「その日のリズムが決まる朝を、もっと気持ちよくむかえたい」という思いから、あきたいねみさんの著書『自分をひらく朝の儀式』(かんき出版)を手にとりました。
心をとざすと、体をいたわれないつい最近まで、朝に対して心をとざしていた私。
・起きなければならないから、起きる。
・出かけなければならないから、お化粧する。
・食べなければならないから、朝食をとる。
・遅刻するといけないから、先をいそぐ。
こんな調子で「しなければならないこと」にとらわれて、起きたばかりの体をいたわろうとしていませんでした。
自分を大切にする所作をこの本がすすめているのは、朝の身仕度を「自分を愛する」ためのものに変えること。
・顔を洗うときは、愛でるように。
・髪をとかすときは、なでるように。
・歯をみがくときも、力を入れずに。
・家族と顔を合わせたら、やさしい言葉を。
・ドアはそっと開けて、そっと閉める。
忙しいからバタバタするのではなくて、バタバタ動くから気持ちが荒れてしまうのです。あせらず、ていねいに。自分に愛情をかける所作で身をととのえるうち、体の内側にあたたかいエネルギーがわいてきます。
心も体も満たされた状態になってから出かけるようにしたら、寒い朝も「澄みきった空気が気持ちいい!」と感じるように変わりました。
心ひらけば、見える風景が変わる気持ちよくむかえた朝は、目にうつる風景も違ったものに。
動き出した街の様子、目的に向かって進んでいく人の流れが、ゆっくりと美しい見えかたをすることがあります。そういう日は、街に対しても他人に対しても、おおらかな気持ちで過ごせることに気づきました。
ていねいに動くとゆっくりしたペースになるし、体があたたまるのを待って出かけるにはちょっぴり早起きの必要も。でも、意外と苦にはならないもの。
めざまし時計を2つ買うより、「冬の朝が好きだから。気持ちいいから」という理由で目をさますほうが私には合っている。朝に心をひらけば、朝も自分にやさしくしてくれるのを感じています。
[かんき出版]