• このエントリーをはてなブックマークに追加
外反母趾も骨盤の歪みも。「距骨(きょこつ)」マッサージでバランス改善[前編]
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

外反母趾も骨盤の歪みも。「距骨(きょこつ)」マッサージでバランス改善[前編]

2018-07-17 16:30
    人間の足首の真ん中に、「距骨(きょこつ)」という小さなハート型の骨があることをご存じでしょうか。足と脚をつなぐ滑車のような働きをする距骨は、立つ・歩くといった人間の動作の土台となる大切な部位。

    この距骨がズレたり歪んだりすることで、全身にさまざまな不調が起こります。慢性的な膝や腰の痛み、肩こり、外反母趾、下半身太りや冷え性……ひょっとするとそれは、距骨の歪みが原因かもしれません。

    今回は「距骨調整」のスペシャリストである、柔道整復師の志水剛志さんに取材。距骨を整えるセルフマッサージや、自分の「歪みパターン」を知る方法を前後編でご紹介します。

    距骨はすべての動きの土台

    日本で初めて「距骨調整」を提唱し、原因不明のカラダの痛みを訴える多くの患者を助けてきた志水剛志さん。長年にわたり外反母趾の治療に携わるなかで、これまで医療や整体の世界で見過ごされてきた距骨の重要性に気がついたといいます。

    「距骨は足の骨のなかで唯一、筋肉にくっついていない骨。筋肉はカラダを動かすだけでなく、体重を支える役割もあります。なのに、どうしてカラダを動かしたり姿勢を支えたりする足首の距骨に、筋肉がついていないのか……。ずっと疑問だったんです」(志水さん)

    イラストで距骨のある場所を確認すると、距骨は足=フットの1番トップの部分であり、脚=レッグのエンドの部分にあることがわかります。つまり、フットとレッグのつなぎ目に当たるのが距骨。ということは、距骨が滑車のようにすべり、ボールベアリングのような働きをしているのではないか――それが、10年の施術経験から志水さんが導き出した答えでした。

    「フットとレッグはエネルギーの方向が違います。フットは横方向で床との軸を作り、レッグは縦方向で体重を支えます。そのつなぎ目にある距骨が筋肉から離れていることで、ボールベアリングの役目を果たし、スムーズな2足歩行を可能にしていると考えたんです。それがすべての施術の出発点になりました」(志水さん)

    距骨は人間の立つ、歩くという基本的な動きの土台。土台がしっかりしているからこそ、骨盤が安定し、その上に乗っている背骨のコンディションも整います。距骨が歪むと、外反母趾などの足のトラブルだけでなく、全身の不調の原因になることも珍しくありません。逆に距骨の歪みを正し、本来の位置に調整していけば、さまざまな不調が改善するといいます。

    「距骨は筋肉が付着しない“フリーの骨”なので、ズレたり歪んだりしても痛みがなく、本人は気づくことができません。しかし距骨の歪みは誰にでも起こり、歪んでいない人はまずいない。しかも歪み方には個人差があります。毎日のセルフケアで距骨の位置をニュートラルに戻しつつ、自分の歪みの傾向を知って調整していくことが大切です」(志水さん)

    「距骨調整」の基本は3つのマッサージ

    まずは距骨の歪み全般に効くセルフケアにトライ。歪み方には個人差がありますが、この3つのマッサージはどのパターンにも効果があり、距骨をニュートラルな状態に近づけることができます。

    足指のマッサージ

    1.まずは固まった指を開くマッサージから。親指と他の4指のあいだを引き離して戻します。これを5回行います。

    2.人差し指と中指、さらに中指と薬指を引き離して戻します。最後は小指と他の4指を引き離して戻します。各5回行います。

    3.今度は親指と人差し指の2本を片手で引き離し、同時に薬指と小指をもう片方の手で引き離して5回引っ張ります。指をできるだけ引き離すようにしてください。

    4.最後に親指を片手で、小指を反対側の手で引っ張って5回伸ばす。人差し指、中指、薬指の間にも隙間ができるように。すべて終えたら、反対側の足も同じように行います。

    【参考動画】

    くるぶしのマッサージ

    1.外くるぶしの真下の部分に人差し指と中指を、内くるぶしの真下の部分に親指を重ねて置きます。

    2.外くるぶしも内くるぶしもしっかり押さえたまま、足首を内側に回します。手で足首を回すのではなく、足首自体を回すようにすること。5回転繰り返します。

    3.手でしっかりくるぶしを押さえたまま、今度は足首を外側に向けて回します。5回転繰り返します。回しにくい方は倍回転させて、しっかりほぐして。反対側の足も同様に行います。

    4.反対側の足も同様に行います。

    【参考動画】

    かかとのマッサージ

    1.足のかかとを片手でつかみます。手のひらでかかとをしっかり包み込むように。親指は足の内側をつかみます。

    2.足の外側から見るとこのような感じです。残り4本の指で外側をつかみます。

    3.つかんだ手を内側にゆっくり動かします。往復10回程度を目安にしてください。

    4.外側にゆっくり動かします。3.と同様に往復10回程度が目安です。

    毎日のセルフマッサージで距骨を整えると、結果的に骨盤や背骨も整ってくると志水さん。カラダのバランスを整えることで、毎日の活力もアップしてくるそう。

    【参考動画】

    「距骨調整」マッサージのコツは?

    志水さんによると、「距骨調整」のセルフケアのベストタイムは入浴後。浴槽にしっかり浸かり、筋肉を温かく柔らかくしてから刺激したほうが効果がアップします。

    また、日常のささいな動作でもズレやすい距骨は、毎日こまめにマッサージすることが大切。起床後、帰宅後、入浴後の3回が理想的ですが、1回1分でもかまわないので、ぜひ毎日続けてみてください。

    距骨をもっと深く知りたい方のために、後編では5つの「歪みパターン」診断チェックをご紹介。自分の歪み傾向をを知り、バランスの良いカラダを手に入れましょう。

    志水 剛志さん
    柔道整復師。整骨院で経験を積み、カサハラ式フットケアでおなじみの笠原接骨院副院長として従事。その後活法の技術を広めるためKPスクールを開校。2009年には自らの整骨院を開業。2010年にゴールデンスパ・ホテルニューオータニ内で整体の施術をスタートさせ、2012年に整体・鍼灸・美容の融合スパ、フォルトゥーナアネックスをオープンさせる。

    壱番館フォルトゥーナ

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2018/07/169560.html
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。