胃腸を傷つける生活習慣は、食べ過ぎ・飲み過ぎだけではありません。日本人に多い消化管のがんを防ぐためにも、胃腸のケアは重要。予防医学医の奥田昌子さんが教える「胃腸を最速で強くする方法」を、毎日ひとつずつご紹介します。 images via shutterstock

高齢者の喉のトラブルでもっとも注意が必要なのが、誤嚥(ごえん)です。誤嚥とは、飲食物がうまく飲み込めず気管に入ってしまうこと。気管がつまるだけでなく、飲食物と唾液に含まれる細菌やウイルスが気管から肺に入り込んで繁殖し、ときには死につながる誤嚥性肺炎を引き起こします。

高齢者が誤嚥を起こす理由としては、加齢により嚥下反射が適切に起こらなくなることや、歯が悪くてよく噛めないこと、唾液の量が減ることなどが挙げられます。

さらに危険なのは「早食い」の習慣です。高齢者が早食いすると、飲み込むスピードに嚥下反射がついていけず、食べたものが気管に入りやすくなるのです。

飲み込む力は40代からおとろえ始めるといわれています。若いうちからよく噛む習慣をつけるとともに、下記のことを心がけてみてください。

腹式呼吸を訓練する。呼吸する力が高まり、誤嚥しても吐き出しやすくなる。 水を飲む瞬間に喉仏がぐっと上がるので、この状態をしばらく維持するトレーニングを行う。嚥下のための筋肉を鍛えることができる。 食べるときは背筋を伸ばし、あごを少し引いて食べる。猫背やあごを上げた姿勢は誤嚥を起こしやすい。

嚥下は基本的に耳鼻咽喉科が専門で、リハビリテーション施設が嚥下訓練を取り入れる例も増えています。飲み込みにくさを感じたら早めに相談しましょう。

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