夏の寝室づくりの最も重要なポイントは、ズバリ温熱環境を整えること。考え方の例を挙げてみましょう。
A.冷房でしっかり部屋を冷やし、厚い布団をかけて寝る(ホテル様式)
B.冷房を適度に使い、寝具と着衣量で調整する
C.冷房を使わず、寝具と着衣を薄くして、扇風機で気流をつくる
一番避けたいのはCです。「冷房は体がだるくなるから苦手」と、寝室が30℃を超えているのに扇風機だけで乗り切ろうとするのは危険。睡眠中に熱中症を起こすリスクが高いからです。逆転の発想で、着衣量を増やして冷房を使いましょう。
私は極度の冷え性で、冷房が苦手でした。現在は「長そで・長ズボンのパジャマ」+「肌着」+「腹巻き」+「レッグウォーマー」というスタイルで、ガーゼケットをかけて寝ます。それにちょうどいい室温28℃に設定して、冷房は一晩中つけています。
この話をすると暑そうだと驚かれますが、「体の近くで保温したほうがぐっすり眠れる」ことに気づきました。睡眠中にガーゼケットが外れても、寝冷えをすることがありません。どれくらい着衣量を増やすかは人によって違うので、自分のベストを見つけてください。
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三橋美穂(みはし・みほ)
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕はその人の頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通している。日本語版を監訳した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(カール=ヨハン・エリーン、飛鳥新社)はシリーズ累計100万部を突破。NHK「あさイチ」など、テレビ番組の出演多数。