透き通るような、深いエメラルドグリーンの海。

どこかの南国の海かと思ってしまいそうですが、じつはここは北海道。小樽から車で1時間ほどの積丹(しゃこたん)半島に広がる海です。

自然豊かな積丹半島 ドライブ中、キタキツネの親子に遭遇。可愛くて触りたくなるほど。(野生のキツネは、むやみに触らないようにご注意を)

小一時間もあれば車でめぐれてしまう積丹半島は、今もなお自然豊かな海と山が残る場所。車を走らせていると、思わぬ動物と遭遇することもあります。

積丹半島名物の生ウニ丼。今まで私が知っていたウニは何だったんだ......という衝撃をうけたほど、とれたての生ウニは絶品。

積丹半島には漁師町が点在します。特産品の魚介類のなかで、とくにこの時期はウニが旬。全国各地から、積丹産の生ウニを食べるために足を運ぶ人も多くいるようです。(かくいう、私もそのひとりですが......)

女人禁制の地から眺める、シャコタン・ブルー

さて、積丹半島でぜひとも訪れてほしいのが、神威岬(かむいみさき)です。

神威岬。岬の先まで続くのはチャレンカの小道。岬の先端には歩いて約30分ほど。

"シャコタン・ブルー"と呼ばれる、宝石のような美しい海水をたたえる聖地で、遥か昔は女人禁制とされていましたが、現在は整備され、岬の先まで歩くことができます。

神威岬の"カム"はアイヌの言葉で神という意。そのせいなのか、岬の岩肌はまるで生きているかのような表情をみせる。

ようやく岬の先端まで到着すると、眼下には、神威岩(かむいいわ)と大海原の果てにつづく地平線が広がります。

神威岬の先端から眺める神威岩と地平線。神威岩は悲しみにくれた乙女が化身化したと言い伝えられている。

ただただ、その景色の偉大さに感動し、みとれるばかり。

逆に岬から陸地を見れば、島国である日本を実感。普段、この島国で暮らしていながらも見ることのない「海から見た日本」に感動を覚えます。 宝石のような海を守るために

チャレンカの小道を歩いていると、この宝石のような美しい海をいつまででも眺めていたい、そんな想いが自然とわき上がります。

しかし、その景色のなかで、忘れられたように放置されたゴミが急に違和感となって目にとまりました。そして心に痛みを覚えました。

もし、日本中の人がゴミを一日ひとつだけでも拾ったのなら、この島国は、あっという間に変貌を遂げていくのではないか......。

でもそれは、誰に求めるものでもなく、自分が始めること。明日から少しでいい、無理をしなくていい、だからひとつずつ自分にできることをしよう。

たばこの吸殻ひとつだけ拾うのだっていい。そう、変化は自分のなかからしか生まれないのだから。

あまりにも自然が、海が、美しく感じられるせいでしょうか、日々忙しく暮らしているなかでは気にもとめなかったことを、北国のシャコタン・ブルーが夏の到来とともに教えてくれたのです。

写真/米田将史

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