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ペットは、人生を楽しくしてくれる友達のような存在。

ペットを飼うことで、運動するきっかけになりますし、落ち込みがちな気持ちを和らげてくれることにもつながるなど、いい点はさまざまです。そんな毛むくじゃら(ウロコや羽毛の場合もあるかもしれませんが……)の友達は、すばらしい面があるのと同時に、健康上のリスクをもたらすという側面もあるのです。

人獣共通感染症(ズーノーシス)は、動物から人にうつる可能性がある病気のことを言います」と説明するのは、ロス大学獣医学部で公衆衛生・疫学の助教を務めるクリスタ・ギャラガーさん(理系学士で、獣医師)。

「動物は、野生動物でも家畜でも、人間にとって有害性のある細菌、ウイルス、寄生虫、真菌を持つ場合があり、人に感染させることもあるのです」と、ギャラガーさんは言います。

でも、獣医さんとそうした感染症について話し合うことで、うまくそんなリスクを避けることは可能です。

「ペットから感染症がうつるのは、体液に触れたときのほか、身体に触れたりなでたりしたとき、噛まれたとき、引っかかれたときがあります。さらに、蚊やダニ、ノミを媒介として感染症がうつされることもあります」とギャラガーさん。

幼い子ども、高齢者のほか、免疫力が落ちた人は、とくに注意する必要があります。前回に引き続き、ペットからうつる可能性のある病気を紹介します。

狂犬病、サルモネラ感染症など前編7つは、こちらの記事で。

1. 猫ひっかき病

「この感染症は、バルトネラ・ヘンセラエ(Bartonella henselae)による病気です。猫からうつります。感染した猫にひっかれた時に感染するのです」と説明するのは、医師のシッポラ・シャインハウスさん。

アメリカ疾病対策センターによれば、動物収容所の30~40%で、猫ひっかき病による発熱が起きたことがあるという記録があるそう。免疫力が落ちた人は特にリスクは高くなります。

1歳未満の子猫を引き取ることは延期した方がよいそう。そうした子猫は感染の可能性が高いからです。猫にひっかかれたときには、傷口をすぐに洗うことが大切です。

ペットの症状:

猫は通常、何ら症状を現しません。ですが、ときに発熱が見られることもあります。まれに、呼吸困難、嘔吐、リンパ節の腫れのほか、目を赤くしたり、食欲不振となったりすることもあります。

猫ひっかき病という名前ですが、犬がかかることもあります。発熱、不整脈、心臓の炎症(心内膜炎)を起こすことがあります。

人の症状:

猫ひっかき病は、発熱やリンパ節の腫れの見られる子どもから感染するケースもあります。

2. ジアルジア

「ペットはほかにも寄生虫をうつす場合があります。ジアルジアは、腸に感染するごく一般的な寄生虫のひとつ。激しい胃腸の症状を引き起こします。汚染された水や糞便から感染することがあるのです」とNHVナチュラルペッツに勤める登録動物看護師、ジョハンナ・リールさんは説明します。

ペットの症状:

おなかにガスがたまって痛みが出たり、胃けいれん、下痢、嘔吐が見られたりすることがよくあります。

人の症状:

おなかにガスがたまって痛い、胃けいれん、下痢、嘔吐というのは、人もペットと同じです。

3. ペット疥癬(かいせん)

人の疥癬と混同しないでいただきたいのですが、本当はペット疥癬が人にうつることはありません。ですが、ときに不快な症状を起こすことがあるのです。

「ペット疥癬は、宿主になる動物にしか寄生できない、要するにペットの体表でしか生きられないのです。しかしながら、その疥癬はペットから飛び移って、人を噛むことがあります。それから再びペットの体表に戻ります」と、シャインハウスさんは説明します。

身を守る最善の方法は、ペットをほかの動物と一緒にしないことです。

ペットの症状:

ペット疥癬は、犬が特に問題になりますが、ペットに寄生して、激しいかゆみ、発疹、水疱、痛みを引き起こすことがあります。

人の症状:

