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咳なんて、風邪を引いたにすぎないもの……。

そう思いがちですが、実は深刻な病気が潜んでいることもあるんです! アメリカ在住の女性の身に、実際おきたこととは?

睡眠不足かも、と思っていたら

ボーイフレンドのジェイソンとともに2017年の秋の終わり頃に旅行に行って、ちょうど帰ってきた直後のこと。咳が出ていて風邪かな? と思ったけれども、睡眠不足が続いているのかもと考えたんです。しかし、2月下旬になっても治らない。しかもどんどん体重が減り始めたのです。お気に入りのジーンズもぶかぶかに。洋服のサイズの号数も小さくなっていったのです。

3月中旬頃、お医者さんに診てもらおうと決意しましたが、それでもまだタチの悪い気管支炎程度と思っていました。実際、病院のスタッフもそう思っていました。血液検査をして抗生物質の処方を受けたのですが、検査でわずかな異常が見られたため、医師から胸部X線撮影をすすめられました。金曜日午後、ちょうど仕事がなくて時間が空いていたので、画像診断センターで検査を受診。

9cmの腫瘍が肺を圧迫していた!

X線検査で胸部に大きなしこりが確認され、心配な気持ちに。CT検査の後、恐怖心は頂点に達しました。気管支炎ではなく、右肺を圧迫する9cmの腫瘍だったのですから!

ほぼ10日以内に、主治医は、胸の中心にリンパ腫のかたまりを確認しました。父とジェイソンと一緒に診察室に座り、「先生、それはどういうことですか」と言ったのは覚えています。2週間前には気管支炎、または軽い肺炎などと思っていたのに、なぜ今はがん専門医と化学療法の話をしているのでしょう。

私の診断は、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBC)。ごくまれで、進行性の非ホジキンリンパ腫と呼ばれる血液のがんで、さいわい腫瘍は広がってはいませんでした。

不安な気持ちはネットの仲間が支えてくれた

4月上旬、第1ラウンドの化学療法を開始しました。髪の毛がすべて抜けてしまうのは耐えがたかったので、心の痛みを少しでも減らすため、自分で先に髪の毛を剃ることを決めました。友人と一緒に、覚悟を示すために写真を撮影。

私はちょうど37歳に。5日間、2週間ごとに病院で集中治療を受けます。孤独を感じ始めたのは驚くことでもなかった。すばらしいサポートを受けられ、ボーイフレンドもサポートしてくれたけれども、結局、誰の助けも得られない孤独な戦いです。

がんになるという生死に関わるような状況に遭ったとき、自分をしっかり持っていることはたやすくはないこと。そこで、私はブログを書くことを始めました(ユーモアで、がんのことをアグリ・リンダと呼ぶことに)。これで同じタイプのがんにかかっている人や、友達がそうだという人とつながれるようになったのです。

さらに、サバイバーから家族までおよそ1500人が参加するサポートグループもオンラインで発見。こうしたコミュニティの一員になることで安心することができました。「化学療法の反応?」「これは普通のこと?」などの質問をできるのですから。難しいことばかりと思っていたけれども、希望を持てるようになったのです。

がんは「世界最悪の宝くじ」のよう

8月上旬に治療は完了。このとき髪の毛はすべて抜け落ちていました。合併症のために化学療法の治療を終えてもなお入院し、輸血を何度か受けました。

そうして奇跡的に、基本的な腫瘍は消えてくれたのです。残ったのは、わずかな瘢痕組織だと確認されました。主治医はがんを引き起こした原因は特定できていませんでした。がんって分からないもののようですが、まるで世界最悪の宝くじに当選したよう。自分がなったタイプのリンパ腫は遺伝的なリスクがなく、米国でも毎年300〜400例しか診断されていないのです。どこかで化学薬品や農薬にさらされていた可能性もあるのですが、本当に原因は不明です。

白血球の数は少なくなり、免疫機能をほとんど失った闘病生活の日々は、つらいものでした。しかしこれを機に、人生をもっと前向きに変えたいと思えるようになりました。ボーイフレンドとの仲も、ぐっと親密に。

私が最後のラウンドの化学療法を始める前日のちょうど5年前、母ががんで亡くなっています。母はがんとの戦いに敗れたけれども、私自身はがんに勝てると思っています。とてもつらいものでしたが、家族は一緒になって助けてくれたのです。

今は3か月ごとにPETスキャンを受け、定期的に血液検査も受けています。このまま2年間が経ってくれれば、「治癒した」と見なされます。

少しでも異常に気づいたら、すぐに医師に相談を

治療の副作用を経験して、「美しさ」の定義が自分の中で変わってきました。化学療法を受ける前、私はロングヘアが好きでした。そんな私はもうおらず、ゆっくりと生えてくる髪の毛は太く縮れていて全く違うものになりました。今、私にとって、美とは強さのこと。身体にとても感謝するようになっています。以前はそんな風にならなかったのですが、身体の能力に違った感情を抱くようになったのです。

ほんの小さなことでも、何か気分が悪くなったならば、すぐに医師の診断をあおぐべき。私ががんの診断を受けたときに、まわりのみんながショックを受けました。でも、そのおかげでみんなが医師の診察を受けるようになり、よいものを食べるようになり、何か具合が悪いときにはケアを考えるようになったと教えてくれたのです。

健康は、この世で一番大切なもの。自分で管理できていないとしたら、それは問題と考えるべきなのです。

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Jenni Ottum As Told To Emily Shiffer/I Thought My Nagging Cough Was Bronchitis—But My Body Was Fighting a Rare Cancer/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)

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