おなかの脂肪は、ワンピース以外の服では隠せないイヤなものですし、実際、悪者です。おなかに「白色脂肪」が広がり、臓器深くに根付いてしまうと、事態は深刻。事実、研究によるとウェストサイズは、体脂肪率よりも重い病気のリスク因子とされているのです。

この内臓脂肪は新陳代謝にはたらいて、コルチゾールのようなストレスホルモンやインスリンの産生に影響するサイトカインと呼ばれる炎症性物質を大量生産させることがわかっています。結果として体重オーバーよりたちが悪く、2型糖尿病、高血圧、高コレステロール、心臓病、脳卒中、いくつかのがん、そして認知症のリスクも高めてしまうのです。

不幸にも、お尻や太ももではなく身体の中心部分が重くなりやすくなる女性がいます。科学的な理由はたくさんあり、遺伝によることも。母親または祖母がリンゴ型の体型だった可能性があります。閉経前後、または多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性もおなかの脂肪が増えやすいのです。睡眠からストレスまで、特定のライフスタイルもおなかの脂肪を増やすもの。医師に相談すると、どんなファクターで太るのかわかるのですが、結局のところダイエット、エクササイズ、ライフスタイルの変化以外におなかやせする方法はありません。

夢にまで見る「へこんだおなか」はいつでも手の届くところにあるのですが、時間と努力が必要。ここで紹介する習慣に取り組めば、体重は落ち始めるはず。

運動をやめない

内臓脂肪のいいところは、有酸素運動と直結していること。ランニング、バイキング、水泳など、心拍数を上げる運動によってカロリーが燃焼していくのです。おなかの肉を摂るなら負荷のかかるトレーニングより有酸素運動の方がベター。『アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー』誌に掲載された2011年のデューク大学の研究から突破口は見つかりました。1週間に20kmほどのジョギングをすると、おなかの脂肪を減らせるというもの。研究者らは、有酸素運動が負荷トレーニングよりも67%多くカロリーを燃焼させることを発見したのです。

ランニングが好きではなくてもまだ運動をあきらめない方が◎。習慣的なウォーキングでもおなかをへこませられるはず。毎日45分〜1時間、早足のウォーキングを目指すか、早足ペース〜ゆっくりしたペースの間でいろいろ変化させてみます。

高強度の有酸素運動は脂肪を燃やすためには最適ですが、ウェイトトレーニングや全身運動も行います。身体を強くし、新陳代謝を高める(カロリーをより燃やす)のに役立つはず。おなかを含む全身の脂肪を燃やすベストのワークアウトとしては、ローイングマシン、短い休憩をはさむリフティング、腕立て運動です。

たんぱく質をとる

やせることとおなかの脂肪を減らすのに、たんぱく質が大事なのはご存じのはず。そのことをまったく知らなかったなら、パレオダイエットやサウスビーチダイエットなどをやってもうまくいかないかもしれません。たんぱく質が一番大事だという理由は次の通りです。

筋肉や脂肪細胞がうまく反応しないために、年齢とともに身体のなかでインスリンがより多く作られるようになります」と、コーネル大学の肥満専門クリニック医師のルイス・アローンさん。このインスリンによって、おなか周りに脂肪がため込まれてしまうのです。

たんぱく質の多い食事を摂ることで、インスリン抵抗性(インスリンは十分な量が分泌されているけれども、効果を発揮できない状態)から身体が守られるかもしれないのです」とアローンさん。たんぱく質を摂る簡単な方法はスムージーや食事や軽食に、有機ホエイ(乳清)プロテインを加えること。

ある研究によると、肥満の女性が「たんぱく質30%、炭水化物40%、脂肪30%」の食生活を8週間続けたところ、「たんぱく質16%、炭水化物55%、脂肪26%」を摂った場合と比べると、内臓脂肪含めた脂肪をより確実に減らせることが示されたのです。

