そんなときは、まず落ち着きましょう。頭皮のかゆみには多くの原因があり、ほとんどは対処しやすいものなのです。「頭皮のかゆみは、皆さんが皮膚科に来る大きな理由のひとつです」と、北ニュージャージーの脱毛専門の委員会認定皮膚科医、マーク・グラシュファーさん。
恐ろしいほどのかゆみが止まらない原因とその対処法、10こをご説明します。
ふけ 乾癬 シラミ 毛包炎 毛染め剤アレルギー 湿疹 苔癬 神経皮膚炎 脱毛症 汗01. ふけ
肩に白いかすが散らばっているとしたら、頭からふけが出ているのかもしれません。頭皮のかゆみのもっとも一般的な理由のひとつがふけなのです。この厄介なかすは脂漏性皮膚炎としても知られています。
「赤み、かゆみ、乾燥、はげ落ちが組み合わさって起きてきます。原因となるメカニズムは多く存在しています。遺伝的な素因があるかもしれませんし、真菌または酵母の成分のために免疫系のはたらきが活発になってしまっているのかもしれません。天候の変化も炎症に関係している可能性があります」とニューヨーク・ダーマトロジー・グループの皮膚科医、ジェシカ・ワイザーさん。
かゆみを止める方法
ふけはときどきひどくなることもある、慢性的なものです。「そんなふけの治療は、生活を正しく改善していくのが大切です。発作的なかゆみの頻度をできるだけ少なく、症状をできるだけ小さくするのです」と、グラシュファーさん。
ひとつのシャンプーが効かなくなるのを防ぐため、グラシュファーさんのおすすめは異なるシャンプーを交互に使うことです。たとえば、医療機関で処方されたシャンプー、または市販のふけ対策シャンプー、赤みと炎症を鎮めるティーツリーオイルのシャンプーといった違った製品を使うのです。
市販のシャンプーが効かなければ、専門の皮膚科医に会って、医療機関で使われるシャンプーやステロイド剤の塗り薬を処方してもらいます。
02. 乾癬
乾癬の場合には、赤くなった発疹のおかげで、頭皮をひっかくのが止まらないのです。
乾癬は、免疫系が過剰にはたらく場所で起こる慢性の皮膚の炎症症状です。厚い赤色の鱗屑(りんせつ、皮膚の表面の角質細胞が、細かくはがれ落ちたもの)が見られて、痛みを伴う表面のざらざらした発疹ができます。頭皮を含む身体のあらゆる部分に影響を与える可能性が。
かゆみを止める方法
「こすったり引っ掻いたりすればするほど、薄片の形をしたふけが広がりやすくなります」と、ワイザーさん。ですから、さわらないようにします。
脂漏性皮膚炎と同様に、魔法の治療法がありません。そのため、「塗り薬、またはより強い薬物治療で症状をコントロールすることができます。激しいかゆみもなくなっていくのですが、完全に治ることはありません」(ワイザーさん)。
ワイザーさんは皮膚の余計な組織を分解してくれるコールタールやサリチル酸ベースのシャンプーをおすすめしています。また、処方されるコルチゾンの塗り薬も。症状が重い場合は、エキシマレーザ治療もよい治療になります。
03. シラミ
もし家に子どもがいて、頭がとてもかゆいならシラミがいるのかもしれません。
シラミとその卵は毛幹の根っこに付いていて、帽子やヘアブラシを共有したときなど、人から人へとうつっていきます。ワイザーさんによると耳のうしろや頭皮の後ろ側でもっともよく見つかります。
かゆみを止める方法
最初にシラミとその卵を頭皮から排除します。
なかなか面倒で時間がかかるのですが、全部取り除かないと、また湧いてくる可能性があるのです。ワイザーさんによると、ペルメトリン(殺虫薬)を含む市販のシャンプーは自然派のものよりたいてい効果的です。
04. 毛包炎
グロシュファーさんによると、赤いニキビのような隆起ができる場合は、毛包炎のサイン。
この慢性症状を引き起こしているのは肌の微生物や真菌類。この隆起はうみが詰まっていてかゆいだけでなく、痛むことも。
かゆみを止める方法
毛包炎には医療機関で処方された薬などを使った治療が最も効くため、医師に相談を。
グロシュファーさんは、抗炎症薬、抗菌薬、また時には薬用シャンプーも含めた治療プランをすすめています。
05. 毛染め剤アレルギー
最近髪を染めましたか? 毛染め剤が原因になってアレルギー反応が起こる場合もあるのです。
