今回はクレンジングについて、「ダブル洗顔不要とうたっているものは、洗顔料と併用するものに比べて洗浄力は問題ないのでしょうか?」というお悩み。そもそも、洗浄力が強いほど肌への負担が大きくなることはないのでしょうか?
化粧品メーカーでの美容コンサルタントとして多方面で活躍する、ビューティサイエンティストの岡部美代治さんに伺いました。
ダブル洗顔不要クレンジング、本当にその1本だけ使えばOK?
image via shutterstock最近は、メイク落としと洗顔の機能を併せ持った「ダブル洗顔不要」のクレンジングも世の中に多く存在します。ただ、一度洗うだけですべての汚れはきれいさっぱりオフできているものなのでしょうか?
「両方の機能を満たしているので、一度の使用で問題ありません。洗浄力が弱いとか、きちんと汚れが落ちていないなどといったことはありません」(岡部さん)
ただ、ダブル洗顔不要のクレンジングには、オイルやミルクなど、洗い上がりがしっとりしているものが多くあります。
さっぱりと洗いたいなら、ダブル洗顔不要のクレンジングのあとに泡洗顔を組み込んでもいいのだそう。
「泡立てて使う洗顔石鹸などを使うと、洗い上がりがさっぱりとして気持ちいいですよね。洗ったあとにきちんと保湿すれば、洗いすぎることはありません。
ちなみに、泡を洗い流したあとに肌がキュッキュとすると、肌が乾燥してつっぱっているのでは? と思いがちですが、そうではありません。
洗顔料に含まれている脂肪酸などの保護成分が肌表面に留まっているサインなんです。洗いすぎではないので安心してください」(岡部さん)
ちなみに、クレンジングや洗顔料で洗ったあとにぬるつきを感じる場合も、きちんと洗えていないわけではなく、保湿成分によるしっとり感によるもの。
しっとりかさっぱりか、は、洗い上がりの好みで選べばOKです。
そもそも「ダブル洗顔」はどうして必要なの?
では、ダブル洗顔が必要なクレンジングと不要なクレンジングは何が違うのでしょうか。
「クレンジングはメイクなど油性の汚れ、洗顔料は埃や古い角質など水性の汚れを落とすもの。目的が異なり、両方使うことですっきりと洗うことができます。
ダブル洗顔することで小鼻脇や生え際などの洗い残しを防ぐことができるとともに、手をかけて洗うため、さっぱりとした心地よさやきれいになった安心感を得ることができるんです」(岡部さん)
さらに、洗顔料は古い角質などもきれいにオフできるため、その後に使うスキンケアの肌なじみもアップするのだそうです。
「ダブル洗顔は、丁寧なステップで肌をいたわる理想的なケア方法のひとつ。ただ、時間がない日もあるし、忙しいライフスタイルを送っている人もいる。
ダブル洗顔不要のクレンジングのほうが機能的に不十分というわけではないので、お好みでチョイスしていただければいいのです」(岡部さん)
「洗いすぎると肌に必要なうるおいまで失う」は本当?
クレンジングや洗顔料の「洗浄力の高さ」によって、本来肌が持っているうるおいまでもが洗い流されてしまう、という説があります。洗いすぎると肌は乾燥してしまうのでしょうか。
「しっかり洗顔することで、必要な肌のうるおいが多少奪われ、そのままだと肌力がダウンしてしまうことはありえます。
ただし、洗顔後の保湿をきちんとすれば大丈夫です。丁寧な保湿が肌のバリア機能を守るから、肌自らがすこやかでいられるのです 」(岡部さん)
反対に「過剰なケアで肌を甘やかす」ということもないのだそうです。
「どんなに保湿しても肌機能は損なわれません。つまり、リッチな成分が配合された美容液をたっぷり使ったところで、肌が怠けることはないのです。
逆に、保湿をきちんとしないと、炎症が起きてターンオーバーが乱れてしまいます」(岡部さん)
肌の自活力を育てようという気持ちで肌断食(スキンケアを何もしない)に走るのも危険ということになります。
「肌断食は、肌に合わない化粧品を使っていて肌状態が悪化し、その症状を落ち着かせるために一定期間行うなら効果があります。
しかし、化粧ノリがよく、肌が気持ちいい状態であれば、そのスキンケアは合っているので肌断食は全く必要ありません。ケアはどんどん行いましょう 」(岡部さん)
クレンジングも保湿もやりすぎることはありません。
自分に合った方法で、肌を清潔かつ、うるおった状態にしてあげること。それこそがすこやかなターンオーバーと美肌の鍵なのです。とは言っても強くこすり過ぎることは避けてくださいね。
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