今回のテーマはAWS(Amazon Web Services)です。AWSの代名詞とも言えるAmazon EC2が登場したのが2006年ということで、既に8年近くが経っているのですが古びれることなく常に先端を走っています。さらに言えば他社を突き放す勢いですらあります。
そこで今回はAWSの魅力と、その魅力をさらに引き出す関連オープンソース・ソフトウェアを紹介します。
低価格
ホスティングとして見れば圧倒的に低価格という訳ではありませんが、一時的なリソース確保やいわゆるクラウド的な使い方(随時立ち上げて使い終わったら落とすなど)を考えると他社と比較して低価格です。さらにすごいのは定期的に価格を見直し、値下げを行っている点です。
これが他社が対抗するために値下げをし、それにAWSが反応する形であれば分かるのですが、大抵はその逆でAWSがどんどん値下げを行っているイメージです。常に他社より攻めている姿勢があります。
ユーザ会
日本ではJAWS(Japan Amazon Web Services)があり、各地で自主的なイベント、勉強会が催されています。そうしたファンによる基盤構築がエンゲージメントを高めているのは間違いありません。エバンジェリストによる活動が強力なのでしょう。
対開発者へのブランド力
Amazonは元々コマース分野でも開発者に対して強いブランド力があります。圧倒的な商品数と送料無料によるシェア確保によって揺るぎないブランド力を形成しています。それがAWSでも同じように体現され、強固なブランドを築いています。
AWSでは年間、数百の新機能&新サービスが開発されています。そうした利用者すら置いていきかねない高速な開発力が魅力ですらあります。次に何を出してくるんだろう、というわくわく感がAWSの魅力を維持していると言えるでしょう。
隙が多い
AWSは元々ターミナル操作しか用意されていませんでした。完璧なサービスに見えて、意外と足りない機能がたくさんあります。品質は保ちつつも、機能は少なめに押さえている印象すらあります。しかしそれが却って開発者の心をくすぐっているように見えます。
「こうしたら出来る」といったブログ記事を生み出す源泉になったり、足りない機能を有料で提供する企業も数多く登場しています。そうした未来の見せ方がとても上手だと思います。
エコシステム
HerokuやMongoHQなど実に数多くのサービスがEC2上にサービスを展開し、そのサービスを有料提供しています。AWSはあくまでも基盤であり、その上でサービスが展開することでエコシステムを構築しています。その辺りのバランスがとても上手です。
AWS上ではNetflixの配信サービスが動いているなど、本家Amazonとも競合するサービスが幾つも存在します。しかしそれらをひっくるめた上でAWSを提供しているのはまさに基盤としての意識ならではと言えるでしょう。
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