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オープンソース・ソフトウェアのビジネスモデル12選
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オープンソース・ソフトウェアのビジネスモデル12選

2012-08-17 21:16

    MOONGIFTでは2004年01月の開始以来、既に数千を越えるオープンソース・ソフトウェアを紹介してきています。その半分以上が個人の趣味(自分が欲しいから作る)レベルからはじまっています。開発過程でコミュニティが形成され、規模が大きくなり、次第にそのソフトウェアを元にビジネスができないかと考えるに至ります。オープンソース・ソフトウェアを開発しつつ飯が食えるとなれば、これほど素晴らしいことはありません。

    過去においても幾つかのビジネスモデルがありましたが、今ではさらにパターンが増えてきています。今回はそんな「オープンソース・ソフトウェアのビジネスモデル」について12の例を挙げてみたいと思います。

    1. コンサルティング

    最もベーシックな例と言えるかも知れません。開発者として、ソースコードレベルでの詳細な知識をもっているが故に行えるビジネスモデルになります。実際に施行まで行う場合と、教育やナレッジとしてのコンサルティングとに収める場合の二種類があります。

    2. ライセンス販売

    こちらは例えばGPLライセンスで公開しつつ、制限のないライセンスを有償で提供するというものです。GPLの場合、利用した際の汚染が強いため、有料でライセンスを購入することで訴訟リスクを避けることもできます。もちろん機能差がある場合も多いです。こちらも良く行われています。

    3. サポート

    サポートはソフトウェアに関する技術的サポートになります。メールや電話での回答、チャット等を通じてサポートを行います。フレームワークやライブラリなど、単体では動かないものに対して適用されることが多いようです。またエンタープライズ向けのオープンソース・ソフトウェアに対しても利用されます。

    4. カスタマイズ

    カスタマイズも一般的です。CMSやECシステムなど、そのまま導入することもできるがカスタマイズをした方がより使い勝手が良くなったり、専門家に任せた方が早い場合に利用されます。そもそもカスタマイズ前提のオープンソース・ソフトウェア(ERP、DW等)もあります。

    5. SaaS/ASP

    最近増えてきているパターンです。有名な所としてはWordPressがあります。オープンソース・ソフトウェアはコードをダウンロードし、自分の環境で実行するのが一般的でしたが、普及に伴ってそれすら嫌う(またはできない)ユーザ層も出てきました。そのようなユーザに対してホスティング込みで提供するのは有効です。Web系のオープンソース・ソフトウェアで、単体で動作し、テーマやプラグインといったアドオンではなくカスタマイズ不要で動作するシステムの場合に有効です。

    その他、メールフィルターのようなネットワーク技術も要する場合や、Snortのようにネットワークが切り離されている場合に有効なシステムでも監視業務とともに委託されるケースがあります。

    6. マーケットプレイス

    去年くらいから増えているパターンです。モジュールやテンプレート、アドオン、プラグイン、テーマなどを販売します。オープンソース・ソフトウェアを「場」とし、その上で使われるソフトウェアについての流通を管理することで手数料を徴収するモデルです。Concrete5/OpenXなどで採用されています。公式サイトにはそのソフトウェアに関する情報が最も集まっているため、そこで必要なものが売買されるというのはとても合理的です。

    7. ドネーション

    ビジネスモデルと言えないかも知れませんが、ドネーションも古くから行われています。ただし1円でも支払った人は態度が横柄になる場合もあるため、逆にドネーションは受け付けないという態度を取る人もいます。

    8. 種まき

    種まきとはオープンソース・ソフトウェアを配布することで新しい流れを起こし、別な所で収益を得るモデルです。有名なものとしてはEclipseやAndroidが挙げられます。オープンソースにすることで既存の市場を破壊したり、自分たちのシェアを引き上げる一方、プロジェクトを得たり、モバイルネットワークを広げることで広告表示場所を増やすと言った収益源に結びつけています。他の方法に比べると多少遠回りなのは否めないため、統合的な戦略方針や体力があってはじめて成り立つ手法になります。

