あなたは、自分が1日に没頭している時間がどれぐらいあると思いますか?
今回は、時折ネガティブな思考によって不安を抱え睡眠の質も悪くなってしまうという方の相談をもとに、どんなに疲れている時でも集中することができる没頭状態の作り方について解説させてもらいます。
「Q. 死にたくもないのに時折それを連想させる言葉が思い浮かび、とても不安になり焦って睡眠の質も悪くなります。何かに集中している時には大丈夫なのですが、どうすればこのような状況はなくなるでしょうか?」
わかっているのであれば何かに集中したり瞑想するのが良いのではないでしょうか。
当然何かに集中したり没頭しているときには、人間はそのようなネガティブな感情に陥りづらいものです。
瞑想したり運動してみるのがいいのではないかと思います。
これは非機能的思考というもので、自害のような思考は意味がない思考です。
それで物事は何も解決しません。
楽になると言う人もいますが、そもそも人が死んだ後にどうなるのかということがわかっていない時点で、自分から死ぬことは意味がないことです。
仮にですが、スピリチュアルな人たちが言うように、粗末な死に方をしたら地獄に落ちるということがあったとします。
仮にそうだったとしたら、自ら死んだことによって余計にツラくなります。
であれば、今のこの世界で頑張ったりすることを考えた方がいいですし、この世の中でもツラい人生を乗り越えて成功している人も一定数はいるわけですから、そちらに懸けた方が僕はいいのではないかと思います。
死んだら楽になるというのは何の証拠もありませんので、合理的に考えてやる意味がないことだと思います。
まずは運動や瞑想などを行い、自分が集中できることを見つけて、その非機能的思考をなくすことを考えてみてください。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
疲れていても集中できる没頭脳の作り方
どんなに疲れていても仕事や勉強に集中できる方法があります。
仕事で疲れて本当に何もやる気がしないときでも、なんとなくNetflixを見ていたらいつの間にか夢中になって見ていたとか、同じような経験がある人も結構いると思います。
疲れていても没頭のスイッチの入れ方さえ知っていれば、時間を忘れて夢中になることができます。
没頭脳とは、目の前のこと以外のことを考えていない状態です。
ここではマインドフルに近い状態のことを没頭脳と定義します。
目の前のこと以外のことを考えていない状態を続けることができれば、そこからフロー状態に入っていくことができます。
仕事でも勉強でも、目の前のことに自分が集中できていると言う人もいると思います。
仕事をしているときには仕事のことしか考えていないと言う人も多いでしょうが、人は1日の半分を心ここにあらずの状態で没頭できていないという研究があります。
しかも、この目の前のこと以外の他のことを考えている時間が多いことが、人が不幸になる原因だと指摘されています。
研究ではiPhoneのアプリを使って、人がどれだけ没頭できているのか調べています。
それによると、1日のうち平均で46.5%が、今していること以外のことを考えているとされています。
勉強しているのに目の前の勉強のこと以外のことを考えていたり、ワインを楽しんでいるのにワインとは関係のないことを考えていたり、YouTubeを見ているときも別のことを考えていたり、僕たちは1日の半分近くをマルチタスクな状態で過ごしています。
研究では幸福度との関係についても調べています。
人は何を持っているかで幸せは決まりませんが、何をしているかでも幸せは決まりません。
研究では、今どんな活動しているかではなく、今していることと関係のないことを考えているかどうかが、人の幸福度と大きく関係していたということです。
人は自分の好きなことをしていたりすると幸せになるような気がします。
ですが、実際には「目の前のことに夢中になれているか?」「没頭して取り組むことができているか?」によって幸せが決まります。
目の前のこと以外のことを考え「心ここにあらず」の状態になっている時間を減らすことが、僕たちの幸せを左右しています。
目の前のことに没頭できてさえいれば、どんな活動をしていても幸せを感じることができます。
行っている活動が人の幸福感に与える影響は、わずか4.6%だけでした。
他のことを考えていない状態は、10.8%も幸福感に影響を与えていました。
つまり、自分の好きなことをしている時間よりも、没頭している時間の方が2倍も僕たちの幸福度に影響を与えるということです。
仕事でも同じで、好きなことを仕事にしているよりも、割り切って仕事に没頭できているかどうかの方が重要です。
没頭できる時間がないことは不幸です。
