みんなが幸せになるレストラン
お店に入るとまず目にするのが、すべての食材をちょっとずつ、全部試したくなるほどの巨大なサラダバー。色鮮やかでみずみずしい野菜料理はもちろんのことながら、新鮮な肉・魚料理も。
とれたて野菜のスムージーや、スープ類もとっても充実しています。
この豊富なメニューを支えるのが、信頼関係を築いた地元の農家。安定した供給を約束することで雇用を生み、さらには地域活性化にも役立つ、いわゆる「Farm-to-table」といわれています。
1番の人気は地元農家で採れた甘いフルーツを使ったフローズンヨーグルト。大人も子どもも並びます。
そんなおいしくて体に良いものを目指して多くの人が足を運ぶようになり、「スイート・グリーン」は現在全米で40店舗を展開(現在更に6店舗が準備中)。さらに、ネットでオーダーできるサービスも。
場所や地域に合わせて外装や内装が違い、街のなかに溶け込み、人々に愛される優しい雰囲気をたずさえています。
「地産地消」にかける情熱
このレストランを立ち上げたのは、学生だったニコラス・ジャメット氏。
ジャンクフードの多いアメリカにおいて、健康の基礎となる「ヘルシーな食事」がないことを嘆いていた彼は、「人生において何かが足りない気がする」という気持ちを持っていたといいます。
レストランが生き残るために、海外からの安い調達品でまかなう。原価コストカットのためとはいえ、利益を得てひとり勝ちすることにどんな意味があるのだろうか? むしろ、自分が中心になってみんなが潤うような価値創造をする方が重要なのではないか......そんな考え方から「スイート・グリーン」では、食材のすべてを地元産のオーガニックだけに切り替え、現地で採れた新鮮なものを食す「地産地消」にこだわります。
チーズでさえも、地元のヤギや牛から採れたミルクを使用、自ら製造。そんな食や人に対する情熱が、大きな共感を呼んだのだと思います。
日本でも数々のすばらしい地産地消レストランが脚光を浴びています。
たとえば山形県にある、奥田政行シェフの「アル・ケッチァーノ」。2003年のオープン以来いまなお大人気。こだわりの材料で、旬の素材を使ったパンも楽しむことができます。
地産地消にこだわったレストランは、世界的なブームとなりそうです。