    9. ハードウェアとのセット

    ソフトウェア自体はオープンソースであっても、特定のハードウェアとの組み合わせで動作するパターンです。もちろんハードウェアは有償です。日本においてはぷらっとホーム社のOpenBlockS 600が挙げられます。ソフトウェアだけに留まらない、モバイルやゲーム機器、様々なガジェットで利用ができます。Androidもその一つと言えそうですが、Googleは直接的な収益を得ている訳ではないので外して考えています。ハードウェアを開発するのはソフトウェア以上にコストが発生するため、個人よりも企業向けと言えるかも知れません。

    10. 広告

    最もシンプルな手法です。公式サイトに広告バナーをはったり、ソフトウェアの中で広告を表示します。もちろんオープンソースですからコードを変更すれば取り外せますが、大抵のユーザはそのままで利用します。長いスパンで捉えるとドネーションモデルよりもメリットが大きいケースが殆どのようです。

    11. スポンサー/財団

    ApacheやMozillaをはじめとする財団や、特定企業をスポンサーとして資金援助を受けるパターンです。財団は資金確保をメインとしているため、財団の管理下に入り一定の成果を出している限りは資金援助が受けられるようになります。企業がスポンサーになった場合、自由度が狭まる可能性はあります。が、スポンサーになる時の条件を適切に設定しておくことで回避は可能です。日本においてはあまり見かけませんが、海外のソフトウェアの中にはSponseredを明確に出しているものも少なくありません。

    12. グッズ販売

    Mozilla等で積極的に行われています。グッズはキャラクタービジネスと同じで、ロゴやモチーフがブランディングになり、開発者を魅了します。ロゴやTシャツと言った簡易的なものからはじまり、専用の書籍販売、ぬいぐるみや傘と言ったグッズの販売など多様です。ハードウェアに似ていますが、こちらは問題解決に役立つ訳ではないのが特徴です。

    まとめ

    オープンソース・ソフトウェアをビジネスに繋げる方法が分かると、自社開発のソフトウェアをオープンソース化し、コミュニティベースで開発を行いつつ、実務で活かせるようになります。ただし闇雲に公開すれば良いという訳ではなく、しっかりとしたビジネスモデルを組み立てた上で取り組む必要があるのは確かです。オープンソース界隈には「利用するのみ」というユーザが無数に存在し、その頂上に開発コミュニティがあります。その中からいかにビジネスモデルを組み立て、利用者、開発者、自社とコミュニティ全体が幸せになれる方法を生み出すかが重要です。もちろん選択肢は一つではなく、複数を組み合わせることもできます(Androidは6/8/9/10などが合わさっています)。もしそれができたとすれば、開発者にとってこれ以上の幸福はないではないでしょうか。

    日本における例

    ぷらっとホーム


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    小型ネットワークサーバOpenBlockS 600に独自Linuxディストリビューションを付けて販売。

    OpenPNE


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    SNS。カスタマイズを有償で行っています。

    アイポ5


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    Java製のグループウェア。カスタマイズおよびホスティング紹介など。

    EC Cube


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    ECサイトパッケージ。カスタマイズ、アライアンス、ホスティングなど様々なパートナーを募集しています。

    Olut


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    販売管理・在庫管理業務のWebアプリケーション。NTC以外での導入例は恐らくないようです。

    MosP


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    人事給与、勤怠管理のWebアプリケーション。カスタマイズ、導入コンサルティングを行っています。

    OSS Tech


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    Samba + OpenLDAPの導入コンサルティング。

    Pentaho


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    オープンソースBI。導入コンサルティングおよびカスタマイズを行っています。

    SonicGarden


    Screen-shot 284.png

    オープンソースSNS。特に社内向き。ASPも提供。

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    最終更新日:2018-01-01 00:00
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