不飽和脂肪をどんどん摂る

2014年のスウェーデンの研究によると、食品中の飽和脂肪は、不飽和脂肪よりも内臓脂肪になりやすいのです。研究の対象者は、パーム油(飽和)またはヒマワリ油(不飽和)のいずれかを7週間にわたって毎日750キロカロリーを食べたのですが、飽和脂肪を食べた人は内臓脂肪が増え、不飽和脂肪を食べた人は筋肉量が増え、体脂肪が落ちていました。不飽和脂肪は、ナッツ類、種子、魚に含まれ、おなかをやせさせてくれるのです。

より最近の研究では、飽和脂肪も控えめなら健康な食事にも入っていいものだとわかってきました。ただし、自分の食べている脂肪の多い食品を意識すること(トランス脂肪は常に避けます)。天然のサーモン、アボカド、アーモンドバターには、健康な脂肪やおなかをへこませてくれるほかの栄養素が詰まっています。

お酢を摂る

2009年の日本の研究によると、8週間の間、大さじ1杯または2杯の酢を毎日摂っていると、肥満の人が体脂肪、とりわけ内臓脂肪を減らせることがわかったのです。「お酢中の酢酸が脂肪を燃やしてくれるたんぱく質を生み出すという仕組みが考えられています」と、メリーランド大学の医学教授、パメラ・ピーキーさん。『40歳から肥満と戦う』の著者です。

ヨガを試す

2012年のある研究によると、閉経した女性がヨガを16週間続けたところ、内臓脂肪が明確に減らせることが報告されています。もしくは、ダウンドッグのポーズが苦手な場合、リラクゼーションエクササイズ、シンプルな深呼吸なども役立ちます。おなかの脂肪に関係するストレスホルモンのコルチゾールの濃度を下げることが大事。

高強度の有酸素運動がベストの脂肪燃焼法のひとつとわかっていることからいえば、ヨガは遠回りに見えるかもしれません。でも、その考え方というのは、マインドフルネスを高めることで、体調を整え、ひいては健康的な食べ物を口にするようになり、ストレスレベルも下がるというもの。マイルドなヨガをすると、食べ過ぎたときに自分を責めることがなくなり、ダイエットから脱落しづらくもなります。ステレオタイプなヨガをやる人の体型じゃない人にとってとっつきにくく感じるかもしれませんが、肥満の人にもクラスは開かれていますし、自宅での瞑想はおなかをへこませる効果があるのです。

とにかく眠る

2010年のウェイクフォレスト大学の研究によると、内臓脂肪を増やしてしまう睡眠習慣は一晩5時間以下だそう。すでにご存じの通り、おなかをへこませるための理想は8時間。別の研究によると睡眠が不十分だと空腹感と食欲を高める可能性があり、人によっては夜遅くに健康に悪いものを食べることにつながってしまうとわかりました。シカゴ大学助教のエリン・ハンロンさんは大学のブログで、「睡眠時間が減ると、特定の食べ物への欲求が強まってしまい、我慢できなくなるのです。結果として食べてしまい、繰り返すうちに体重が増えていきます」。

ただし週末に寝すぎない

ブリガム・ヤング大学の研究によると、毎晩就寝と起床時間が同じ女性は、体脂肪率が低くなるそう。乱れた睡眠習慣は体内時計も混乱させ、コルチゾールのような脂肪を蓄積させるホルモン分泌の原因に。1週間を台無しにしますから、週末の不健康な習慣があるならあらためます。

緑茶を摂る

適度に運動している人は、「カテキン」と呼ばれる緑茶の含まれる抗酸化物質を摂っていると、摂っていない人よりも、運動中のおなかの脂肪が燃えやすくなるようです。ある研究によると、230gの緑茶2、3杯に相当する625mgのカテキンを毎日摂ることがおすすめとのこと。

食物繊維にうるさくなる

食物繊維をたくさん食べることを意識します。2011年の研究によると、水溶性の食物繊維の摂取量を1日10g(小さいリンゴ2個、グリーンピース1カップ、ピント豆1/2カップに相当)増やした研究の対象者は、5年後に内臓脂肪を3.7%減らすことができると示されています。

Hallie Levine/ 9 Proven Ways To Lose Stubborn Belly Fat And one really good reason why ignoring it is no longer an option.

訳/ STELLA MEDIX Ltd.

RSS情報:https://www.mylohas.net/2018/07/171818fat-belly.html