「米国経済の虚飾を正す」 エマニュエル・トッド著『西洋の敗北』。
「まずアメリカ経済の強みを指摘しておこう。
近年最も重要な技術革新がシリコンバレーからもたらされたことは論を俟たない。シリコンバレーの通信・情報技術の進歩は。世界中津まではいえないまでも、少なくとも同盟国への支配力を強めた。
これも近年のことだが、アメリカの石油、天然ガスの生産国としての大いなる復活も目の当たりにした。
シリコンバレーの通信・情報技術とエネルギー資源の両極端にこそ、アメリカ経済の弱みと困難さが存在する。つまり、モノの製造、伝統的な意味での「工業」に当たる部分である。
アメリカ自身によって進められたグローバル化が、アメリカの産業覇権を根底から覆した。
1928年アメリカの工業生産高は世界の44.8%、しかし2019年には16.8%。
中国は2020年に28.7%。
 工業中の工業、工作機械を見てみよう。2018年中国は世界の2