「ええ、それも実は、花粉症の症状のひとつ。いがらっぽいのどが花粉症に関係しているとは、あまり思わないでしょうが、とてもよくある症状です」と話すのは、カリフォルニアにあるプロビデンス・セント・ジョンズ・ヘルスセンター耳鼻咽喉科医のオミド・メディザデさん。
なぜアレルギーで、のどが痛くなるのでしょう。その理由と、軽減させる方法をみていきましょう。
なぜアレルギーで、のどが痛くなるのか
image via shutterstockまず、アレルギーのおさらいを。
何かのアレルギーという場合、身体がその何かに含まれるタンパク質を“異質な侵入者”と見なします。そして、風に舞ったほこりを吸い込んでしまったり、目の中に花粉が入ってきたりしてそのタンパク質が体内に入ると、身体を守ろうとして免疫系が炎症反応を起こすのです。
その炎症反応の一部として、粘液が余分に作られます。粘液はゴミを身体の外に出してくれますが、そのため鼻水や鼻づまりが起きることに。
それだけではありません。「耳、鼻、のどはすべて構造的につながっていますから、どれかに問題が起きると、ほかのところにも影響が出ます」と、ニューヨーク・プレスビタリアン病院のでアレルギー科ディレクターを務める医師のウィリアム・ライザッハさん。
その結果、余分な粘液が鼻水となり、のどの奥に流れてきて(後鼻漏[こうびろう]と呼ばれます)、ヒリヒリした刺激を感じるのです。「アレルゲン(アレルギーの原因物質)のせいで、のどの奥の組織に炎症も起こるため、不快感が増すわけです」(メディザデさん)
風邪とアレルギーはどうやって見分ける?
image via shutterstockアレルギーも風邪も、のどの痛み、鼻水、鼻づまりといった症状が共通しています。実際に何のせいでつらい思いをしなければならないのか、どう見分ければいいでしょう?
たいていは、症状がいつ始まったかが大きな決め手になります。米国アレルギー喘息免疫学会(AAAAI)によると、風邪は症状がゆっくり出始めますが、アレルギーの場合は、アレルゲンに接触すると間もなく急に現れます。
たとえば、屋外でしばらく過ごした後でのどの奥がチクチク、ムズムズしたり、詰まったような感じになったりしたら、おそらくアレルギーです。
「ほかの手がかりとしては、のどの痛みが悪化したとか、ものが飲み込みにくくなった、あるいは熱、寒気、身体の痛みなどが起きたら、たいていは風邪か感染症でしょう」とメディザデさんは指摘します。アレルギーの薬が効かないなら、やはり風邪と思われるサイン。
でも、困ったことに、「風邪とアレルギーが同時に起こることもあります」(ライザッハさん)。ですから、何が原因なのかわからないときは、医師に相談しましょう。
アレルギーが原因ののどの痛みを治すには
image via shutterstock「手始めとしては普通、アレルギー薬がベスト。抗ヒスタミン薬は、炎症をしずめ、全体的に症状を和らげてくれます」(メディザデさん)。イプラトロピウムのような点鼻スプレー、フルチカゾンのような点鼻ステロイド薬も、後鼻漏をやわらげるのに効果的。
自然療法も有効です。温かい塩水でうがいすると、刺激性の粘液を取り除く助けになりますし、水をたっぷり飲む、蒸気を吸い込むなども、チクチク感を和らげてくれます。
当然ながら、何といっても予防がいちばん。なるべくアレルゲンに接触しないようにすれば、症状も起きずに済みますし、のども痛くなりません。
食べ物からアレルギーを緩和したい
花粉症シーズンに。アレルギー症状の原因を緩和するにんじんポタージュ
Marygrace Taylor/Is It Normal to Get a Sore Throat When You Have Spring Allergies?
訳/STELLA MEDIX Ltd.