時々かゆみや、肌がヒリヒリする症状を引き起こします。

4. カンピロバクター感染症

カンピロバクターとは何でしょう。アメリカ疾病対策センターによると、カンピロバクターは下痢を引き起こす細菌感染症の原因の中では国内トップと推定されています。生または調理不十分な鳥肉から感染する場合が多いのですが、ペットからうつることもあるのです。

「カンピロバクター感染症は、カンピロバクター菌の仲間が感染することで起こる病気です。糞便が口に入って感染して、健康な人でも胃腸の症状を現します。感染を受けた人がまだ小さかったり、高齢だったり、免疫力が落ちていたりする場合には、症状は重くなる可能性があります」と、ギャラガーさんは解説します。

ですから、頻繁に手を洗うことが大切。特に、動物の糞便に触れたときには重要です。

ペットの症状:

6か月未満の子犬でよく見られます。発熱、嘔吐、リンパ節の腫れが犬で見られる症状としては一般的です。

人の症状:

重い血便がよく見られるほか、発熱、胃腸のけいれんも症状としては多くなります。

5. マイコバクテリウム・マリナム感染症

ここまで毛を持ったペットを原因とした病気を見てきましたが、うろこを持つペットから病気がうつることもあるのです。

マイコバクテリウム・マリナム感染症は、魚の水槽で増えて、人にうつることがあります

「手袋をせずに魚の水槽に手を突っ込んだ人に感染することがよくあります。例えば、水槽を掃除したときです」と、シャインハウスさんは解説します。ですから、魚を水槽から上げて、水槽を掃除するときには手袋をすることが大切です。

人の症状:

赤く腫れたり、手や指に痛みが現れたりします。腕に広がることも。症状としては、微熱が起こることもあります。

6. 鉤虫(こうちゅう)

ほかの犬の持つ寄生虫ですが、鉤虫は犬の腸にいて、吸血している場合があります。その卵がペットの糞に混じっていることがあり、それに触れると幼虫が皮膚から感染します。特に犬のトイレの後始末をした後には、よく手を洗うことが重要です。

ペットの症状:

下痢、体重減少。

人の症状:

人ではあまり症状が現れません。ですが、食欲減退、貧血、咳、息苦しさ、発疹などが現れることもあります。

7. 蜂巣炎(ほうそうえん)

「犬や猫にかまれたとき、皮膚の深くまできばが入ってしまい、すぐに治療を受けないと、ひどい感染症が起きることがあります。蜂窩織炎(ほうかしきえん)です」と、シャインマンさんは注意を促します。

「猫の口には、パスツレラ・ムルトシダと呼ばれる細菌が存在することがあり、犬はブドウ球菌や連鎖球菌、カプノサイトファーガと呼ばれる細菌の仲間を持っていることがあります」(シャインマンさん)。

ペットやほかの動物とは、激しく遊ぶのは避ける方がよさそう。誤って噛まれてしまうこともあるからです。

ペットの症状:

ありません。

人の症状:

噛み跡、激しい皮膚感染症につながります。

8. 刺激性接触皮膚炎

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病気というわけではありませんが、接触皮膚炎はペットと接触することで皮膚を刺激して起こる有害な作用のひとつです。「ペットからのキスは、愛情や忠誠の印なのですが、人にとっては肌を刺激する原因になる可能性があります」とシャインマンさんは言います。

「もしペットのタランチュラを愛好しているとしたら、そうしたクモは柔らかくなく、綿毛のようでもないと知っておくといいでしょう。クモの毛というのは、恐怖を感じたり、戦闘態勢に入ったりしたときに、身を守るために抜け落ちる棘なのです。肌に刺さって、刺激性皮膚炎を引き起こします」

特に敏感肌ならば、ペットになめられたときには発疹を作らないように洗うなど、身を守るための対策を取ることが大切です。

ペットの症状:

ありません。

人の症状:

肌への刺激、発疹、かゆみ。

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Katherine Martinelli/Scary Diseases You Can Get From Your Pet, According to Vets
訳/STELLA MEDIX Ltd.

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