どんなダイエットをするにせよ、永遠に体重を落とした状態をキープしていきたいなら、健康的にものを食べて、身体によい習慣を身につけるしかありません。要するに、体重を減らすのはそう簡単ではないということ。

それに、しばらくがんばったのに体重がちっとも落ちないと、かなり悔しい気持ちになりますよね? そこで、最前線で活躍する栄養士の皆さんに、ダイエットがうまくいかないのはなぜなのか、体重がなかなか落ちない原因はどこにあるのかについて聞いてみました。

ダイエットを長く続けて成功させるにはどうしたらいいのでしょうか。多くの人がやりがちな意外な間違いとはなんでしょうか。

1. 体重計の数値を気にしすぎている

あなたにとって、成功とは何ですか?

「私のクライアントの多くは、体重ばかり気にするのをやめたら、最終的には食べ物を敵視しなくなり、自分の身体をよく理解して評価できるようにもなりました」と話すのは、健康的な食生活に関する情報を提供するウェブサイト「Food Heaven Made Easy」の設立者で、登録栄養士のウェンディ・ロペスさん。

糖尿病に関する教育も行っているロペスさんいわく「体重計が不安をかなり煽ることもあれば、そもそもの“目標体重”が、栄養が足りない食事や不規則な食事をしない限り達成できない数値であるというケースもあります」

健康的な食事をして、栄養のある食べ物を選ぶようにすれば、おそらく体重計に現れるよりも前に結果を実感できるはずと話すのは、ハッピー・スリム・ヘルシーの登録栄養士ジェンナ・A・ウェルナーさん。体重が減っていなくても、体調がよくなったと感じるのはいいことなのです。

「まずは自分の精神状態や体調、睡眠や消化の具合、運動した際の体の調子などをきちんと把握しましょう。食事を変えたときに、それらがどのような影響を受けていますか? こうした体重計ではわからない要素が、生活の質に大きな違いを生むのです」(ウェルナーさん)

2. 気づかないうちに、以前よりも健康になっている

最強のアスリートのなかには、筋肉があまりにもたくさんついているために、体格指数(BMI)では太り過ぎ、あるいは肥満に分類されてしまう人もいます

これまでとは食事の方法を変えた、筋トレを増やしたなど、ライフスタイルに変化があるなら、体重が減らないのは単純な理由かも。

脂肪が減っていると同時に、筋肉がついているのかもしれませんよ。その結果、体重計の数値には現れない体の組成の変化が起きている可能性があります」と話すのは、ニューヨーク市の登録栄養士バーリ・ストリコフさんです。

全般的に健康を改善するには、体重を減らすことよりも筋肉をつけることを目指しましょう。健康関連企業アボット社の登録栄養士アビー・ザウアーさんは次のように語っています。

「『Annals of Medicine』誌に掲載された2018年のレビューによれば、重要なのは筋肉量です。体力や体調、可動性に影響を与えるのは筋肉なんです。体重だけを気にするのではなく、筋肉をつけてそれを維持することを目標にしましょう。これは40歳以上の女性にとっては特に大切。40代以降になると、年代ごとに筋肉量が最大8%落ちていくからです」

3. 恥ずかしいという気持ちが動機になっている

「自分の身体が恥ずかしいからではなく、自分自身を大切に愛する気持ちから物事を選択するようにしましょう。そうすればもっと幸せになれるし、身体にいちばんあったことが選べるようになり、実際に選んだことを行うときも長く続けられる可能性も高くなります」と言うのは心と身体を考えたダイエット本『Body Kindness』の著者で登録栄養士のレベッカ・スクリッチフィールドさん。

健康的なダイエットについて解説する『The One One One Diet』の著者で公衆衛生学者のラニア・バテイナーさんは、新しいダイエットを始める前に、生活全体を見直すよう勧めています。睡眠時間はどのくらいですか? 1日を通して体調はどう? どんな気分になることが多いですか?

「これは、ダイエットの作戦がうまくいくように、生活の中で変える余地がある点を見つけるのに役に立ちます。目標はただ体重を落とすことではなくて、より健康的なライフスタイルを手に入れることであるべきです。ふだんの生活の中で行なっているすべてのことが、自分の意識の表れなんですね。アイデアが思考になり、思考が行動になって、行動が結果を生みます。心の中で健康的な選択をしたのであれば、自然に体重も減っていきますよ」(バテイナーさん)

4. できるわけのない目標を設定している

あなたの目標は理にかなっているでしょうか?

生きている人には達成できないような不可能な目標のことを、私は“死人の目標”と呼んでいます。たとえば、“もう絶対チョコレートは食べない”というのもそれです。そうした明らかにできないことを無理にやろうとするのではなく、チョコレートや他の絶対に避けなきゃいけないと思っているものを、あえて食べてもよい方法はないかどうか考えてみましょう」(スクリッチフィールドさん)

たとえば、こう自分に言ってみてはどうでしょう? 「夕食後に週に3回だけ、チョコレートをひとかけら食べてもいいことにする。そして、そのときは思いっきり味わうこと。誕生日パーティや特別なお祝いなどホームメイドの焼き菓子がある場合は、3口だけ食べてもいいけど、残りはがまんすること」

「ここ最近やってしまった間違いや、人生で何度も経験した同じ過ちを繰り返さないようにしましょう。つまり、勝ち目のないダイエットのゲームに挑戦するのはもうやめること。習慣を変えるときには、新しい習慣を気持ちよく続けていけるようなものにするよう心がけると、もっとやる気が出ますよ」と、スクリッチフィールドさんはアドバイスしています。

5. 食べたり、食べなかったり、極端な状態になっている

しょっちゅうお腹がすいているのはかまいませんが、そのときに何も食べないでいることは体重を減らす助けにはなりません。食べ物にありついたときに、かえって食べ過ぎる原因になってしまうからです。したがって、食事を抜いてはダメ。余分のエネルギーが必要なときは、多少のおやつ(アーモンド1人分など)を追加して、とロペスさんは注意をうながしています。必要な栄養が摂取できていないと代謝が遅くなってしまうからだそう。

添加糖類や飽和脂肪の摂取を減らし、繊維質を増やすなど、まず小さなことから変えていくのはとてもいいですね! 小さな変化はライフスタイルの大きな変化につながり、長い目で見れば、よりよい結果が生まれます」(ストリコフさん)

ダイエットを成功へ導くには?

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Karla Walsh/15 Hidden Reasons You're Not Losing Weight, According to Dietitians
訳/Maya A. Kishida

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