鼻づまり。鼻水。のどの痛み。誰もがおなじみの風邪の症状です。

でも、チキンスープを飲んだりビタミンCを摂ったり、風邪に効きそうなことをやっても効果がない……。そんなとき、じつは“副鼻腔炎(ふくびくうえん)※”かもしれません。

※訳注:副鼻腔炎には急性と慢性があり、日本における慢性の副鼻腔炎の俗称は“ちくのう症”とも言われます。この記事では急性副鼻腔炎をさしています。

副鼻腔炎とは?

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「副鼻腔炎は、ほほ、両目の間、眉の上、そして両目の後ろにある“副鼻腔”という空洞がウイルスや細菌に感染して炎症を起こした状態です」と説明するのは、インターネットを使った遠隔医療を提供する会社「Ro」の共同臨床ディレクターで、医師のメリンダ・バーンズさん(元イエール大学医学大学院外科、耳鼻咽喉科助教授)。

「副鼻腔炎では、副鼻腔の内側粘膜が炎症を起こして腫れ、粘膜の中の腺が粘液をたくさん作ります。この副鼻腔の炎症のせいで、よくあるイヤな症状が現れるわけです」(バーンズさん)

副鼻腔は顔の片側に4個ずつあり、どれも感染する可能性があります」とバーンズさん。

どの副鼻腔が感染しているかで、症状が変わってきます。たとえば、ほほの副鼻腔が感染すると、ほほの上部に痛みを覚えるでしょう。

副鼻腔炎はうつる?

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そうとも言えます。ウイルス性の副鼻腔炎なら、ウイルスを撒き散らしかねませんから。

でも、副鼻腔炎そのものは、うつりません。風邪が原因で起きる炎症から副鼻腔炎になりますが、風邪をひくたびになるわけではありません。

マサチューセッツ大学ローウェル校の臨床助教授でナース・プラクティショナー・プログラムのコーディネーターをつとめる家庭医学ナース・プラクティショナー(NP:アメリカの職種分類で、一定レベルの診断や治療などを行う上級看護師)のバレリー・キングさんは、次のように説明します。

副鼻腔炎は、ほとんどがウイルス性です。ですから、ウイルスはうつります。人が触るいろいろな物にウイルスがついています。でも、ウイルスに触って具合が悪くなっても、鼻づまりなどの風邪に似た症状が出るだけです。この風邪のような症状が長引くと、細菌感染に進展することがあります

副鼻腔炎かどうかの診断は?

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副鼻腔炎かどうかの判断は、訓練を受けた医師でも難しいもの。

「副鼻腔炎と気管支炎の症状は単純な検査だけでは診断できず、医師が症状をどのように判断するかにかかっていますから、わかりにくくて厄介な病気です」と、キングさん。

副鼻腔炎を治すには

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副鼻腔炎の治療法は、ウイルス性か細菌性かで違います。キングさんによると、大部分の副鼻腔炎はウイルス性です。

ウイルス性の副鼻腔炎に抗生物質は効きませんから、ワンさんがすすめる方法は、鼻の塩水スプレーやリンス(たとえば、“ネティポット”のような鼻洗浄器を使って鼻を洗浄します。必ず蒸留水を使いましょう)、点鼻ステロイド薬、鼻づまりの薬、市販鎮痛薬など。

細菌性の副鼻腔炎には抗生物質が必要ですし、さらにほかの薬が処方されることもあります。「鼻の内部がひどく腫れている場合は、抗生物質に加えて低用量の経口ステロイド薬が必要でしょう」(バーンズさん)

何週間も続く副鼻腔炎を繰り返す場合は、副鼻腔の感染再発を治療する手術を検討するために、耳鼻咽喉科医(耳・鼻・のどの外科医)を紹介されるかもしれません、とバーンズさんは言います。

次回は、「副鼻腔炎によくある症状」をご紹介します。

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訳/STELLA MEDIX Ltd.

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