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心理学を活用。ネガティブな感情を分析すると、自己肯定感が上がるワケ
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心理学を活用。ネガティブな感情を分析すると、自己肯定感が上がるワケ

2019-06-19 10:30
    メタ認知とは直訳すると「認知を超えた認知」、もう少し実際的な意味では「認知に対する認知」という意味です。たとえば「これはお茶だ」。これは認知です。

    メタ認知というのは、「私は湯のみ茶碗に入っている透明で緑色で、そこに何かが沈殿している液体を見ているからお茶だと感じている」。ここまで分析するとメタ認知ということになります。

    自分が何かを見て、何かを感じたことに対して、もう一度客観的な分析を加える目線を持つのがメタ認知です。

    では「自分はダメだ」という認知をメタ認知で見てみると、「昔、こういうことで何度も失敗を繰り返してきて、認めてもらえない体験が積み重なって、自分で自分に価値がないと思ってしまうんだな」といった感じです。これを繰り返していくと、ネガティブな感情に没入し続けることがなくなり、ラクになっていくのです。

    注意力を自在にあやつれるようになると、メタ認知は上がっていくと言われています。たとえば渋谷などの街中に立って、流れてくるいろいろな音の中から、ひとつだけに注意を向けるというトレーニングがあります。

    ハイヒールの音だけ、車のエンジン音だけ、というやり方です。これは注意力トレーニングと言われるもののひとつの手法で、繰り返すとメタ認知が高まり、自己肯定感も上がっていくのです。

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    川野泰周(かわの たいしゅう)先生
    臨済宗建長寺派林香寺住職/RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長。2005年慶応義塾大学医学部医学科卒業。臨床研修修了後、慶應義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。2011年より大本山建長寺専門道場にて3年半にわたる禅修行を行った。現在は寺務の傍ら精神科診療にあたり、マインドフルネスや禅の瞑想を積極的に取り入れた治療を行う。著書に『ずぼら瞑想』(幻冬舎)、『会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン』(すばる舎)などがある。精神保健指定医・日本精神神経学会認定専門医・医師会認定産業医。

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    取材・文/島田ゆかり、image via shutterstock

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