2025年の世界情勢、トランプ次期大統領が「台風の目に」 外交評論家の孫崎享が選ぶ10人(エコノミスト、2024/12/29/
まず注目は、米国のトランプ次期大統領でしょう。経済、安全保障、外交面で依然として米国の影響力が大きい中、歴代の大統領以上に「トランプ氏の個性」が意味を持つと思います。
 味方だと思えば大切に、敵と位置づけたら攻撃する姿勢。カナダやメキシコに高い関税を課す意向を示すなど、波乱を起こしつつそこからの「ディール(取引)」を楽しむのがトランプ流。それらがウクライナや中東、そして米中対立の情勢変化にどう影響するか。
 中国の習近平国家主席。国際政治の流れを作る力、そして経済力でも中国の存在感はいまや非常に大きい。外交的な形での決着にならざるを得ないであろうウクライナ戦争も、和解のためには中立的で、かつ政治力を持つ人物が必要です。ロシアもウクライナを支援する米国も、その役割は中