イノシシは都会では馴染みの薄い、獣害。でもその農作物の被害金額は平成28年だけでも約170億円にものぼるとか。毎日、農作物を食べている私たちにとって、「知らない」では済まされない事態です。なかでもイノシシによる農作物の被害は平成28年の1年間で約50億円。そして全国で害獣駆除として捕獲されるイノシシの数は年間53万頭だそう。なのに、そのうち食肉利用されるのは5%未満。農作物を守るために処分されたほとんどの命を無駄にしているのです。

そこでイノシシの命を無駄にしないためにも、イノシシの脂を活用し、乾燥肌を救う保湿化粧品作りが開始されました。

浸透力が高く、さらっと保湿

手掛けたのは株式会社アップトゥーミー。その代表である泉原朱美さんのお父様は狩猟免許をお持ちとか。そこでイノシシによる農作物被害の実情を知り、イノシシ肉の営業などさまざまな活動をされてきました。そして今回、「破棄されるイノシシの脂で化粧品を作りたい」という思いから、クラウドファンディングにチャレンジしたとか。

化粧品に目をつけた理由は「イノシシの脂で作ったクリームを手荒れやあかぎれに塗ると治りが早く、しっとりする」とお母様から聞いていたから。一般的なハンドクリームでは収まらなかった肌荒れも、イノシシ脂を塗ったことで炎症が治まり、かゆみも無く過ごせるようになったというのです。もちろんご自身も使ってみたところ、しっとりするのにベタつかず、手荒れしにくい肌になっていくことを実感したそう。

まさに「馬油のイノシシ版」といったイメージですが、馬油よりも、オレイン酸・リノール酸・リノレン酸などの不飽和脂肪酸の割合が人の脂肪酸組成と酷似しているので、「浸透力に優れ、刺激が少ない上に保湿力が高い」のが最大の特徴です。

10月21日(日)まで支援受付中

そこでスタートした化粧品開発でしたが、そもそもイノシシの脂を使った化粧品というものが存在しなかったため、製造できるメーカーを見つけるのにも一苦労。また脂を確保するために解体所や猟師さんとのネットワーク作りも必要です。さらに動物性油で気になる臭いや色の問題は、化粧品製造メーカーの独自製法によって解消。こうして完成したのが「TAON ワイルドボア トリートメントバーム」。ブランド名である「TAON(タオン)」は「take advantage of nature(自然を活用する)」という言葉の頭文字から来ているとか。

こちらの商品化を目指すクラウドファンディングを立ち上げたところ、9月10日(月)に目標金額30万円を達成。ですが現在も、クラウドファンディングサイト「Kibidango(きびだんご)」にてプロジェクトを実施中です。支援受付は10月21日(日)まで。期間中は特別価格3,000円(税・送料込)で提供。一般小売価格は3,510円(税込)を予定しているとか。また応援のお返しはこのプロジェクトで製品化する「イノシシ脂化粧品」と、愛媛のイノシシ製品になります。一般に流通すれば、より多くの人に喜ばれそうなプロジェクトですね。

<製品概要>
商品名    : TAON ワイルドボア トリートメントバーム
内容量    : 24g
発売開始時期 : 2018年11月中旬頃を予定
予定販売価格 : 3,510円(税込)
Kibidango:https://kibi.co/taon

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