好きな仕事や天職と呼ばれる仕事がなぜ人を幸せにするのかと言うと、没頭しやすいからです。
ということは、没頭するための技術さえ身に付けていただければ、今面倒だと感じている仕事も、つまらないと感じている勉強にも幸せを感じるように取り組むことができます。
幸せを感じればモチベーションが上がり、仕事でも勉強でも成果が出るようになります。
つまらないことをしているから没頭できないのではありません。
不幸だから没頭できないのではなく、没頭できないから不幸になるということも、この研究では指摘されています。
僕たちは毎日の46.5%を心ここにあらずの状態で無駄にしています。
集中力を鍛えて身の回りの環境も整えて、心ここにあらずの状態をいかに減らすかということが重要です。
没頭できない人の特徴
まず没頭できない人の特徴が確認されています。
当てはまったら、まずは改善してゼロベースに戻す必要があります。
それだけでもかなり没頭できるようになり幸福度が高くなります。
結論としては、メンタルが弱いということとHSPの特徴があると、かなり没頭しづらくなると言われています。
2019年のウォータールー大学の研究で、没頭しやすい人と没頭しにくい人の違いについて調べています。
18歳から69歳の男女を対象に、性格分析、没頭の傾向や質、マインドワンダリングな傾向などをチェックしています。
その結果、当然ですが、目の前のことから注意や思考がそれない人ほど、没頭しやすいということが確認されました。
ですから、物事に没頭する時間を増やすためには、目の前のこと以外のことを考えたり、ぼんやりする時間を減らすことができれば、没頭しやすくなるということです。
当たり前のことのように感じるかもしれませんが、目の前のことに注意を向けやすい環境を整えたり、注意を向けるためのトレーニングをすれば、誰でも没頭しやすくなります。
逆に、注意がそれやすく没頭できない人の特徴としては、メンタルが弱い人とHSPの傾向がある人ほど、注意がそれやすく没頭することが難しくなるとされています。
外向性・協調性・開放性・誠実性、この4つの性格特性については、いずれも高いほど没頭状態に入りやすくなるとされています。
ですが、メンタルが弱ければ弱いほど没頭状態に入りにくくなります。
メンタルが弱いと余計なネガティブな思考に惑わされてしまいます。
それが邪魔をして目の前のことに注意を向けることができなくなるわけです。
HSPは周囲の環境や音から影響を受けやすいので、HSPのメリットを生かすための対策もしながら、周囲の環境を整えてください。
逆に言うと、環境を整えるだけでかなり没頭状態に入りやすくなります。
没頭脳を作る5つの方法
ここからは没頭しやすくなるための具体的な方法について解説していきます。
①没頭型タスク化
人は当然疲れれば疲れるほど注意散漫になるので没頭しづらくなります。
ところが「没頭型タスク」というタスクを疲れたところで入れると、1日の生産性が下がらないという研究があります。
人は1日の終わりに近づくと疲れてどうしても生産性が下がります。
没頭型タスクを上手に使うことでそれを防ぐことができます。
2014年のカンタベリー大学の研究によると、作業の単調さやつまらなさに関係なく、3つの条件がそろうと人は退屈さを感じて疲れやすくなると言われています。
1.頭を使うタスク
2.作業が単調
3.関心や興味が薄い
人はこの3つによって退屈さを感じて注意散漫になります。
頭を使うタスクで作業が単調で自分が関心や興味を感じることができないと、注意散漫になり没頭しづらくなります。
注意散漫のサイン
とはいえ、それでもしなくてはならない仕事も勉強もあります。
2005年のウォータールー大学の研究によると、タスクに取り組んでいるときに時間が気になりだしたら要注意です。
時間の経過と退屈感について調べた研究ですが、人は注意散漫になると時間が気になり始めます。
退屈になり注意散漫になると、何度も時間をチェックし始めます。
時間を気にすればするほど、時間の経過が遅くなり疲労感を感じるようになります。
これが退屈な時間を長く感じる現象です。
時間を気にし始めたら退屈感を感じ始めた証拠です。
時間を気にして仕事や勉強をするのではなく、イベントタイムで考え、やるべきタスクの順番だけ決めて取り組むのも良い方法です。
時間をチェックする行為は退屈さを感じ始めたサインです。
あえて時間をチェックしづらくするのも効果的です。
自分が時間をチェックしたときに、それに気づいて自分が退屈感を感じ始めたと思えるようにしておいてください。
疲れてきたら没頭型タスクを行う
没頭型タスクとは、注意力が必要なタスクのことです。
注意力を向けていないとミスが起きるようなタスクです。
