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産婦人科医・宋美玄さん。セックス、生理…「悩みを打ち明けられることが多かった」
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産婦人科医・宋美玄さん。セックス、生理…「悩みを打ち明けられることが多かった」

2018-07-22 05:30
    ──cafeglobeより転載

    小さな体からほとばしるパワー。初めての人でもすぐに打ち解け、懐に入ってしまう気さくさは、持って生まれたものなのだろうか。

    テレビなどでも活躍中の宋 美玄(そん・みひょん)さんは、軽快な関西弁で、冗談を交えながらすらすらと話しはじめた。産婦人科医として、母として、さらにはテレビのコメンテーターや作家などさまざまな顔を持つ。

    宋 美玄(そん・みひょん)さん

    兵庫県神戸市生まれ。2001年大阪大学医学部医学科卒業、産婦人科専門医、医学博士。現在は東京都千代田区にある「丸の内の森レディースクリニック」院長。産婦人科の臨床医を務める傍ら、テレビや雑誌、講演などで、セックス、女性の性や妊娠・出産などについての啓発活動を行っている。著書に『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)など多数。

    身軽な独身だから、と突然の転勤

    仕事に直結する道に進みなさい」という親の言葉を聞いて育ってきた。医者である親を見ていたため、進む道が医学部しか思いつかなかったという宋さん。20歳の時に父が急逝したが、自宅から通える国立だったため学費なども問題なかったそう。

    卒業後は産婦人科の医師として、大阪大学医学部付属病院に勤める。当時から、患者さんと親しくなることに長けていて、性のことやセックスのこと、生理のことなど、女性特有の悩みを打ち明けられることが多かった。ところが、学校では習っていないため、うまく答えられないもどかしさを感じていたという。

    30歳になるころ、医局の人事異動で岡山県倉敷市の川崎医科大学へ異動となった。ほかの人員は家族がいたり、家を買ったばかりといった事情で、独身だった宋さんに白羽の矢が立ったのだ。「一生京阪神で働くつもり」と考えていたため、不満を感じる転勤だった。

    「ただ、それまで狭い世界しか知らなかった私が、他の地域の方々と触れ合うことで、視野が広がったのは確かです。上司が泌尿器科の先生だったため、男性の性機能の専門家として私の興味と近かったのも良い機会でした」

    本を出版すると、50万部突破の大ヒットに!

    同時期に宋さんの心に引っかかっていたのは、2006年に福島県の産婦人科で起きた事件。帝王切開で産婦が亡くなり、その執刀をした医師が逮捕されたのだ。2008年に無罪が確定するものの、逮捕されたという事実は産婦人科医のなり手を大幅に減らすことにつながった。

    「そもそも出産は、『安全で当たり前』というものではないのです。それを伝えたい気持ちで、妊娠出産の心得のようなものをブログに綴っていったら、ネットのニュースに載ったりして話題になりました」

    講演の依頼が増え、初めての書籍も出した。その後、2冊目の企画として持ちかけられたのが売れに売れた『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社、2010年)。それまで、大きく語られることのなかったセックスを、誤解のないように真面目にわかりやすく紹介した書籍。男女どちらの参考にもなり、特にアダルトビデオでしかセックスを知らない人の誤解を解ける、と大きな話題になった。

    書籍をきっかけに、テレビなどのメディアへも進出

    「予想外に売れましたね。類書や雑誌もたくさん出て、書店に棚ができたほど。取材を受けたり、テレビに出たりもしましたが、有名になって戸惑うことは特にありませんでした。もともと変わっていたのか、無意識でも目立ってしまう。だから逆にテレビなどの業界にいてやっと『自分は目立たないほうだ』と思ってホッとする感じ」

    同じ時期、東京に住んでいた現在の夫と結婚し、宋さん自身も東京へ。さまざまな業種の人と知り合ったり、インプット量が増えるなど、機会や刺激が増えた

    35歳の時に第一子、39歳に第二子が生まれた。子育てで夜の勤務ができないため、昼間しか働けない。大学院の博士課程に通いながら、「パート女医」として働いていた。子どもの都合で休まなくてはならない場合も、代わりの医師を自ら探さないと休めない現実。非常にタイムマネジメントがしづらかったという。

    クリニックを開業して、求められていたと分かる

    外来診療を担当していた宋さんは、同じ患者さんを自分が継続的に診療できるようにしたかった。

    「医者の開業としてはやや遅めの41歳でしたが、昨年に丸の内にクリニックをオープンしました。女性の半分以上が90歳まで生きることを考えると、まだ人生の半分以上残っています。おそらく70歳までは働くので、決して遅くはないと思った。また、歳をとると雇ってもらえない可能性も高くなります。よい物件との出会いもあって、丸の内にレディースクリニックを構えたのです」

    最初こそいろいろな雑務に追われたが、今は忙しいなりにも自分でタイムマネジメントができているから快適なのだとか。

    「丸の内には産婦人科がなかったため、開業してみて『やはり求めていたんだ!』とわかりました。ちょっとした不調や妊娠の疑いがあった場合にも、会社を休まずに通院できる。今の若い女性がどんなことで悩んでいるのかも、よくわかります」

    今後10年くらいは、しっかりと子育てに向き合いつつ、女性のための情報発信をしていきたい、と言う宋さん。診療はもちろんのこと、企業向けのセミナーや書籍などを通して、女性の体や健康のこと、生理との付き合い方など、できる限り伝えてきたい。飾らない宋さんだからこそ、聞く人の心にすっと入ってくるものがある。その愛らしいキャラクターを活かして、これからも少しずつ誤解や固定観念をほどいていってくれるはずだ。

    cafeglobe

    撮影/柳原久子、取材・文/栃尾江美

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2018/07/168140song-mihyon.html
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