不足しやすい栄養素にもかかわらず、食べ物からとるのが意外に難しい栄養素でもあります。というのも、食材からの鉄の吸収率は多くて約20%、ほうれん草など野菜に含まれる鉄に至っては、なんと2〜5%というから驚きです。
加えて玄米やコーヒーはさらに鉄の吸収を妨げてしまうことは、意外に知られていません。
玄米やコーヒーは鉄の吸収を邪魔する
ここで、鉄についておさらいしてみましょう。栄養素としての鉄には、レバーや赤身肉といった動物性の食材に含まれるものと、ほうれん草など植物性食材に多いものの二種類があります。吸収率は前者が10〜20%、後者が2〜5%と全体的に低め。
そんな鉄の吸収を邪魔するのは、たとえば玄米に含まれるフィチン酸。鉄とくっついて一緒に身体の外に出てしまうのです。外皮に多い食物繊維も吸収を妨げます。さらにコーヒーやお茶に多いタンニンも。
それだけに、「鉄分補給のためにほうれん草を食べている」「おやつはプルーンにしている」というタイプはちょっと心配。もしその方が食事のときに玄米をとっていたり、プルーンと一緒にコーヒーを飲んでいたら……。もし大量にとっていて、便が黒っぽくなっているのなら、吸収されなかった鉄が便として出てきていることが考えられます。
肉や魚の鉄は、フィチン酸やタンニンの影響を受けにくい
鉄を無駄なく食材からとるためのコツは、肉や魚を食卓に取り入れること。赤身肉やかつお、いわしなどに多い鉄は吸収率10〜20%と野菜に比べて高いうえ、玄米やコーヒーに吸収を邪魔されることがないのです。
タンパク質は鉄の吸収をうながす性質があります。もしほうれん草で鉄補給をするなら、かつおぶしをたっぷりとかけていただきましょう。野菜に多いビタミンCも吸収のサポートをしてくれます。玄米をたくさん食べているなら、雑穀入り白米に切り替えたほうが、鉄吸収という意味ではベターといえます。
ちなみにプルーンはそれ自体に食物繊維も多いので、おやつで鉄をとるなら小魚アーモンドがおすすめです。
せっかく摂った栄養素は効率よくチャージしていきたいもの。忙しい毎日をごきげんで過ごすために、続けていきたいと思っているところです。