成功している人を見たとき、幸せな人を見たとき......つい出てきてしまう嫉妬という嫌な感情。嫉妬すればするほど自己嫌悪に陥ってしまいますし、誰もが嫉妬をしたいわけではありません。
じつは嫉妬は「人間性が低いから」「嫌な人間だから」といったことが原因で起こるものではありません。自分に対して犠牲していることが多い人ほど嫉妬してしまうものなのです。今回は嫉妬のメカニズムと対処法をお伝えしていきたいと思います。
嫉妬が起こる原因は「自分への禁止」嫉妬してしまうときには、心の中では「自分はできないのに、あの人はできてうらやましい」という感情がわいています。もしも自由に幸せに過ごしていて満たされていたとしたら、同じように自由で幸せな人を見ても、嫉妬の感情があがってくることはありません。
無意識的に、嫉妬している相手と同じ行動をすることを自分に禁止しているからこそ、「私にはできないのに」「こんなに我慢しているのに」「なんであのひとばかり」という感情が出てきてしまうのです。
嫉妬してしまうときには、自分のことを責める前に「私はこんなふうにやりたいことを我慢してしまっていたんだな」「こんなふうに犠牲になることを、受け入れてきてしまったんだな」と、欲しいものを欲しいと思わず苦しんできた自分を理解してあげてみてください。
相手と同じ行動をとってみるその次のステップとして、自分が嫉妬している相手と同じ行動をとってみてもいいのだと考えてみてください。
たとえば、仕事の手を抜いている人がうらやましいなら、自分が犠牲になることを減らし、もう少し肩の力を抜いて周囲の人に助けてもらったり、仕事の分量を減らしてもいいかもしれません。
女性としてちやほやされている人がうらやましいなら、自分自身もきれいな格好をしおいしいもの食べ、自分に愛を与えながら、まわりの人に頼ったり媚びだと思えるような行動を真似てもいいでしょう。
ここで大切なことは、同じ行動をとること自体が大切なのではなく、自分も嫉妬している相手と同じ行動をとる権利を持っていると認識することです。
やってみて「ああ、やっぱりやりたくないな」と思ったら、やめてしまってもいいと思います。自分が楽になれるようなら続けてみてください。
嫉妬を憧れへとシフトする嫉妬をしてしまうときは、つい嫉妬する相手そのものに執着をしてしまいます。しかし、これだとただの人間関係のしがらみになってしまい、相手を見るたびに苦しくなるだけで、解決することはありません。
嫉妬してしまうときほど「相手に対して嫉妬しているのではなく、相手のしている行動がうらやましいのだ」とはっきり自覚し、相手の行動にうらやましさをシフトしてみてください。こうすると相手の人間性は関係なく、ただ「相手のしていることがうらやましい、私もやりたい」と、嫉妬の感情を憧れに変えることができます。
嫉妬という感情は、じつは自分自身を解放してくれる大切な手段です。「自分が本当は何をしたいのか」「何を我慢していているのか」を知る素晴らしいチャンスなんですね。
自分を責めるよりも、これはチャンスだと気づき自分を自由にしていく。ネガティブな場所に留まることなく、本当に幸せな人生を選択していってくださいね。
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