戦後組織の変遷1-4◎「強さ」を目指す第二世代組織論
戦後社会の目的を達成しながら、更に発展した企業がないわけではない。それはステージを変えたのである。もういちど繰り返す。戦後日本の企業は、敗戦の無の状態に、あらたな生産構造を建立しようという目的の下に発生し、成長してきた。それは経営者であろうと労働者であろうと、日本の国内に生きる生活者すべての想いであり、企業経営者と国家の官僚たちも、同質の想いを共有出来ていた。それが高度成長の終焉と同時に、目的喪失の時代に突入する。
トヨタ自動車、松下電器産業、ソニー、キャノンなど、現在も発展・成長している企業を見れば分かるように、彼らの組織論はすでに日本国内の豊かさだけを目的としていない。高度成長以後にスタートし、80年代に本格的な展開する日本企業のグローバル化は、もはや戦後社会の組織論とは違ってきている。苛烈なリストラや社内合理化は、日本を豊かに