膝や肩、腰が痛くなったことがあれば、ちょっとした動作でも本当に大変になるのはご存知のはず。

それに残念ながら、関節の痛みはなかなか治ってくれません。関節の痛みには、関節に負担をかけすぎたせいで傷ついてしまった場合、自己免疫疾患となっている場合など、たくさんの原因があるのです。

とにかく痛みを和らげたくて、市販薬に頼る人も多いでしょうが、鎮痛薬を飲まずに済ますならどうしたらいい?

そこで「」です。とても細い鍼で、身体のツボを刺激する伝統的な治療法。

鍼は関節痛の自然な治療法になるのでしょうか? カリフォルニア州バークレーにある鍼・統合医療専門職大学院(AIMC)の教授でサンフランシスコのフォーカル・ポイント・アキュパンクチャー医院の創設者、鍼・中国医学博士で免許を持つ鍼灸師のジョーダン・ホイーラーさんに聞いてみました。

関節痛の本当の原因はなんですか?

image via shutterstock

炎症が引き金となりますが、その原因は山ほどあります、とホイーラーさん。

ケガ、関節への物理的な負担、食事の問題、関節の滑液包炎(かつえきほうえん:関節などの周囲にあってクッションの役割を果たしている滑液包が炎症を起こす)、関節リウマチなどの自己免疫疾患、ライム病などです。

関節の痛みは何歳でも起こり得るのですが、年をとるほど多くなります。鍼は身体のバランスを自然に元に戻してくれます。膝でも手首でもすべての関節に対して、同じように効果を発揮します。

鍼はどういう仕組みで痛みを和らげるの?

image via shutterstock

鍼は何世紀にもわたって受け入れられてきた伝統医療。あらかじめ滅菌した使い捨ての鍼でツボを刺激します。

生物医学は鍼灸よりも後になって発達した分野なので、鍼治療によって分子レベルで何が起こっているのかは研究途上です。

ただ、確かなこととして、鍼には神経の働きや血流をコントロールするような作用があるとわかっています。そのために、痛みの感覚が和らぐのです。

炎症を強くするたんぱく質を抑制する、弱くなった筋肉を強くする、緊張した筋肉をほぐすといった効果も証明されてきました。

治療は具体的にどんなことをするの? 痛い?

image via shutterstock

50〜90分の治療中、鍼灸師は関節痛や全般的な健康状態についていろいろな質問をします。鍼治療は一般に痛くはありませんが、鍼を入れるときにチクッと感じる人もいるかもしれません。ツボに鍼を挿入し、体内のエネルギー(気)の通り道と考えられている「経絡(けいらく)」に働きかけるのです。

中国医学では、「自由に流れているところに痛みはない」と言われています。さまざまな深さで鍼が挿入したら、20〜40分間そのまま静かに休息。眠り込んでしまう人もいます。

では、治療後はどんな気分になるの?

image via shutterstock

痛みが軽くなり、数日間は気持ちが落ち着いてリラックスするはず、とホイーラーさん。治療を重ねるたびに身体の調子が改善して、効果がもっと長く続きするようになります。

でも、クセはなかなか治りませんから、身体の働き方を変えるには何回か治療が必要です(普通は6〜10回)。一般的に、痛みなどの症状が長く続いているほど、治療にも時間がかかります。

効果が感じられなかったら?

image via shutterstock

別のテクニックを使えないか鍼灸師に聞いてみるか、別の療法士を紹介してもらいましょう、とホイーラーさん。

鍼治療に反応しない人もいますし、ほかの治療と組み合わせて受ける場合もあります。どうしても関節の状態が悪化するようであれば、手術が必要になるかもしれません。

鍼治療には、手術後の痛みを和らげてなるべく鎮痛薬を飲まないで済むようにする効果もありますし、身体の治癒力を高めるためにも役立ちます。

身体のメンテナンスは大切

肩こり、筋肉疲労。日頃の疲れを癒すボディメンテナンス術

肩こりはもんでも治らない!? コリや痛みの根本原因を取り除く方法

Ashley Breeding/We Asked an Acupuncturist if the Ancient Practice Can Cure Joint Pain
訳/STELLA MEDIX Ltd.

RSS情報:https://www.mylohas.net/2019/03/187914pvn_acupuncture.html