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オバマ夫妻も取りくんだ不妊治療、IVF(体外受精)について知りたい
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オバマ夫妻も取りくんだ不妊治療、IVF(体外受精)について知りたい

2018-12-14 22:00
    不妊とIVF(体外受精)は、思っているよりもずっと、ありふれたことなのかもしれません。

    20年前、IVFを受けていたことを告白

    ミシェル・オバマ元大統領夫人が2018年の11月に、TV情報番組「グッド・モーニング・アメリカ」で、ふたりの娘、マリアさんとサーシャさんを産む前に流産で苦しんだと明かしました。ふたりともIVF(体外受精)で生まれたのです。

    不妊の問題に取り組んだ経験があるのはミシェルさんだけではありません。アメリカ保健社会福祉省(HHS)女性健康局によると、15〜44歳の女性のおよそ10%(約610万人)が妊娠するために、または(流産せずに)妊娠を保つために苦労しています

    この数字は意外ではないかもしれませんが、30代に始まったミシェルさんの苦闘の話を聞けば、不妊があらゆる年齢の女性に影響を及ぼしていること、また高額な不妊治療を受けているのは30代後半から40代初めの女性だけではないという事実がわかります。

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    Michelle Obamaさん(@michelleobama)がシェアした投稿 - 2018年10月月18日午後2時23分PDT

    AP通信によると、「私たちは子どもを作ろうとしましたが、うまく行きませんでした」と、現在54歳のミシェルさんは、回顧録『Becoming』で書いています。

    「妊娠検査が陽性と出たときは、あらゆる心配を忘れて喜びでいっぱいでしたが、数週間後に流産し、身体には不快な症状が現れて、気分は落ち込んでしまいました」

    ミシェルさんは「グッド・モーニング・アメリカ」に出演中、不妊の感情的な影響について語っています。

    「普通は話題になどしませんから、流産がどれくらいよくあることなのか知らず、自分がダメな人間のように感じました。私たちはどこか悪いのだと思い、ただ痛みを抱え込んでいたのです」

    回顧録のなかで、ミシェルさんは夫のバラク・オバマ元大統領と一緒にIVFを受けることに決めたと説明しています。

    「優しく、思いやりのある夫」は州議会に出るなかで、妊娠するためにミシェルさんは頑張ったといいます。ミシェルさんはひとりで“卵巣刺激注射”を自己投与しました。

    IVFとは?

    image via shutterstock

    「簡単に言ってIVFとは、卵巣を刺激する薬を注射して、女性の毎月の生殖サイクルで多くの卵子が作られるようにする方法です」と有名な不妊クリニック、「ボストンIVF」の不妊治療専門医でハーバード大学医学部の専任講師を務めるニーナ・レセットコワさん(経営学修士)は説明します。

    そして、「採卵」と呼ばれるプロセスで複数の卵子を採取したら、ラボで精子と受精させて「胚」を作ります

    その後、生育の見込みが高い胚をラボの培養器で培養してから、子宮に再移植し、同じ生殖サイクル内で妊娠する確率を上げるわけです。

    「数多くの卵子を採取して胚を作るため、胚の質低下という問題が克服できます。妊娠に至る力がいちばん強い胚を選択するのです」(レセットコワさん)

    IVFが確実に利用できるようになったのは20年ほど前からですが、レセットコワさんによると、新しい技術とラボの標準化によりさらに効果的になったため、近年はとみに広まっています。

    若い女性にIVFは必要ない、は迷信

    image via shutterstock

    レセットコワさんによると、ボストンIVFで治療を受ける女性の平均年齢は37〜38歳ですが、「若い女性にIVFは必要ない」というのは迷信です。

    ティーンエイジャーから閉経後の女性、さらにはもっと年配の人までが生殖医療サービスを訪れていると、レセットコワさんは指摘。ミシェルさんがIVF治療を始めたのは30代初めだったようですから、若い方と考えられるよう。

    「35歳より下の女性には、妊娠にむけて1年間トライしてからIVFの評価を受けるように、35歳より上の女性には6カ月間トライしてから評価を受けるようにすすめています。そうしてIVFの成功確率を高めるのです」(レセットコワさん)

    女性の不妊の原因は?

    image via shutterstock

    レセットコワさんの説明によると、若い女性でさえ、妊娠して満期まで維持するのが難しくなる原因はたくさんあるそう。

    多嚢胞(のうほう)性卵巣症候群(PCOS)のような問題による生理不順、卵管の病気、複雑な医学的問題、何度も腹部の手術を受けた経験などが含まれます。

    「最近では、テイ・サックス病などの遺伝性疾患が子どもに伝わる危険があるカップルを助けるためにも利用されています」とコロンビア大学妊娠センター主任で医師/博士のゼブ・ウィリアムズさん。

    image via shutterstock

    精子の方が問題なケースも

    「異性カップルで男性パートナーの精子数が少ない場合に見られる男性不妊は、一般的にIVF治療が必要で、このような患者は若いうちに治療を受ける傾向があります」と、レセットコワさん。若いうちにIVFを受ける人のなかには、LGBTの人もいます。

    でも、全般的に、IVFで成功する確率がいちばん高いのは若い女性。「もっともよい結果が期待できるのは、35歳より下のグループです」(レセットコワさん)

    ウィリアムズさんによると、それは、女性が年をとるにつれて、卵子に染色体の問題が起こりやすくなり、健康的な妊娠が邪魔されるためです。

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    Leah Groth/Michelle Obama's Infertility Struggles Unveil a Common Myth About IVF
    訳/STELLA MEDIX Ltd.

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2018/12/181409ivf.html
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