飲酒やタバコ、睡眠不足は、やっぱり「がん」につながるのでしょうか?
前回に引き続き、がんについて、医師が患者によく聞かれる質問をまとめてみました。
「太りすぎはがんと関係がある?」「がんの原因になる病気は?」など質問7つは、こちら。
1. お酒を飲むと、どんながんのリスクがありますか?
「アルコールは、頭頸部、食道、大腸、肝臓、乳房にできるがんのリスクを高めると知られています」と説明するのはクリシュナムルティさん。実際、『ランセット』誌に掲載された2018年の調査によると、これくらいのアルコールならば大丈夫という安全な飲酒量はないことがわかっているのです。
1日1回のお酒を飲むだけでさえも、頭頸部がんおよび食道がんのリスクを増やし、乳がんリスクをわずかに増やすことがわかっています。
2. 十分な睡眠が取れません。睡眠不足はがんのリスクに影響しますか?
「不眠症や睡眠不足ががんの原因になることは示されていませんが、ストレス、不安、精神の不健康につながる可能性はあります」とフィリップスさん。
十分な睡眠が取れていない場合は、ほかの健康問題が隠れている可能性もあるため、医師への相談を考えてもよいでしょう。
3. 大腸がん検診の選択肢にはどのようなものがありますか?
「標準的な方法は、大腸内視鏡検査です。大腸の内部全体を見ることが可能で、しかも、がんになる可能性のあるポリープを検査中に切り取ってしまうことができるからです」とクリシュナムルティさん。
ただし、大腸内視鏡検査を受けるには、腸をきれいにするために仕事を休む必要があり、検査を思いとどまる人もいるかもしれません。
そういうときには、ほかにも大腸がんや大きなポリープを早めに発見する方法はあります。もう少し受けやすいのは、軟性S字結腸鏡検査や便中DNA検査となります。
4. 仕事はがんのリスクにどのように影響しますか?
「毒性のあるものにさらされるような場合、特定のがんにかかりやすくなる可能性はあります」とフィリップさんは指摘します。
例えば、美容院で働いており、染毛剤を使うことがある人は、特定のがんリスクが高くなる可能性があると研究により示されています。
また、アスベストにさらされる人の場合には、肺がんや中皮腫を発症するリスクが高くなります。そうした場合には、医師が検査を追加するようにすすめる可能性があります。
5. どのくらいの頻度で全身の皮膚検査を受ける必要がありますか?
ほくろの「非対称性」「不規則な境界線」「色の変化または不均一」「大きな直径」「進行する変化」を目安に皮膚がんに気をつけるようにフィリップスさんはアドバイスします。
「皮膚病変が典型的なものではなく、サイズ、形、色が時間経過とともに変化する場合、医師に確認してもらうとよいでしょう」とフィリップスさん。
さらに、個人および個別のリスクに加えて、日焼けの程度に従い、皮膚科医は年1回の全身皮膚検査をすすめる可能性があります。
6. 禁煙治療を受けたほうがいいでしょうか?
「患者さんの禁煙への関心や心構えの程度に応じて、禁煙を助ける手段は幅広く存在しています」とフィリップさん。
行動カウンセリングであっても薬物療法であっても、サポート、適切な紹介、治療を受けるため、医師と目標を慎重に決めていくことが大切です。
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Emilia Benton/Questions to Ask Your Doctor About Your Cancer Risk Factors/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)