今回もなぜか人が集まる魅力的な人をフィーチャーして、その生態について紐解いていきたい。さて、年齢を重ねるにつれて「好き」や「嬉しい」などのポジティブな感情を、面と向かって相手に伝えることが恥ずかしくなってしまう。とくに相手が異性であると、余計な意識をしてしまう。おそらく、いろんなプライドが邪魔してしまうからだろう。

しかしポジティブな気持ちは、相手にちゃんと伝えたほうがいい。その方が好感度が上がるし、より上質なコミュニケーションが生まれる。今回は、相手にポジティブな気持ちを自然に伝えるコツを紹介する。

24歳 専門商社OL なおちゃん(仮名)の場合

なおちゃんは、合コンで知り合った入社3年目の専門商社のOLだ。若い世代の女子と知り合うことがここ最近なかった私は、一か八かご飯に誘うことにしてみた。意外にも一つ返事で「いいですよ」と快諾してくれ、後日飲みにいくことに......。

もともと感じの良い子だという印象はあったが、彼女の次の言葉と行動から、意表をつかれてしまった。食事がスタートして1時間ほど経ち、ワインのボトルが1本空いたくらいだろうか。なおちゃんが良い感じに酔ってきたのを受けて、こう問いかけた。

私:「なおちゃん、お酒強いね~。酔ってないの?」

なお:「私、お酒は見た目ほど強くないんです。でも、楽しいとついつい飲みすぎちゃって(笑)」

この言葉にキュンとしてしまった......。

観察結果「間接的LIKE」

なおちゃんの魅力的なところは、ポジティブな気持ちを相手に伝えられるところだ。しかも、その伝え方が直接的でないところがいい意味憎い。そう、「間接的LIKE」だ。

ポイントは、「楽しいとついつい飲みすぎちゃう」という言葉だ。それは暗に「あなたと話しているとすごく楽しい」と捉えられる(私の希望的観測も入っている・苦笑)。さらに、お酒は強くないという表現が前段にかかっていることで、より「今日は楽しい」という感情が際立つのだと思った。

この「嬉しい気持ちになると○○してしまう」という表現は、日常的に使えるコミュニケーション術だ。「嬉しいから優しくなれる」「楽しくなると時間を忘れてしまう」などいろいろ応用できるし、直接的な言葉より嘘偽りがないように感じる。ナチュラルなキラーワードだと言えるのではないだろうか。

(イラスト・たなかみさき

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