栗を挽いて粉にしたもので作る、昔ながらのケーキ「カスタニャッチョ」を食べてみたくて調べてみると......、中世から伝わるお菓子だけあって、数百年の時間と土地ごとのアレンジを経て、料理本ごとにかなり異なるレシピが載っていました。それらをいくつも横断して、義母と相談しながら作ってみたのが今回紹介するレシピです。
もとは貧しい庶民のお菓子だったので、シンプルなものだと砂糖なし、卵なし、牛乳さえなく水を使う......と極めて質素。しかし、だからこそ栗そのものの甘み、ナッツやレーズンの滋味深さを味わえるのです。現代の私たちにとっては、むしろ栄養満点のごちそうと言えるかと思います(余計なものが入っていないのもうれしい)。ずっしりと固めに焼き上がる見た目も、秋の実りたっぷりで満足感がある食べごたえも、とっても秋らしいトルタです。
栗粉のトルタ・カスタニャッチョ【材料】
栗粉 400g
レーズン ひとつかみ(50~80g)
松の実 ひとつかみ(50~80g)
アーモンド(皮なし) ひとつかみ(50~80g)
くるみ ひとつかみ(50~80g)
ローズマリー 1枝
牛乳(または豆乳) 2カップ
冷水 1と1/2カップ
砂糖(またはきび糖) 大さじ2
塩 ひとつまみ
ベーキングパウダー 小さじ2~3
(低温圧搾のゴマ油など)軽い植物油 大さじ2
無塩バター 10~15g
【作り方】
1. レーズンは分量外の水に10分ほどつけて戻し、かるく洗って水気を切っておく。アーモンドと松の実はフライパンで乾煎りして香りを引き出し、くるみは食べやすいように刻んでおく。ローズマリーは枝から葉を外す。
2. 栗粉をふるってボウルに入れ、砂糖、塩、ベーキングパウダーを入れて混ぜる。ここに牛乳と水を少しずつ加えながら、こねるように混ぜていく。
3. さらにレーズン、松の実、アーモンド、くるみ、ローズマリー、植物油を加えてよく混ぜ合わせる。
4. タルト皿に油(分量外)を薄く塗り、3を敷き広げ、その上に細かく削ったバターを全体に散らす。お好みで松の実やアーモンド(分量外)を飾る。ローズマリーは焦げてしまうので、飾るなら焼き上がったあとで。
5. 180℃のオーブンで約30分、表面に焼き色がつくまで焼く。
栗粉は、渋皮を含まない甘いものを使います。それでもかなり甘さ控えめのレシピなので、お好みで砂糖やレーズンを増やしたり、上から粉糖をかけたりして調整してみてください。