「チーズとパンさえあればなんとかなるのかも」というフランス人にとって、ピタと野菜のクリーム状ムースを食べることは、何となく似ているのかも知れませんね。
野菜や、ハーブ、オリーブオイルがふんだんに使われているレバノン料理のクリーム状ムースは、ビタミンをたっぷり摂取でき、さらに、とうがらし、シナモン、クミン、タイム、クローブなどのエピスが消化を助けてくれるので、夏の食欲不振にはぴったりなんです。
このムースは使う野菜によって何種類かあり、(写真手前から)ババガヌーシュ、タシック、ウムスと呼ばれる「メゼ」がポピュラーです。ボリューミーなので大人数でテーブルを囲みながらシェアすることができ、冷製料理として夏の間は特に大人気。
国土の西側一帯が地中海に面しているレバノンでは、古代から野菜やハーブ、オリーブオイルを使った独特の地中海の食文化を持っています。それは、同じく地中海に面するギリシア料理にも似ているのだそう。
そもそもフランスにおけるレバノン料理は、70年代にレバノン内戦が起きた時、フランスに大量に移住してきたレバノン人が、自国の食文化を広め始めたことに始まります。その後、徐々にフランスでもレバノン料理が人気をていしてきたのです。
フランス南西部にある「La Fiancee Du Desert(ラ・フィアンセ・ドュ・デゼール)」は、昼も夜も絶えず地元のフランス人や観光客で満席の人気店。みんなこの冷製ムースを目当てにテーブルを囲み、笑い声が耐えません。
23年前から始まったここのレストランは、パトリス・ディディエ氏が11年前にオーナーになって以来、色とりどりのエキゾチックなデコレーションや中庭に設けた緑に囲まれた席がお店の雰囲気を素敵に演出しています。
今回、私も大好きな「Babaganouch(ババガヌーシュ)」のレシピを、MYLOHAS読者に特別に教えてくれました。ババガヌ―シュは、ビタミン、ミネラル、食物繊維がたっぷりのナスをふんだんに使ったヘルシーレシピです。
◆レバンノン料理「ババガヌーシュ」レシピ
【材料】
・ナス:2kg
・ゴマクリーム:小さじ4杯
・にんにく:1片
・オリーブオイル:小さじ3杯
・レモン汁:1個分
・塩:少々
・砂糖 小さじ1杯
【作り方】
(1)ナスをフォークなどで数カ所軽く突き刺した後、ナスを220℃のオーブンで片面ずつ各30分焼く。(ナスが小ぶりの場合は、様子を見て時間を短縮)
(2)1時間程冷ましてから、ナスの皮を向いてから適度な大きさに切ったものをミキサーに入れ、そこに材料以外全てを加えてミキサーにかける。
(3)クリーム状になったらミキサーを止め、オリーブオイルをかけてピタと食べる。ぜひ、試してみてくださいね♪
[La Fiancee Du Desert]
場所:21 Rue Tran,64000 PAU FRANCE
TEL:+33 (0)5 59 27 27 58
※火曜-土曜 ランチ/ディナー営業
※8月4日〜29日まで夏期休業
text by下野真緒(Mao FRANKIEWICZ SHIMONO)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
南仏在住ジャーナリスト/エディター。東京都出身。慶応義塾大学法学部政治学科卒。女性ファッション誌編集部を経てフリーランスエディターに。パリ・南仏へ留学後、フランス南西部に移住。パリ発webmagazine・chocolatmagにて連載コラム「南仏新婚journal」、GLAM/GLAM MOMSサイトで「南フランスのいい予感。」その他執筆中。フランス人のライフスタイルほか、社会問題、時事ネタにも関心深い。
■あわせて読みたい
・ママ友への贈り物に! 離乳食がはじまった赤ちゃんの強〜い味方「オリーブオイル」
・東北支援もできるオシャレなECOカップ酒JUNGIN GLASS。夏はフローズンで味わうのも乙!
・汗をかかずにパパッと料理! 旬の野菜もたっぷり摂れる、電気やガスを使わない節エネレシピ
・ワインの香りがふわっ! モデルの間で話題の卵とバターを使っていないヘルシーアイス
・お米作りのパトロンに!? 学生たちがサポートする「奨学米」プロジェクト