大好物のおやつを前にすると、こんがらがって詰めこまれていた頭の中のストレスが散り散りに体から抜けていくのが分かります。清々しく気分がよくなり、そのうちハナウタまでこぼれるほど。

少し大げさに聞こえるかもしれないけれど、奈良の職人・熊倉真次さんがつくる「デルベア」のバームクーヘンは、私の人生の『バームクーヘン観』を変えました。幼い日、両親が結婚式の引出物として持ち帰るバウムクーヘンがあまり得意な味でなく、そのイメージが大人になっても抜けずにいたのです。

日本一。「デルベア」のバームクーヘン

ウェブショップで購入できるデルベアのバウムクーヘン。バウムクーヘン同様、素材選びから真摯につくられる瓶詰めジャムは、イベント時に出合えます。左の瓶は奈良生まれのイチゴをたっぷり使った「古都華イチゴジャム」

「この人がつくるバウムクーヘンはね、日本一だよ!」数年前に友人から紹介されたバウムクーヘン職人の熊倉さん。なにが日本一なのか。ご本人から、食材選びのお話を聞いて納得し、感銘を受けました。たまご、バター、小麦、砂糖、蜂蜜......。生産地や生産者にこだわり、安全で栄養たっぷり、体が美味しいと喜ぶ食材だけを使っているのです。

日本の多くのバウムクーヘンは、バターの代わりに植物性油脂が用いられ、材料をひとつのボウルで混ぜ合わせていますが、熊倉さんはドイツの伝統にのっとり「別立て製法」でつくります。しかも、焼き上げるのは、自ら設計し制作したオーブン。デルベアのこだわりを書き連ねると、いちファンである私までついつい熱くなってしまうので、今回はここまでに......。

バームクーヘンの家での味わい方

基本的には、ウェブショップと、イベントのみで求められるバウムクーヘン。私はよく、数え切れないほどのおいしいものをたくさん食べてきた人生の先輩への贈りものにしていますが、常々小さな子どもにこそ、純粋な素材の力がぎゅっと詰まった素朴でとびきりおいしいデルベアのバウムクーヘンを食べて欲しいなあと思っています。

京都・辻和金網の焼き網で表面がこんがり色付くほどに。

家で味わうときには、熊倉さんから教えていただいた、おいしいバウムクーヘンの食べ方を実践。できるだけ薄く切り、表面をこんがりと焼くと、表面はカリッと香ばしく、中は焼きたてのように柔らかく、食感も香りも際立ちます。

バウムクーヘンに添えたのは、デルベア特製、パイナップルとベルガモットのジャム。

さらに私は、イベント時に販売されるデルベア特製のフルーツジャムを添えて......いただきます!

[デルベア.ウェブショップ]

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