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M.S.S.Planet ~古に伝わりし勇者たち~ 3章【極限プラネット編】第3話
2014-03-04 00:00スフィンクスが言った通り、あのあとも数々の試練があった。
全員が同じタイミングで攻撃しなければ倒せないヒエラコスフィンクス、寿司を作ってこいと言うクリオスフィンクス、そして試練とは全く関係のない場所でトラップに引っかかり続ける村長……それら全てに立ち向かい、俺たちはようやく遺跡の最深部に到着した。
最深部はこれまで通ってきた部屋とは雰囲気が明らかに違っていた。
広々とした地形は半ドーム状になっており、見上げると綺麗な青空が見える。目を奪われるその美しい光景は、これまでの疲労を忘れるほどだった。
しかし、俺たちは独特の様式美だけに目を奪われていたわけではない。
俺たちの目線の先には宝の山……そして、その上にはドラゴンがいた。
まるで宝を守るかのように居座り、グルルルと寝息を立てている。硬そうな鱗に覆われたその大きな体は、ざっと見た感じ10メートルくらいはありそうだ。
村長からドラゴン -
M.S.S.Planet ~古に伝わりし勇者たち~ 3章【極限プラネット編】第2話
2014-02-25 00:00何時間進めど一向に姿を見せない遺跡に、「道は合ってるんだろうな……」と村長を疑い始めたとき、目の前に大きな遺跡が現れた。
入口まで近づき動物の乗り物から降りた俺たちは、砂漠の大地にそびえ立つ遺跡をまじまじと眺める。
「ナオキ殿、や~~~っと遺跡に辿りつきましたね!」
村長が「やっと」を強調する理由は分かる。単純に、ここまで来るのにものすごく時間がかかってしまったからだ。
出発したときは朝だったのに、今は日が落ち始めていて少し薄暗い。
貸してもらったマントや乗り物もボロボロになってしまっている。
疲れた。正直疲れた。
思えばこの長い道中で、さまざまなトラブルに巻き込まれていた――。
「ナオキ殿、見てください!! あの大穴はなんだと思いますかっ?」
ガルザンとピュルルン太郎で砂漠の中を進んでいると、村長が砂漠にあいた巨大なヘコみを指して声をかけてきた。
心なしか鼻息が荒く、目も輝い -
M.S.S.Planet ~古に伝わりし勇者たち~ 3章【極限プラネット編】第1話
2014-02-18 00:00
終りのない砂漠の中をひたすら歩いている。
容赦なく照りつける太陽の下、体は渇き意識も朦朧としてきた。
もう、どれくらいの時間を歩いただろうか。
そしてなぜ、自分は延々と続く砂漠を歩いているのか。
目的地も無く歩き続けるという苦痛と、疲れ切った体を少しでも紛らわせる為に記憶を遡ることにした。
その日はいつも通り、仕事に精を出すはずだった。
早朝に目覚ましが鳴り、倦怠感を引きずりつつ無理やりシャワーを浴びたところで、やっと意識が覚醒する。
朝ごはんはコンビニで買って職場で食べればいいかと考え、そろそろ家を出ようとしたところで会社から電話がかかってきた。
「ナオキ君には申し訳ないんだけど……」
どうやら取引先に今日の打ち合わせ日が伝わっておらず、再度スケジュールを調整しなければならなくなったようだ。あちらは社員旅行だかでお休みしているらしい。進行は遅れるがこちらも休めるときに休んでお
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