この本からどんな新しいことを学ぶことができるだろうか?」ということを想像してから読み始めると記憶に残りやすくなるという話を紹介したことがあります。
そもそも予想することもなければ予想外はありません。
人間が記憶に残すためには予想外だったという感情が必要になります。
まずは予想して予想を裏切る経験が必要になります。
予想することなくただ漫然とインプットしようとしても記憶には残りません。
事前に自分なりの予測をすることで、予想外の感情は自分で作ることができます。
プリンストン大学の研究で、参加者に脳波計をつけてバスケットの試合を見てもらっています。
攻守の交代や時間ギリギリのスリーポイントシュートによる大逆転など、試合の勝敗を決定づけるような出来事があると、目の瞳孔が開いて脳の記憶を司っているエリアが活性化していました。
人は予想外な出来事や驚きを与えられると、情報を長期記憶に残しやすくなります。
ただの驚きよりも特に予想を裏切る展開ほど脳が強く反応していました。
研究チームによると、スポーツの試合を見ている時にも、人はどちらが勝ちそうか?無意識のうちにもストーリーを予想しています。
そのストーリーに反する出来事が起きた時に、人間の脳は強く反応して、感情とともに記憶に残りやすくなります。
毎日予想通りの生活を繰り返していると記憶力は落ちていきます。
普段から予想を裏切られる新しい経験をしないと、記憶力はどんどん落ちていきます。
どんなことに対しても事前に予想するようにしましょう。
予想が外れて驚く経験を増やすようにしてください。
ポイント6 :エロ画像
エロ画像やエロ動画は記憶力を使わないタイミングで時間を決めて楽しむようにしてください。
デュースブルク=エッセン大学の研究で、様々な写真をスライドで見てもらい4枚前の写真と同じ時にボタンを押してもらうゲームを行っています。
その写真がニュートラルな写真の場合とエロ画像の場合で比べています。
ニュートラルな写真の場合には正答率が平均で80%でしたが、エロ画像の場合は正答率が67%だったということです。
研究チームによると、エロの刺激によって性的な刺激が脳の作業領域の中枢に干渉してくると言われています。
人間の脳はエロが優先だということです。
記憶を司ったり自分をコントロールしたり人間の脳は様々なことをしていますが、エロによって脳はそちらに全振りしてしまいます。
記憶力を下げてしまう習慣は残り6つあります。
ぜひ続きもチェックしてみてください。
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