この時代、何かの症状をちょっとインターネットで調べようとすると、いつのまにかどんどん訳のわからない方向に行ってしまいがちですが、たいていは心配するほどのことはありません。リンパ節が腫れているのは咽喉炎のせいだし、首の吹き出物は新しいローションが合わなかっただけ。
でも、大したことなさそうな症状が重大な病気のサインの場合もありますから、どうもおかしい気がするとか、症状がなかなか消えないようなときは、万一に備えて、医師に診てもらう方がよいかもしれません。
前回の『Prevention』に引き続き、日常に潜む重大な病気のサインを紹介します。
ドライマウス、爪に黒い線が出るなど9つのサインは、こちらの記事で。
1. おりものが臭う
膣が健康かどうか気をつけるのは、とても大事なこと。
イヤな臭いのおりものは「骨盤内炎症性疾患(PID)」のサインという場合があります。クリーブランド・クリニックの情報サイトによると、骨盤内炎症性疾患はたいてい性感染症が原因で起こる、生殖器の重大な感染症。
淋病やクラミジア感染症などの性感染症をちゃんと治さないと、感染が拡大して慢性的な痛みが発生します。不妊になる恐れも。
2. 手足の指がむくんでいる
「指がむくんでいるときは、単なる塩分の取りすぎか、身体をあまり動かしていないせいとも考えられます」とフィッシャーさん。
でも、医師に診てもらわなければならない深刻な事態になっている可能性も。
「手足の指のむくみは、腎臓の病気やうっ血性心不全など、もっと重大な問題が原因でも現れます。むくみが最近になって初めて現れた場合や、悪化しているときは、必ず医師の診察を受けましょう」とフィッシャーさんは強調します。
3. 便の色が薄い
よく話題になるようなことではありませんが、便がだいたいどんな風に見えればよいかくらいはご存知でしょう。茶色でなめらか、ヘビみたいな形。
でもシカゴ大学の医療センターUniversity of Chicago Medicineの情報サイトによると、白っぽく薄い色で、ひどい臭いがするなら、身体が栄養分をちゃんと吸収していない「セリアック病」のサインかもしれません。
4. 匂いを感じにくい
焼きたてのチョコチップクッキーの匂いがしなくなったら、何かがおかしいと思いますよね。
残念ながら、匂いがしなくなるのは初期の、そしてとてもよくある、アルツハイマー病とパーキンソン病のサインなのです。実際に、嗅覚に障害が現れると認知症になる確率が高いという研究結果が出ています。
5. おなかが張る
お腹が張ること自体は普通、たいした問題ではありません。「とてもよくあることです。生理になるころや、辛い食べ物を摂りすぎたときにも」と、フィッシャーさん。
でも、なかなか消えなければ、肝臓の病気や卵巣がんなどもっと重大な病気のサインという可能性があります。
「お腹が張る上に痛みやしつこい吐き気、便に血が混じるなどの症状があったら、心配する方がよいかもしれません」(フィッシャーさん)
6. 脚にあざ(打ち身)ができる
誰でもときどきは打ち身を作ったりしますが、もっと頻繁にいつの間にか現れるようであれば、鉄不足か、深刻な病気「急性骨髄性白血病(AML)」のせいかもしれません。
米国がん協会(ACS)によると、AMLの場合は、赤または紫色の小さな斑点が皮膚に現れます。血小板の数が減った結果だそう。
7. 尿が濁っている
尿は身体の健康状態についていろいろなことを教えてくれます。健康なら透明、または薄い黄色。ちょっと濁っているようなら、水を十分に飲んでいないせいだけかもしれません、とフィッシャーさん。
「でも、水分をたくさん取ってもまだ濁っている場合や、尿に血が混じる、おしっこをすると痛む、おなかのあたりが不快といったほかの症状もあるなら、医師に診てもらいましょう」(フィッシャーさん)
濁った色の尿は、尿路感染症、腎臓結石、性感染症、糖尿病などのサインである可能性があります。
8. 口内炎
よく口内炎になる人は、どれほどイヤなものか(それにとっても痛いし)ご存知でしょう。とメイヨー・クリニックの情報サイトによると、辛い食べ物やストレスといった単純な原因でなりますが、セリアック病のサインでもあります。
セリアック病の人はグルテンに耐性がありませんから、グルテンのせいで口内炎になると考えられています。
9. 甘酸っぱいフルーティな香りの息
フルーティな息なんて、ほかの症状に比べたらとくに、それほど悪いことには思えませんよね。でも、糖尿病のせいというケースもあるのです。
米国糖尿病学会(ADA)のサイトによると、高血糖症(血液中のブドウ糖が多い)を治療せずにいると、体内のインスリンが足りないときに発生する代謝障害、「ケトアシドーシス」になりかねません。
フルーティな匂いは、血液中にケトン体がたまるせいなのです。これは命に関わりますから、気づいたらできるだけ早く医師の診察を受けましょう。
10. 急にトイレに行きたくなる
トイレに行きたくなったら、行かなければなりません。でも、便意がとても切迫していて、頻繁にある場合は(一日に何回も下痢をする)、「潰瘍性大腸炎」が疑われます。
大腸が炎症を起こして潰瘍ができる症状です。クローン病と潰瘍性大腸炎の研究・支援NPO『クローン病・大腸炎基金』のサイトによると、この炎症と潰瘍のせいでおなかに不快感が生じ、頻繁に腸を空にしなければならなくなるのだとか。
11. 手書きの文字がびっしりくっついている
コンピューターのおかげで、書き文字が少しばかりヘタになっている人もいるでしょう。でも、手書きの文字に明らかな変化(とくに前よりずっと字が小さくなった場合)があったら、パーキンソン病のサインかも知れません。
この病気になると、動きが遅くなって、筋肉が固くなるため、文字を書くと小さく、間隔が狭くなります。
不調をそのままにしないで
「あれ何だっけ?」が続くなら医師に相談を。脳がもやもやする不調症状
Tehrene Firman/20 Weird Symptoms That Could Signal a Serious Disease, According to Doctors
訳/STELLA MEDIX Ltd.