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「お尻のがん」が増えている。その痛みや出血、痔ではないかも!?
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「お尻のがん」が増えている。その痛みや出血、痔ではないかも!?

2019-12-11 21:00
    image via shutterstock

    ただの痔だと勘違いしないで。

    テキサス大学などの研究グループが行った最近の研究によると、米国では肛門のがんが増加しており、死亡するケースも増えているのだそう。

    この研究は、肛門のがんの過去15年以上にわたる傾向について調べたもの。腫瘍学の専門誌である 『Journal of the National Cancer Institute』誌で報告されました。この間に、およそ6万9000人が肛門のがんになり、1万2000人がそのために亡くなりました。

    肛門の「扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん」(体の表面や、食道などの内部が空洞になっている臓器の内側の粘膜組織から発生するがん)は毎年2.7%増え、遠隔転移した(がんが身体のほかの部分まで広がった)扁平上皮がんは男性で3倍に、女性では7.5%増えました。若い黒人男性と年配の男女がとくに高リスクでした。

    肛門のがんによる死亡も、毎年およそ3%の割合で増えていて、50歳以上の人では「統計的に確実」に急増している状況です。

    どうして肛門のがんが増えているのか?

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    いちばん有力な説は、「環境的になりやすい条件が増えたためと考えられ、とりわけヒトパピローマウイルス(HPV)感染は、肛門のがんすべての86〜97%で原因になっています」と、ステファニー・H・グレコ医師 (ペンシルベニア州フォックス・チェイスがんセンターの腫瘍外科助教授)。

    米国国立がん研究所(NCI) によると、HPVには親戚同士のウイルスおよそ200種が含まれ、そのうち40種以上が性的な接触(キスからオーラスセックスまで)により直接的に伝染します。そして驚くほどよくあることで、現在およそ7900万人の米国人がHPVに感染していますが、 米国疾病対策センター(CDC)によると、ほとんどの場合とくに怖がる必要はなく、何の問題も現れずに自然に消失します。

    でも消失しないケースもあり、そうなると性器に「いぼ」が現れ始めます。肛門のがんに加えて、子宮頸がん、頭頸部がん、陰茎がん、外陰がん、膣がんにつながるHPV種も。CDCの推定によると、これらのがんのうち毎年3万5000件近くがHPVによるものです。

    HPV感染とその後の合併症を防ぐためには、予防ワクチンがありますが、米国全体の接種率は高くないと、グレコ医師は指摘。米国では、CDCが11〜12歳の間に(または、9歳という早期に)1回目、その後1年以内に2回目の接種をすすめています。

    肛門のがんのサインは?

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    すでにHPVに感染している人、またはワクチン接種していない人は、肛門のがんのサインに気づく方法を知ることが大切。ほかのがんと同じく、発見が早いほど、治療も成功します。

    肛門のがんは、症状が現れないケースが患者の20%におよびますが、米国がん協会(ACS)によると、次のようなサインに気をつけるとよいようです。

    肛門からの出血 肛門のかゆみ 肛門の開口部にしこりやかたまりがある 肛門あたりに痛みや詰まったような感じがある 便が細くなった 排便の習慣が変わった(回数が増えたり減ったり) 肛門からの異常な排出物、粘液、または膿(うみ) 肛門または脚の付け根のリンパ節が腫れる

    一般的な消化器系の問題と肛門のがんのサインを見分けるには?

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    いぼ痔や切れ痔などの肛門疾患は、がんよりもっと一般的ですが、肛門のがんと症状が似ているため、自分では見分けにくくなります、とジャック・ジャクーブ医師(カリフォルニア州オレンジコースト医療センターがん研究所で医長を務める腫瘍学者)。「これまでなかった出血と痛みがあって、続くようであれば、医師の診察を受けます」

    出血や痛みはがん以外の問題でも発生しますが、重大なことではないとはっきりさせるために、必ず医師の診察を受けます、とフロリダ州モフィットがんセンターの大腸外科医、ジュリアン・サンチェス医師 も強調。

    肛門のがんの検診はあるの?

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    大腸がんの検診ほど一般的でもありませんし、広くすすめられてもいません。ACSによると、HPV感染が分かっている人、HIVに感染している人、アナルセックスを受けた人、喫煙者、免疫不全の人など、肛門のがんのリスクが高い人に、直腸診や肛門のパップテストが推奨されています。

    「肛門におかしな症状があるなら、きまりが悪いかもしれませんが、診察を受けることが大切です」とジャクーブ医師。

    「肛門を調べられるのは恥ずかしいですし、見られたくないために、診察がかなり遅れてしまいがちです。すると、やっと診察を受けるころには、がんが長引いて進行している恐れがあります」

    気になる症状があったら受診を

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    Korin Miller/Anal Cancer Rates Are Rising In the U.S.—Here’s How to Spot the Symptoms/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)

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