自分が発言する内容が多いミーティングや、自分にとって得意なタスクも没頭型タスクです。
自分が主体的に動いて自分でコントロールできるタスクは没頭しやすくなります。
自分が好きなことや、他人をサポートしてコミュニケーションが生まれるタスクも没頭しやすいです。
コミニケーションや駆け引きが生まれるタスクは注意がそれにくいです。
徹夜で麻雀したり人狼したりするのも、常に駆け引きをしたり頭を使っているからです。
つまり、僕たちが疲れた時ほど集中力や注意力が必要なことをしたほうがいいです。
疲れているからといって漫然としたことだけをしていると余計に疲れてしまいます。
疲れているときに単純作業をするのも良いですが、あまりにも疲れているときには少し注意力が必要なタスクを行うようにしてみてください。
没頭できる工夫
例えば、会議で退屈だと感じることも多いと思いますが、面倒だからとただぼんやりするのではなく、「自分だったらどうするか?」「自分のビジネスに応用できるポイントは無いだろうか?」と考えて、没頭するための工夫をしてみてください。
考え方を変えて、議事録を取ったり質問したいポイントをメモしたりしてください。
授業でも覚えたい内容を自分なりの言葉に変えてメモをとると、眠くならなかったりもします。
つまらない授業でも、その授業の内容をノート1ページにまとめるとしたらどうするかを考えて、実際に手を動かすと没頭できるようになります。
少し負荷をかけることが重要です。
自分の力を発揮しなくてもできるタスクになると、人の脳はスリープモードになります。
楽をしてできることは脳が楽をしてしまいます。
大事なことだと気づかせれば、脳はちゃんと働いてくれます。
ただし、あまりにも難易度を上げすぎると逆に思考停止になり眠くなってしまいます。
難易度を上げすぎないのも没頭するためのポイントです。
そもそも自分の理解が追いついていなかったり、理解するために時間が必要なタスクに対しては、人の脳はフルパワーのときでなくては対応できないので、できるだけ午前中に持ってくるようにしてください。
疲れていたり退屈感を感じたときには、内容としては理解しているけれど、他のことを考えながらではできないタスクを行うようにしてください。
これを疲れているときに行うと、逆に頭が冴えてくることもあります。
目の前のタスクに自分との関連性を見いだすことも没頭するための工夫です。
退屈感を感じていたことに対しても、自分に関連する内容だと気づくと没頭できたりします。
人は自分に関連していることに対しては疲れていても注意を向けることができます。
自分に関連するポイントを探してみてください。
人の話を聞くときも、読書をするときも、それをどう活かすかということを考えながら行うと没頭しやすくなります。
やりがいの5要素を満たす
2007年のフロリダ州立大学とミシガン州立大学が仕事のやりがいについて調べた研究によると、人は5つのやりがいの要素を満たすと没頭しやすくなるとされています。
これを仕事の中で見つけることが大事です。
1.自律性
自分がそのタスクを自由にコントロールできている感覚です。
2.多様性
単純な仕事で1つのことだけを続けるのは、集中力や注意力を保つことが難しくなります。
仕事の内容に幅があり、様々なことをしなくてはならないとなると、やりがいを感じるようになります。
3.重要性・難易度
ある程度難しくて重要な仕事の方が人はやりがいを感じます。
重要性とは、どれぐらい他人に影響を与えるかということです。
他人に影響を与える感覚が強く、ある程度難易度が高いタスクの方がやりがいを感じて没頭しやすくなります。
4.フィードバック
自分の成果を自分で確認できるかどうかです。それによって前に進んでいる感覚を感じることが大切です。
5.全体性
仕事の最初から最後まで全てに関わることができるかどうかです。
仕事の全体像を把握できていないとやりがいを感じる事は難しくなります。
これら5つのポイントを満たすことが重要です。
特に、没頭に影響を与えるのは自律性とフィードバックです。
自分がコントロールできている感覚と、成果を感じられるように工夫してみてください。
仕事は自律性を感じるために、まずは自分のできるところから手をつけて、自分のスキルを活かして、幅のあるタスクができるような仕事の進め方をしてください。
常に仕事の重要性を感じられるように、目の前の仕事が誰にどんな影響与えているのかということを把握しておいてください。
自分が進んでいる感覚を持てるように工夫したり、フィードバックをしてくれる関係を作ることも重要です。
自分の仕事を全体的に捉え直すことも欠かせません。
ここから先は、疲れていても没頭し続けて高い生産性を保つための残り4つのポイントを解説します。
ぜひ続きもチェックしてみてください。