キッチンの窓の外では雪がちらついていたとしても、フレッシュハーブで料理にひと味加えることができます。日当たりのよい窓さえあれば、特別な照明も必要なし。窓辺で育てるのにぴったりのハーブと、元気に育てるコツをお教えします。
挿し木を発根させる
オレガノ、タイム、ローズマリー、セージなど、多くのハーブは挿し木で増やすのに最適。ベランダや庭で育てているハーブがあるなら挿し木にしてみましょう。先端から10センチ程度のところをハサミで切り、下のほうについている葉を取りのぞいてから、パーライトやバーミキュライトなどの挿し木用の土を湿らせて挿しておきます。ガラスのコップや透明のプラスチックをかぶせて、土が乾燥しないようにします。
屋外で育てていた鉢を室内に持ちこむときの注意点
霜が降りる前に(まだ天気が穏やかなうちに)、ベランダや庭の鉢植えを室内に取りこみます。すぐに部屋の中に入れるのではなく、数週間は玄関先や通路など明るくて涼しい「中間地点」に置くようにしましょう。
こうして鉢を室内の環境に馴らしてから日当たりのよい場所に移動します(もっとも明るいのは南向きの窓、次が東か西向きの窓)。ただし、高温と乾燥には注意。大抵のハーブは、18~21度の温度を好みますが、日中は26度くらいまでは大丈夫。外と似た環境になるよう、夜間には5度以上室温が下がることが重要です(室温が夜間は10~15度になるとよい)。
ただしバジルは例外で、5~10度の寒さにも耐えられます。暖かい日にはバジルの鉢を外に出し、葉の上から水をやってほこりを落とします。
水、光、温度はどう管理する?
ほとんどのハーブはじゅうぶんな水やりを必要としますが、あげすぎも禁物。大切なのは水はけのよさ。鉢の表面がかわいていたら水をやります。あるいは鉢を持ってみて、重さで土が湿っているかを判断するという手も。水はけをよくしたいなら、土に砂やバーミキュライトを追加します。
水と光と温度をうまく調整するようにしてください。南向きの窓辺に置いた素焼きの鉢は、東や西向きの窓辺のプラスチックの鉢よりも、多くの水を必要とします。日光があまり射さない場合は、室温を低く保つようにします。
害虫対策
室内用のハーブの土は慎重に選びましょう。販売されている鉢植え用の土をそのまま使用してもよいし、鉢植え用の土1に対し、コンポスト1、バーミキュライトあるいはパーライトか砂(またはこの3つを混ぜたもの)1の割合で混ぜてもよいでしょう。
庭がある人は、庭の土を使ってはいけません。庭で育てている植物を鉢に移動するなら、根を傷めないように注意しつつ、できるだけ庭の土を取り除いてください。
屋外から持ち込んだ植物は、しばらくは室内の観葉植物から離しておきます。この期間に虫を発見したら、鉢は外に移動します。注意しても虫がつくことはありますが、きちんと日にあてて温度を管理すれば、ハーブは健康に育ちます。定期的に葉水をやるとよいでしょう。部屋が暑くて乾燥して植物が弱ると、ハダニ、コナジラミ、アブラムシなどがつきやすくなります。
殺虫剤として石鹸水をスプレーするときは、液体が虫に直接ふれないと効果がないことに注意。液体がすぐに乾いてしまわないように夜間にスプレーし(決して日中にはやらないこと)、翌日(あるいはハーブを食べる前)水で洗い流します。苗にはスプレーしないこと!
12月は水や肥料は控えめにしますが、日が長くなりはじめる1月中旬にはコンポストや液体肥料を与えます。鉢の土がつまっていたら、フォークで表面を耕してコンポストをのせます。
室内の植物にとって日当たりがよくなる2月は最高の月。3月には蕾ができはじめ、4月になったら、暖かい日には鉢を外に出してあげましょう。ベランダや庭で過ごせる日ももうすぐです!
室内で育てるのに最適なハーブ10種
バジル
種から育てるのによいでしょう。日光と暖かい場所を好むので、鉢は南向きの窓辺に。
ベイリーフ
年間を通してコンテナでよく育つ多年生の植物。鉢は東か西向きの窓辺におき、葉が混み合わないように注意。健康に育てるには風通しをよくすること。
チャービル
種まきは夏の終わりに行います。弱い光でもよく育ちますが、室温は18〜21度に。
チャイブ
庭で育てているなら、シーズン終に掘り上げて鉢に植え替えます。葉がすっかり枯れてしまうまで鉢は外に出しておくこと。冬の初めに鉢を屋内でいちばん涼しい場所に2、3日置いてから、日あたりのよい窓辺に移動します。
オレガノ
先端を切って挿し木にするとよく育ちます。植木鉢に挿したら、南向きの窓辺へ。
パセリ
種から育ててもよいし、外で育てているものを掘り上げて鉢に移してもよいでしょう。パセリは十分な日光を好みますが、東向きや西向きの窓でもゆっくり成長します。
ローズマリー
挿し木でよく育ちます。カットした茎を発根するまで湿った水栽培用の土に挿しておきます。南向きの窓辺で育ちます。
セージ
挿し木にして室内で育てることができます。乾燥や屋内環境によく耐えますが、じゅうぶんな日光が必要なので南向きの窓辺に。
タラゴン
秋の終わりから冬の初めは休眠期にあたるので屋内で育てるのが必須。屋外で育てているものを鉢に移した場合は、葉が枯れるまで屋外に出しておくこと。涼しい場所に2、3日置いてから、できるだけ日があたる南向きの窓へ。液体の有機肥料をたっぷり与えます。
タイム
やわらかい先端部分を切って挿し木にしてもよいし、庭やベランダのものを鉢に植え替えてもよいでしょう。タイムはじゅうぶんな日光を好みますが、東か西向きの窓でも育ちます。
The Editors Of Organic Life/How To Grow 10 Of The Easiest Herbs Indoors On Your Windowsill
訳/Maya A. Kishida