行きつけのヘアサロンで怪しい円形脱毛を発見した、ミシガン州に住むパティ・ボレーさん。担当のニッキー・マクリュアさんは、「10セント硬貨(直径約1.8 cm)よりひと回り大きいくらいのサイズで、ヤケドしたように見えました。赤い斑点みたいだったので、ヤケドしたのかと聞きました。ボレーさんが違うと言うので、ほんのちょっと突ついてみて痛いかどうか聞くと、別に痛くないと言われました」(地元ミシガン州ランシングのTV局WILXで)。
ボレーさんは医師に診てもらい、その部分の組織検査をしたところ、乳がんのいちばん進んだ段階、転移性乳がんのがん細胞だと判明したのです。
「とてもショック。13年前に乳がんになって、克服していたからです」とボレーさん。13年前、乳房のしこりに気づいたボレーさんは乳がんと診断され、9カ月にわたる化学療法と放射線治療を受けました。治療は成功し、治って5年後の節目も過ぎて、すっかりよくなったものと思っていたのです。
ボレーさんは現在、がん細胞を標的とする経口薬を服用しており、「いずれは再発するかもしれない」とわかっていても、楽観的には考えることができていたそう。
転移性乳がんは身体のほかの部分(最も多くは骨、肺、肝臓、脳)に広がったがんで、命にもかかわる病気と言えます。2017年のレビュー研究(以前の研究データをまとめて分析したもの)によると、乳がんが頭部と首に現れるのは比較的まれ。
ですから、ヘアドレッサーがあなたの頭に乳がんを見つけるなどという事態はあまりないかもしれませんが、マクリュアさんの話からもわかるように、身体は常にさまざまな方法で健康に関する手がかりを伝えているということです。
自分の正常な状態とは違って見えたり、違う感じがしたりするようなサインや症状に気をつけて、そのようなことがあったらすぐに医師に診てもらうことが大切。
そして、ほかの人の身に何かおかしなところを見つけたら、率直に伝えましょう。その人の命を救うかもしれません。
乳がんのこと、もっと知りたい
Leah Groth/This Woman’s Bald Spot Turned Out to Be Caused by Breast Cancer
訳/STELLA MEDIX Ltd.