アニメで動物のキャラクターと聞くと、子ども向けの作品を想像しがちですが、「ズートピア」はむしろ大人が感動できる映画となっています。
その魅力はどこにあるのでしょう? プロデューサーのクラーク・スペンサーさんに話を聞きました。
――「ズートピア」は動物たちのキャラクターを用いて「人間界の縮図」を描いた作品ですね。以前、クラークさんがプロデュースした「シュガーラッシュ」(ゲームの世界で、実はやさしい心を持った悪役キャラクターが奮闘する作品)も、ある種「人間界の縮図」を見せてくれたように思います。
作品の成り立ちは違いますが、どちらもテーマは同じです。相手のことをよく知らずにこうと決めつけてかからない、本質を理解すれば手をつなぎ合えるということを描いています。
「ズートピア」では、非捕食動物と捕食動物が同じ町で共存し、仲良くできるのか、そして信頼し合えるのか、というところから物語が生まれました。
――「ズートピア」「シュガーラッシュ」のように、キャラクターを使って人間界を見せていることに何か理由はありますか?
ええ。人間以外のキャラクターを使うと性別や人種、宗教などの問題にとらわれず、大きな視点でストーリーを伝えることができます。その結果、見る人がキャラクターを通して、自分たちのことにより置き換えやすくなるのです。
――そうなんですね。ところで「ズートピア」の主人公・ジュディの両親は娘に安全な人生を送ることを諭しますが、ジュディはどうしても警官になりたいと夢に向かって歩み出します。でも現実の世界では、女性は結婚や子育てなどもあり、夢に踏み出すことに躊躇する人もいます。
ジュディの父が安全な道を勧めるのは、子どもを心配する親心から出たものです。しかしジュディは、「これにしかなれない」と決めつけてほしくないと夢に挑戦する。そこがジュディの魅力で、誰もが学べるところでしょう。
現実の世界でも、夢を持っている女性には、道は簡単ではないかもしれないけれど、自分を信じる心があるなら是非トライしてほしいと思います。
――ところでクラークさんは、仕事や普段の生活で大事にしている想いはありますか?
私はある意味ジュディのようなタイプで、誰もが何にでもなれると思っています。私が育ったのはアメリカの小さな町で、祖父母は映画館を経営していました。そういう環境のなかで暮らすうち、いつしか映画作りに携わりたいと思ったんです。
そんなことは不可能だと言われましたが、夢を叶えるためにロサンゼルスへ行き、それから20年後、日本に来て皆さんとお会いしてディズニーの作品について話しています。これは信じられないことです。
『ズートピア』を作るときも、アイデアすべて叶えるのは難しいと言われました。でも、チームがひとつになれば絶対できるという信念を周りに伝えることで、他の人にも信じる心が生まれると思って映画を作っています。
クラークさんから、勇気がわいてくる素敵なお話を伺うことができました。「ズートピア」をますます楽しめそうです。
©2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
『ズートピア』
(ストーリー)
「アナと雪の女王」「ベイマックス」のディズニー映画最新作。動物が人間のように暮らす大都会、ズートピア。誰もが夢を叶えられるこの理想の"楽園"の危機に、夢を信じる新米警官のウサギのジュディが立ち上がるが......。
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2016年4月23日(土)全国ロードショー
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