「最初は、アレルギー反応とかゆみは、わずかかもしれません。でも気にせずに続けて使っていると、強い赤み、フケ、炎症が出てきます」と、ワイザーさん。
頭皮の腫れや炎症、アナフィラキシー反応を引き起こす人も。最もよくあるアレルゲン(アレルギー原因物質)はパラフェニレンジアミン(PPD)と呼ばれる化学物質で、茶色と黒の毛染め剤に使われています。ちなみに、ヘナによる毛染め剤に入っていることもあります。
かゆみを止める方法
第一歩はその商品の使用をやめること。
髪を染めたいときには、PPDフリーの毛染め剤に変えます。PPD入りのものより効果が続かないかもしれませんが、アレルギー反応を避けられる可能性があるからです。
また、肌の反応を確認するため新製品のパッチテストを行ったり、ヘアサロンに依頼したりもできます。テストでは発疹、かゆみ、腫れに注意します。
06. 湿疹
「湿疹というと肘や指の折り目が思い浮かぶかもしれませんが、頭皮にもできるのです」と、マウントサイナイ医科大学の皮膚科助教 委員会認定皮膚科医のアンジェラ・J・ラムさん。
免疫系が抵抗しているときに起きるもうひとつの皮膚炎症症状が、アトピー性皮膚炎ともいわれる湿疹。これはアメリカ人約3200万人に見られ、乾燥し、はがれ落ちる、炎症性の発疹です。それ自体もひりひりすることがあります。
かゆみを止める方法
治療法はありませんが、ラムさんによると、ステロイドの塗り薬やステロイドシャンプーなどの使用で、症状の強さや発生の頻度を減らせるそう。ベストの治療プランについては、皮膚科医にご相談を。
07. 苔癬
「頭皮のかゆみには、苔癬と呼ばれる、まだら状の脱毛を引き起こす炎症が関わっている可能性があります」(グロシュファーさん)。まれですが、ほかの症状として痛みや赤みが出てくることもあります。
かゆみを止める方法
残念なことに、グロシュファーさんによると、苔癬が原因のかゆみに効く市販の商品はないそう。しっかりした診断と炎症プロセスを止める処方薬をもらうため、皮膚科医にかかるのが最善のようです。
08. 神経皮膚炎
かゆみの原因を、医師も説明できないことがあるのです。
「毛包にそれぞれ神経束が付いています。ときどき、神経が過剰に刺激されて、猛烈なかゆみを引き起こすことがあります」とラムさん。でも、何が刺激を引き起こしているのか、医師にも正確にわかっていないのです。
かゆみを止める方法
この場合には明確な原因がありませんので、まずは医師へ相談してみます。
ラムさんによると、処方されるステロイドシャンプーが効果的であるほか、選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)も効果を示すことがあるようです。
09. 脱毛症
免疫系のはたらきによって毛包が攻撃されてしまい、丸い“はげ”ができるのが脱毛症です。「症状が進むと、頭皮がとてもかゆくなります」(ラムさん)。
かゆみを止める方法
脱毛をともなって頭皮がかゆい場合、皮膚科医にかかります。
医師は診断の後、ステロイドの塗り薬や頭皮への直接ステロイド注射のような治療を提案してくれるでしょう。
10. 汗
汗と運動でもかゆくなることがあります。
さらに、グロシュファーさんによると、油っぽい頭皮になってくると、酵母や真菌のよい温床になるそう。毎日野球帽やバンダナをかぶっているときなども、毛穴をふさいで汗がつまり、激しいかゆみやかぶれを引き起こすこともあるのです。
グロシュファーさんによると、暑く湿気の多い環境に住む人に多いようです。
かゆみを止める方法
簡単です。髪を洗います。
かゆみのない頭皮になりたいなら
その頭皮のかゆみ、病気かも。頭皮乾癬に皮膚科医がすすめる治療法5つ
フケや痒みに悩んでいるならそれは頭皮乾癬かも。根本的な解決法はありませんが症状を緩和できる治療法がたくさんあります。 https://www.mylohas.net/2018/07/170702.html?test201808「頭皮の健康」を色でチェック!あなたは青白と赤色どっち?
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訳/STELLA MEDIX Ltd.