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M.S.S.Planet ~古に伝わりし勇者たち~ 2章【最強プラネット編】第3話
2014-02-11 00:00「だから言ったじゃないですか! 早く切り上げて道場に行きましょうって!」
「……はい」
少女が声を荒げながら、俺の前をずんずんと歩く。年上なのに叱られている俺は、無意識に猫背気味になっていた。
先程のカジノのスロットでは、「小当り」が出て一時的に手持ち金が増えることもあったが、そのままジリ貧状態が続き、有り金のほとんどをスってしまった。真っ白に燃え尽きた俺は、少女に引きずられるまま、父親の目撃情報があった道場に向かっている。
カジノでは何度も何度も「もう行きましょう」という彼女の忠告を聞いていたのだが……。なぜだか体が動かなかったのだ。これがギャンブル依存症というやつか。
「いや、でも、もしかしたらあそこで大当たりが出るかも知れないって考えたら、やめるにやめられないでしょーよ」
「その結果、ほとんど無くなっちゃったんですから本末転倒ですよ!」
「ごめんなさい」
ぐうの音も出ないほどの完全論 -
M.S.S.Planet ~古に伝わりし勇者たち~ 2章【最強プラネット編】第2話
2014-02-04 20:00「とりあえず今日は安静に!」と言われた俺は、そのまま一人で部屋に残されていた。
何日間か眠っていたようだが、体調に問題はない。明日に備えてもう一度寝直そうかと思うのだが、この異常な状況に目が冴えてしまっている。じっと窓の外を見ていた俺はベッドの上で起き上がり、近くにあった椅子に腰掛けてテーブルに肘をついてみる。一度、この現状を考え直してみよう。
ここは本当にゲームの中の世界なのか、そもそもそんな現実離れした話があるのだろうか……。
何より一番心配だったのは、もしここが考え得る中での最悪の状況だった場合、帰る方法があるのかということだった。
〝入れたのなら、出る方法もどこかにあるハズだろう〟
冷静になって考えてみると、現実世界に戻れるという確信はない。
もしこのまま帰り方がわからなければ、妹を――ユウナを一人ぼっちにしてしまうことになる。
それだけはなんとしても避けたかった。
自分達兄
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