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【体幹ウォーキングのススメ】金さん指南! 運動効果を上げる正しい歩き方・階段ののぼり方
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【体幹ウォーキングのススメ】金さん指南! 運動効果を上げる正しい歩き方・階段ののぼり方

2018-05-17 16:30
    職場との往復や買い物のときなどでも、移動手段である“歩行”をしながら運動不足を解消できるのが、プロ・ランニングコーチの金哲彦さんが教える「体幹ウォーキング」です。肩甲骨と背骨、骨盤の”体幹“を意識した歩き方で、運動効果が上がるだけでなく、カラダへの負荷も減らすことができます。

    前編に続き、後編は「実践編」として、金さんにご指南いただきます。

    運動効果を上げてカラダへの負荷を減らす、正しい歩き方

    長時間パソコン画面を見つめ、スマホを見ながらあるくこともあって、現代人の歩く姿勢は猫背気味だそうです。肩甲骨や骨盤など必要な部分を上手に動かさないと、脚だけで歩くことになって疲れやすくなってしまいます。また、腹筋が弱いとおなかが出たような姿勢になるため、背中から腰に過度な負担がかかってしまいます

    歩き方の悪い例1

    スマホを見ながら歩いている人は、たいていこのような姿勢です。肩甲骨を動かさないため、骨盤がうまく使われず、足先だけで歩くので疲れやすくなります。

    歩き方の悪い例2

    腹筋の弱い女性に多い歩き方。丹田(おへその下あたり)に力が集まるように意識すると重心が上がってカラダが安定し、脚を骨盤から動かすことができます。

    体幹を動かし、正しい姿勢で歩くために意識したいのは、「背中」「おなか」「腰」。この3つを連動させれば、コアも含めた全身の筋肉を使って歩くことができます。

    歩き方の良い例

    肩は自然に力を抜き、肘を引いて肩甲骨を動かすようにして歩きます。肩甲骨を動かすとカラダがツイストして骨盤が自然に前へ出て、負荷をかけなくても歩幅が大きくなり、しっかり着地することができます。姿勢もとても美しいですね。

    通勤時などにヒールのある靴で歩かなければいけないときや、人前で大きく腕を振るのが恥ずかしいシーンでも、一度この正しい歩き方をマスターすれば、骨盤から脚を出すことができるので、ただダラダラと歩くのとは運動効果も違ってきます。

    ちなみに、ウォーキングシューズやスニーカーなどに比べると足元が不安定になりやすいヒールで歩く場合は、おなかと腰のかたちをしっかりと作って、カラダを安定させることが大切です。着地の瞬間、重心が後ろにかかりやすいので、骨盤を前傾させるように意識して歩いてみましょう。

    【体幹ウォーキングのコツ】
    背中:姿勢を正し、歩くときに肩甲骨を大きく動かすことを意識します。自発的にカラダを動かすのは肩甲骨だけでOKです。
    おなか:丹田(おへその下あたり)に意識を集中させることで重心が上がり、カラダの各部位を安定して動かします。
    腰:肩甲骨を動かすことで、自然と骨盤が前に出ます。脚だけでなく腰から歩ける感覚を感じます。

    ウォーキングのパフォーマンスを高めるためのエクササイズはこちらでご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

    疲れるのは、のぼり方のせい?階段で意識すべきことは

    階段を目の前にすると、ついエレベーターがないか探してしまう人は多いのではないでしょうか。階段をのぼるのがきついと感じる人は、その“のぼり方”にも原因があるかもしれません。

    脚の力だけでぐっと踏み込んでのぼると、脚に過度の負荷がかかって疲れてしまいます(写真上)。
    階段でも肩甲骨をうまく使うと、骨盤から脚が前に出るので負荷は少なくなります(写真下)。

    負荷が少なくなれば、「今日は階段をのぼってみようかな」と気持ちも前向きになり、さらなる運動不足解消が目指せるかもしれません。

    運動不足解消で始めたウォーキングから、広がる楽しみ

    「正しい姿勢と歩き方を意識して、まずは通勤などの移動時から始めてみてください」と金さん。歩くことに慣れてきたら、一駅前で降りて歩いたり、遠回りしてきれいな公園を見ながら歩いたりして、歩数を伸ばしていきます。

    「たとえば一駅分の体幹ウォーキングを週3~4日やってみると、はじめは確かに疲れます(笑)。そのときに大切なのが、ただ“疲れる”と感じるのではなく、どこがどう疲れたのかということに敏感になること。太ももが疲れたとか、おしりが痛いなどということは、カラダに筋肉がつき始めていること。均整のとれたかっこいいカラダに近づいているサインです」(金さん)

    肩甲骨を動かすことでカラダがツイストされるため、まずはおなか周りに変化を感じる人が多いとか。3週間ほど続けると、歩くことがおっくうでなくなり、自分でも体力がついてきたと実感できるはず。

    理想をいえば、いずれランニングまでがんばってほしいですね(笑)。ウォーキングと違うのは、ランニングには“ジャンプ”という要素が加わること。ジャンプによって脳内ホルモンの「セロトニン」の分泌が促されます。ランニングがストレス解消に効果的と言われるのはこのためです」(金さん)

    運動不足解消と思って始めたウォーキングによって体力がつき、プロポーションまで整えば最高。さらにカラダを動かす楽しみまで知ることができたら、毎日がますます豊かになりそうです。

    まずは今日から、肩甲骨を意識して歩いてみませんか?

    【体幹ウォーキングのススメ】金さん指南! 残念な歩き方を健康美に変える方法はこちらから
    ウォーキングのストレッチ方法はこちらから

    金 哲彦(きん てつひこ)さん
    プロ・ランニングコーチ。早稲田大学在学中、4年連続で箱根駅伝の5区を担当し、区間賞を2度獲得。リクルート入社し、ランニングクラブを創設。選手として活躍したのち、コーチとして小出義雄監督とともに有森裕子や高橋尚子などトップアスリートの強化に励み、のちに監督に就任。現在はテレビやラジオの駅伝・マラソン解説者を務めるほか、2002年に立ち上げたNPO法人「ニッポンランナーズ」理事長として新しいスポーツ文化の構想を推進している。『正しく歩いて体をリセット 体幹ウォーキング』(学研プラス)など著書多数。

    撮影/佐山順丸

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2018/05/167086.html
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